月と紅茶とタイプライター

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※『一年前』の続きです。

 幸せそうな笑顔を浮かべながら、ケーキを食べる恋人を見つめる。普段より、さらに緩んだ表情も、見つめられていることに気がついて、恥ずかしそうにする、その様子も。全部愛おしくて、俺もつられて笑顔になる。

 今日は、付き合ってから初めての、恋人の誕生日だった。サプライズでお祝いをしたら、想像以上に喜ばれて。さほど豪華でもないお祝いに、「こんな誕生日初めて」って泣きながら言うから。

「一年後も、二年後も、その先もずっと、俺がお祝いするから」

 思わず言った言葉で、さらに泣いてしまった恋人を見て、『泣き顔もいいな……』と思ってしまったのは内緒だ。


お題『一年後』

5/14/2026, 10:22:08 AM