甘々にすっ転べ

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1/12/2025, 2:20:38 PM



___の為の10項目


1、治る病気である
2、根気強くしかし軽やかに付き合う病気である
3、幸いなことに金は掛からない。
4、幸いなことに人目につきにくい。
5、多少、変わったやつだと思われるだろうが、
  まぁ今更で、皆変わり者である。
6、誰にでも、得意、不得意はある。
7、「人間」が死ぬことは大変なことである。
8、「人間」が生きて行くのは大変なことである。
9、「人間」が生きて行くには大変な世界である。
10、しかし、わたしは人間である。


ーーーーー


1、幸いなことだ
2、長く付き合って行く病気は幾つも有る。
  これは特別な対応では無い。卑屈になった消去法でも無く、
  実によく用いられる方法である。
3、治療費は掛からないな。収入もあまり無いが。
4、隠すのが上手いと見えるが、それが玉に瑕という奴だ。
  完璧など無い。少し間抜けな方が愛嬌が有る。
5、人間味が有る、とも言うな。
6、得意、不得意のみで人間の価値は量れない。
7、なので死ぬ必要は無い
8、なにせこんな世の中だ
9、他人を家族を見てみろ、意外と悲壮な物を隠し込んでいる
10、それが人間である。


気味の悪い生き物だとは思わないか

自分の価値を他人の目で量らせる
馬鹿を言うな、君の価値はわたしが決める。

わたしが何者か知らないのか?

つくづく馬鹿だな
その何も見ていない瞳にキスをしたい
そのウソばかり吐く唇に舌でも潜り込ませれば、
本当の事を言うのか

毎日見ている鏡は何だ
前髪ばかり見ているからだ

ほら、見えるか
もっと遠くだ全体を見ろ

「わかるだろ。」

わたしは好きなんだ
「人間」が踠きながら生きて行く様を見るのが。
何時迄泥にへばり付いてる?

風呂でも沸かそうか?
沸かせば良いだろ君が。

私は無理だ。
だってほら、そうだろ。

「君がやらないなら僕にも出来ない。」

キスも出来ない
舌を突っ込んで喘がせることも、泥まみれの身体を熱い湯で流してもやれないが。

君は出来るだろ?

出来るならやってる、か。
じゃあまぁ、良いさ。別のことをしよう。

ところで、聞きたい事が有る。


「紅茶とコーヒーどっちの気分だ?」


ここでクスッと笑って答えてくれたなら私は、僕は救われる。
泥はあまりオススメしない。ベッドが良い、行こう。

大人しく布団を被せておやすみを言うのが、紳士。
大人しく布団を被せて側にくっ付いて眠るのを見たいのが、変わり者。
大人しく布団を被せながら一緒に寝ても良いかと断りを入れるなら、
僕も紳士かも知れない。

それがーー君の望みなら嬉しい。

そんな鬱々とした顔で眠らせるなら、悪いことをしたい。


「こんな僕は嫌いじゃ無いと、」

「_____は知っている。」


嗚呼、それでこそだ。
君は「人間」だ。
それも良い人間だ、踠き苦しんでキスの味も知っている。

愛おしくてお可愛いねぇ。
いい子だ。その意気だ。

もっと僕を欲しがれ。




12/18/2024, 12:13:09 PM

#冬は一緒に

自分なりに精一杯やったと自負している
最中に、このままではきっと望む結果は得られないだろうと分かっていても。

努力する事には価値が有る、今年だけじゃない。
来年また挑めば良い。
その糧になる様に、望む結果を得られなくてもギリギリ指先が掠められる所まで距離を縮められる様、手を尽くした。

