※『一年前』の続きです。
幸せそうな笑顔を浮かべながら、ケーキを食べる恋人を見つめる。普段より、さらに緩んだ表情も、見つめられていることに気がついて、恥ずかしそうにする、その様子も。全部愛おしくて、俺もつられて笑顔になる。
今日は、付き合ってから初めての、恋人の誕生日だった。サプライズでお祝いをしたら、想像以上に喜ばれて。さほど豪華でもないお祝いに、「こんな誕生日初めて」って泣きながら言うから。
「一年後も、二年後も、その先もずっと、俺がお祝いするから」
思わず言った言葉で、さらに泣いてしまった恋人を見て、『泣き顔もいいな……』と思ってしまったのは内緒だ。
お題『一年後』
スペースだけ🙇🏻♀️
連日すみません💦
お題『子供のままで』
スペースだけ🙇🏻♀️
お題『愛を叫ぶ』
「あ、ちょうちょだ!」
帰り道、川沿いの道を歩いていると、幼い女の子の声で、そう叫ぶように言うのが聞こえてきた。声のする方を見ると、確かに白いものがひらひらと空中に舞っているのが見える。少し眺めていると、それはこちらに近づいてきた。モンシロチョウだ。
懐かしいな、と思う。私も小さい頃はさっきの女の子のように蝶々を見ては声を張り上げ、追いかけ回したものだった。
いつからだろう、蝶々が近くを飛んでいても気にも留めなくなったのは。昔のように追いかけ回すとまではいかなくとも、たまにはゆっくり、空を飛ぶ蝶々を眺めてもいいかもしれない。
私はしばらくその場に立ったまま、その蝶の自由気ままな踊りの観客になったのだった。
お題『モンシロチョウ』
『別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。』
そう言ったのは、誰だったか。それは忘れてしまったけれど、この言葉はなかなかに秀逸だと思う。
だって実際、私は彼のことを忘れられていないから。
「桜」なんてベタな花、名前を聞いて蘇ってくる思い出は、彼のものだけではないはずなのに。彼に植え付けられた思い出が、あまりに鮮烈すぎるからだろうか。桜の花を見るたびに、私は彼を思い出す。
あの日、桜に攫われるようにして、私の元から居なくなってしまった彼のことを。
お題『忘れられない、いつまでも。』