Kanata

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7/8/2025, 1:45:34 PM









7/7/2025, 9:54:40 AM

あの人は空に似ている。
満点の笑みはさながら太陽そのものであったし、
蓄積した想いに耐え兼ねて涙を流す
ところもまるで予測のつかない通り雨のようだった。
美術館で惹かれる絵画に出会った日には、
目に星が宿ったりもしていた。
パンケーキやガトーショコラやらの甘味にかける
粉砂糖の量がやたら多かったという点を含めたら、
雪を纏っていたとも言えるかもしれない。
流石にこじつけに思えるけれど。 
「生地が見えないくらいがちょうどいいんですよ」
と微笑む瞳は優しい三日月だったような気がしている。

気まぐれで、強情で、
こちらの意見などものともしない。
手を伸ばしたとて掴めやしないし、
こちらが引いたとて何も変わらない。
征服なんて夢のまた夢。

それでも、たしかに目が離せない。
あの人の光を身一つで受けるあの時間が好きだった。
何時だって写真に収めたくなるほど美しく
時に神様も吃驚するほど残酷で
そして、
二度と手に入ることのないあの人は
たしかに空に似ていた。

2025/07/07[空恋]

5/26/2024, 11:49:50 AM

星に願ったって叶わないなら
精々最期の悪足掻き

許せない
私ばっかり苦しいなんて
許さない
1人で幸せになろうなんて


私のものにならないのなら
誰も愛せない様にしてあげる

星なんかと比にならない
強力で執拗な魔法をあげる


左様なら、愛に満ちた貴方


「 。」



本当は望まぬ不幸

幸せでいてほしかった
笑顔でいてほしかった
永遠に私の光でいてほしかった

でも
許せなかった

幸せになる貴方を

劣情を持ってしまった
怒りすら感じるほど好きになってしまった
貴方に釣り合わない私を


御免なさい
どうか
愚かな私を許さないで

愚かな私を
一生
一生、覚えていて


「愛しているわ」


愛憎渦巻く
慣れない魔法に全てを注いだ
無垢な少女は月の生贄

それでも、
ムーンストーンは光らない


月に願ったって叶わなかった



魔法はそう簡単に頼るものではない


2024/05/26【月に願いを】

5/25/2024, 11:27:50 AM

窓ガラス越し
降り止まない雨を横目に
慣れた手つきで珈琲を2杯注ぐ
前より味を感じなくなった

今日はなんだか電気を付ける気にならない
月明かりを頼りに椅子に座る



君は雨が嫌いだった

雨の日はいつも
窓際のこの椅子に座って外を眺めていた
『降り止まなかったらどうしましょう』
なんて言っていたのを思い出す

その言葉を聞く度に
「止まない雨なんてないよ」
と慰めながら珈琲を入れてあげていた


幸せだった 人生で一番
救いだった あの時間が

なのに

なのに


もし、
あの日雨が降っていたら
君は外出なんてしなかったのだろうか
ずっと
ずっとここにいてくれただろうか


『やっぱり晴れの日が一番ね!』



今更降ったって何も変わらないんだよ
僕が虚しくなるだけだ

だから
だからせめて

「今日ぐらい晴れてくれよ」


一輪の白百合が揺れる
雨はまだ降り止まない


2024/05/25【降り止まない雨】

5/23/2024, 11:57:31 AM

シルクの様な白色の髪
手入れを怠るは厳禁
レースに包まれた華奢な手
穢すことのないように
ライトピンクのクラシックロリータ
何時だって貴方が一番

最後の仕上げに甘いメイクを、


『可愛くない』


向き合った鏡に映るは現実
逃れられない
紛れもない真実


低さの増す声色
可憐さを失う身体
見下ろすことが多くなった

その全てが失望を意味する
何もかもが心と相反する

失われていく
培ってきた努力が音を立てて崩れていく

成長
現実
制限時間
逃れられない


今日も1枚鏡を割った


逃れられないのなら
眼を逸らす他ない

仕様がないことだ

"僕が僕でいるために"

「理想に犠牲は付き物だから」


チョーカーのリボンを短く切った


2024/05/23【逃れられない】

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