一番の敵は精神不安

例えるなら。
寒い中震える手でペンを握り続ける様なもの。
勿論、暖かい日もある。
だからこそ凍える様な日も。

かじかむ指は先端から痛みを伝え、背中をゾゾゾと冷たい風が舐め、身体の動きを鈍らせる。

それでも無視し、ペンを握りページを捲るが。

そんな事何時迄もは続けられない。
強張った手指は暖めないと使えない。
換えも利かない道具だ。

そんな寒々しい日ばかりでは無かった。
嵐の様に慌ただしい日も、しとしと雨降る穏やかな日も有った。
カラッと晴れた日なんかは勉強も捗った。

人より多いか少ないかは問題ではなく。
ただ、凍える日にはそれ用の対応をした。

それだけの事。

もしもっと晴れた日が続いたなら
嵐に見舞われたりしなければ
欲しい結果が得られたかも知れない。

あとほんの少しの所だった
欲しかった物が指先を掠めた感触すら有った
だが、結果は予想通り。

「寒い日が続いている、」

そう話してその意味が本当に理解出来る者は、
此処には居ない

何故か。

「寒い日が続いている、」

「暖房点けないからよ。」


ーーその通りだ。
貴女はよく寒い々と火に当たっている


「寒い日が続いている、」

「気のせいだろ、お前が寒がりなんだ」


ーーその様だ。
貴方は何故そんな薄着なんだ



今年も仕事に明け暮れる
遠い薬指の人にも同じ事を言う。

「寒い日が続いている、」

そのひとは言う。



「此処、あったかいよ」

暖房を点け若干の薄着でそんな事を言う
画像越しではどう見ても寒そうに見える

嗚呼、なるほど
次々添付される画像は、あちこちにカイロを貼り、コタツの様に暖かいらしい靴下を履き、薄着の下を捲ると腹巻きが有った

「温そうだ。」

お陰で、こちらも
かじかむ指が解けてきた様な気がする

側には居てやれもしないくせに、そんな事で助けられてばかり居る。

そうだ。
耳当てでも送ってやろう
ふわふわの茶色いのが良い

代わりに画像を一枚送って欲しい
ふわふわの茶色い耳当てをした姿を。

そしたらきっと寒い日も、乗り越えられる。

冬はまだ続く。
側には居られなくとも、
せめて冬の過ごし方を共有しても良いだろうか

「わかった、耳当てと自分の分のジャケットも買う。買うから、写真送ってくれるか」

何故バレた。
どうせ冬は寒いものだ、と疎かにしていた防寒具を新調する事になった。

自分の為に金を掛ける意味が分からないが、そう叱られると無視出来ない。

「晩飯は、」

飯もどうでもいい。
側に居てくれないと、作る楽しみすら見出せない。

「雑炊、でもいいか」

こんな寒い夜に強請られて、仕方なく台所に向かう。
画像越しで食えもしないのに、作って写真を撮ってやる。

それを見ながら今、のり弁を食っているらしい。
こちらは、食べる予定の無かった雑炊を食う。

「…うまい、」


自分の飯の味には自信が有る

それより自信有り気に画面の向こうからメッセージが飛んでくる。

どうでも良かった筈の飯が、身に沁みて美味い

暖かくなったか、とメッセージが聞いて来る。


「ああ。お陰で随分と温い。」


舌を火傷する程で、乗せた梅干しがその舌先にビリッと染みたが内緒にしておこう。

格好が着かないだろ。




















12/11/2024, 5:45:19 AM

#仲間

いいんですよ。
人をどれだけバカにしようと。
でもひとつ

気を付けて、と気遣いつつ
脅しを掛けるなら

書けば文学 よ。


「でしょみんなっ。?」

「うんうん。」

「良い題材ですよっ!」

「それで…アイツはナニにするの?」

「カワイソーな役が良いっ。」

「頭の足りない奴にしよう。」

「では代わりに、努力家なお姫様を用意しよう。」

「では私が、孤独な王子様を描こう!」

「はいはいっ!僕、悪の親玉創りますっ!」


あれよあれよと言う間に、
あなたは傀儡となって文字の中で憐れになる。

良いんですよ。知らなくて。
どうせ言ったって
お人形さんになってしまっては
"理解"出来ないでしょう?

良いんですよ。
役は幾つでも用意できますから。
存分に踊って見せてくださいね。












12/4/2024, 10:54:14 AM

#夢と現実


【怖い夢へ】

お前は唯の夢
故にリアルには成り得ない

だろ?


【怖い現実へ】

怖い夢の方が幾らかマシだったぞ
なのに、残念だな。
これがリアルだ。

大丈夫か?
息抜きして来いよ。
鉛筆転がして ぼさっと眺める時間も必要だぞ。




11/20/2024, 8:51:33 PM

初めて行った結婚相談だったのに、何故か今は手を引かれ真向かいのファミレスへ。

「あの...」

「さっきのご要望もう一度聞かせてください」

それなら。

「母に勧められて」

「お相手に対して何か希望は?」

「特には。優しい人が良いです。」

「失礼ですけど、お幾つですか。」

「21です。母も同じ歳で結婚したのに、私はまだでお恥ずかしい。」


さっきも同じ話をしたのに。
どうしてまた同じ事を聞くの。

「じゃあ。聞くけど。」

そしておねぇさんの態度が変わる。


「デザート何食べたいですか?」

ガサっとメニュー表を開いて、どれでも良いですよと言う。

「じゃあ、これで。」

選んだのはショートケーキ。

「何でこれですか。チョコは嫌い?」

嫌いじゃないけど、ショートケーキを選んだ理由は沢山ある。


「言ってみてください。」

「な、にをですか」

「チョコレートケーキが嫌いな理由。」

「…嫌いじゃ無いです」

「じゃあ好き?」

「好きじゃありません。」

「好きなの有りません?抹茶のアイスとか有りますよ?」

「え。」

「ん?」

「ケーキの話じゃないんですか」

何か間違いでも犯したのかと慌てると、おねぇさんがニィと唇を上げて笑った

「デザートの話ですよ。」

そこからおねえさんの質問責めが始まった。

アイスはあまり食べない?
ーはい。
ケーキはホール?ピース?
ー多分、両方
自分で選んだ事ある?
ーあ、ありますっ。
選択肢何個有りました?
ー二択ですけど。
ホールとピースが有るのにたった二択?
ー私が選ぶ時は大抵、でも家族はちゃんと選んでますよっ。

