しめじ

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雷怖い?
大丈夫だよ。だってほら、光ってからすぐに音は鳴ってないでしょ?
実際に落ちたのはここからずっと遠くなんだよ。
だから、大丈夫。
何かあっても、私が必ず守るから。

毛布に包まって、縮こまった私の背中をさすって、
抱きしめてくれた。お姉ちゃん。
父さんと母さんは、酷い天気でも、忙しくてずっと家を開けていて。
ふたりっきりで過ごした、小さい頃の大切な思い出。
私とお姉ちゃんが過ごせた最後の思い出。


あの時と同じ酷い天気で、窓は軋んで、
激しい光に瞬間照らされる。
縮こまりながら、心のなかで数を数える。

お姉ちゃん。怖いよ。

助けにきて。

お姉ちゃんは来ない。来れるわけがない。
だって、もう会えないから。

自然と溢れてしまう涙をそのままに、
私は目を閉じ、自身を抱きしめる。

大丈夫。大丈夫だよ。

口に出した声は、お姉ちゃんとそっくりだった。

8/24/2025, 5:39:43 AM