キミと出逢ってもう四半世紀が過ぎた。
キミは俺の事をサンタさんからのプレゼントなんてふざけて言うけど、俺は本当にそう思ってるって言ったららしくないと笑うだろうか。それとも照れるかな。
我が家はイベント事に関心がなかったからクリスマスらしいことをしたことがなかった。家にサンタが来なかったから、サンタが親ってのも知らなかったし、具体的な日にちも知らないほどだった。12月になると世間が騒ぎ出すなってくらいの認識。キミと出逢うまでは。
日本人離れした顔立ちに、心を奪われた。しばらくぼーっと見てたら、喧嘩売ってんのかって怒られた。
綺麗な顔してるヤンキー、それが第一印象。
でもだけどひょんなことから俺たちは仲良くなって、こんなに長く一緒にいることになる。仲間から銀婚式なんて揶揄されるくらい。所謂、腐れ縁。
お前がふざけてサンタさんからのプレゼントって言い出してから、そうだったのかもしれないと思い始めた。
だとしたら後にも先にも俺へのサンタさんからのプレゼントはキミだけだった。どんなプレゼントよりも今はそれが嬉しい。
(サンタさんは本当に居るのかもしれない)
作者の自我コーナー
いつもの。もはやネタと化してますが、あの照れ屋がどういうつもりでサンタさんからのプレゼントとか言ってるのかが気になります。その後の『違うぞ、俺がサンタさんに頼んだんや』も好きです。というか、いい歳の大人がサンタさんって言ってるの可愛すぎますよね。サンタにはさん付けるのに、お年玉にはおを付けないのはなんでなんだ。
耳を澄ますと、いや澄まさんでもカラカラとした明るい声が聞こえた。あいつの声はよく通るからイヤでも耳に入る。
あ、今コーヒーこぼしよった。衣装着る前に飲めや。
『柄に見えへんかなぁ』ってアホか、そんな真ん中にワンポイントの水玉のシャツがあるかい。そんなことを突っ込みたいと思いながら、お気に入りの店で買ったコーヒーを飲む。
思うだけだ。行動には起こさない。
ほかの奴らは何も気にしていない。それなのに俺が騒ぐとまるで俺があいつの事をよく気にしているみたいに見える、
それは不本意極まりない。
「気になるんやったら声掛けたらええのに」
大柄な弟がチェシャ猫のように目を細めて笑った。
こういう時のこいつが苦手だ。そのニンマリとした目つきに値踏みされているような気がして。
「お前こそ、気づいてるんやったら言えよ」
「いつものことやん。天然も独り言もさ、もう声かける程のことでもないやん、よっぽどの事やったら言うてくれるし。あ、……言われてへんかったなぁ」
「うるせぇ」
そう、あいつは俺には言わない。グループの進退に関わることは真っ先に相談してくるくせに、そういう箸にも棒にもかからないようなくだらない日常の話はしてこない。
仲が悪いとかではない、領分の問題ってだけだ。
独り言は把握してるのに、俺、最近のあいつの事なんも知らんねん。それも最近気づいてんやけど。俺の知っているあいつの事なんてこの小さな部屋の中でのことだけ。
あいつだってそう、もう今では知らん事の方が多い。
『おれそれしらんわ』
あいつの口からその言葉が聞こえることが多くなった。カラカラした声がやけに空虚に聞こえて、俺の頭に反響する。
お前も俺もお互いのこと知ってるのが当たり前やったのにな。あの頃と随分形が変わったのに、まだ俺もお前も『知っている』が当然だと思い込んでいる。戻られへんのに。
「でも横山くんはちゃうやん。毎回毎回独り言にビクビクしてる。いっつものことやのに、慣れもせずに。気になるんやろ?声掛けたらええやん」
「そういうのじゃないやんか俺とあいつは」
「そういうんやった時もあったやん。2人とも面倒臭いわぁ……俺らそんなんちゃうってそんなんってなんなん?おともだちじゃないです。ビジネスライクですって?1番そんなんとちゃうやろ」
「ちゃう、そうちゃうねん」
それは俺とあいつの世界が同じだった頃の名残りなのだ。
かつてこの小さな箱の中が俺たちの世界の全てだった。ここでの会話が俺の全てであいつの全てだった。
だから世界が広くなった今でも俺は、ここでのあいつの声は聞こえてしまう。いや、どこにいてもあの声は俺の世界なのだ。
『耳を澄ますと』
(かつて世界は俺たちのものだった)
作者の自我コーナー
いつもの、彼にとってあの人はいつになっても慣れない存在で、飽きない存在なんだなぁってつくづく思いますね、MCを見てると。作者もおもしれ〜男がだいすきです。
かつて僕らは秘密を共有した。いや、貴女はきっと誰にも告げずに墓場まで持っていくつもりだったんだろうけど、
僕が気づいてしまった。
イレギュラーは僕だけだった。
そしてこの世界において、それは罪だった。
罪を犯したものは世界から排除される。
本来の役目を忘れ、からっぽの器を宛てがわれる。
僕は貴女が『知っていたぼく』じゃない。
ぼくの存在はぼくの罪によって永遠に消失されたから。
だからもうこれは僕だけの秘密なのだ。
(そこにぼくがいた唯一の証拠)
『二人だけの秘密』
確かに存在した物語に捧ぐ
作者の自我コーナー
とあるゲームの二次創作です。
繰り返し読まれた絵本の新たな物語でも忘れられた一ページに確かに存在した物語でも、貴女が1番好きです。
新作いつ出るんですかね。1年音沙汰がないので心配してます。
赤、青、黄色、緑、オレンジ、ピンク、紫。
とっても綺麗な色!
綺麗な色に綺麗な色を重ねたらもっと綺麗になるはず!
でもあれれ?重ねれば重ねるほどカラフルじゃなくなってく。
だんだんと色が暗くなって、君の目の色に近づいていく。
君はため息をついて、だから言っただろ?と言った。
『色は混ぜると明度が下がって黒くなるんだよ』
だったら綺麗になるのは間違いじゃないわね。
私の大好きな君の瞳の色だもの。世界で1番綺麗で素敵だわ。
そういうとモノクロのような白い肌に紅がついた。
『カラフル』
作者の自我コーナー
カラフルだから綺麗って訳じゃないです。
好きな物の色がいちばん綺麗に見えるよねって話。
作者は紫がいちばん綺麗だと思います。
気づけば周りが紫まみれ。
作者の自我コーナー
楽園というのは苦しみのない幸せな生活ができる所を指すらしいです。そんな所ありますかね?
どんなものでも与えられ続けたら飽きてきませんか?
刺激が欲しくなりません?当たり前に与えられるものになんて、ありがたみがないでしょう?それとも、新鮮に毎回幸せだと思えますか?
わたしは思えないと思います。退屈は嫌いです。
退屈は苦痛です。あれ?矛盾してますね。
よって、私は楽園なんて存在しないと考えます。
別に必要もないです。『幸せなんて小さなスプーンで掬えるくらいで充分なんだ』と思います。
引用元 AquaTimez『真夜中のオーケストラ』