「じゃあ、今は?」

おねぇさんがデザートのページを人差し指で、ぐるっと囲う。

「私とあなただけ。デザートの候補はアイス、わらび餅、ケーキ、パンケーキ、プリン、パフェ…どれにします?お腹空いたぁ。」

「ーーパフェ、にします。」

「どれにします?」

「苺の、こっちが良いです。」

「これは?こっちも苺ですよ?」

「…ヨーグルト苦手で、」

「でもそのパフェ小さいですよ。」


おねえさんがやけに食い下がる。
小さくても良い。

「だって、可愛いじゃないですか。」


そうして私はパフェ、おねえさんはパンケーキをお願いして待つ。

「聞いても良いですかね、最初のケーキの件ですけど。」

何だろう、と思いつつ頷いた。

「何故、ショートケーキを選んだんですか。」

理由ならいっぱい有る。
でも、言えるわけが無い。

「書きます?」

おねえさんが鞄からコピー用紙を取り出した。
そんな物、普通持ち歩きますか。
私も、持った方が良いのかな、


「ああ、私何でも紙に書かないと気が済まない性質なので、気にしないで良いですよ。紙の一枚二枚。資源になるだけですから。」

「はぁ、」

私はおねえさんに促されて、ショートケーキを選んだ理由を書き始めた。
書けば11個もあった。

そして、そのどれもが"私の事"じゃなかった。

「お姉さん働いてますよね。」

「はい。」

「自分へのご褒美にアイス買った事ない?」

「有りますよそのくらい。」

「それって、お家で食べられる?」


私は、いいえと答えた。

「じゃあ、聞きますけど。」

「はい。」

「お姉さん、結婚したい?」

「…し、」


お待たせ致しましたぁー、とお願いしたデザートが届く。
美味しそうっ、とはしゃぐおねぇさんを前に私は動けないでいた。

「パフェ食べないんですか?」

「わ、たしに食べる権利はあるんでしょうか、」

「お姉さんが食べたくて選んだ可愛いパフェですよ?」

私はテーブルで二つに畳まれた紙を見る。


「ね、お姉さん。」

「はい?」

「あんたのママはあんたが美味しそうにパフェを食おうがあんたへの態度は変わらない。こんな仕事してるとよく聞く話ですけど、あんたのママは、あんたがショートケーキ大好きだって信じきってるよ。でしょ?」


それは、そうですけど。

「パフェ要らないですか?欲しく無いなら私食べますよ。そんな小さいの余裕で入りますっ。」


私は、スプーンを手に取った。
おかしいな、強張ってる。
そしてひとくち、ほんのちょっとだけ...そう言い聞かせて食べた生クリーム。

「美味し?」

「…おいしぃ、っ」

「もう一個頼みます?」

私は首を振って断った。

「もう少し食べてから考えます。」


あっという間に食べ終わった小さいパフェ。
こんなものに、私は一体何を見てたんだろ。

これはパフェで。
生クリームで、バニラアイスで、コーンフレークで、苺と苺シロップの只のパフェでしかない。


食べ物に罪は無い、って本当なんだ。


「あの、」

「はい。何のご用でしょうか?」

「私。やっぱり結婚したいです。」

「御相手へのご要望は?」

「私、の…好きな物を覚えてくれるひと、が良いです。でも、そんな人居ますかね、」

「さぁ。それは今から探しましょう。それより、次のデザート何頼みます?今度こそ好きなケーキ食べましょうよっ。」


私は、たった1回だけ食べたチーズケーキを選んだ。


「美味しぃ、」


ーーーーー

「毎年、誕生日のケーキがファミレスのデザートなんて安上がりだなぁ全く。」

「良いんですっ。」

「パフェと、チーズケーキね。はいはい。」

「もうっ、ちゃんと理由が有るんですよっ。」

「知ってますーっ。その話、何万回も聞きました。俺を妬かせて楽しいですか。」

「へへっ。楽しいですっ。」

あの時のとは全然違う苺パフェになったけど、今食べてる苺パフェもチーズケーキも美味しいですっ。

「保育園のお迎えが二人だって知ったらあいつら跳ねて喜ぶな。」

「…子供の全力の突進を受け止めるのも、母親の役目つ、」

「いやいや、無理すんな。そこは俺の役目、俺がやるっ。」

「私と体重変わらないのに、」

「筋力違うからっ。」

「ジャムの蓋、開けられなかった」

「それは、俺も情けないと思ってるけどっ、あのジャムも悪い。」

「ジャムは悪く無いですっ。」


だって、食べ物に罪は無いじゃないですかっ。



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