リチ

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10/5/2025, 12:09:49 AM

「結婚おめでとうございます。」

にこやかに笑みを浮かべる女。…基、ただの滑稽な女。

消化不良の恋を何十年も引き摺り回した馬鹿な女。

「ありがとう。」

でも、気づいてくれないアナタもそうよ。ほんとうに馬鹿。

結婚、人生のうちで最も晴れやかである行事。

そして、幸せである日。

幸せを掴んだアナタの隣は、アタシじゃない。

「明日が結婚式ですっけ?楽しみです。」

ウソ。今からどうにかして風邪でも引いて休みたい。

「そう言ってもらえて嬉しいよ。」

明日、彼は旦那となる。他の女の旦那。

そして、いずれは父親となる。

でも、私の想い人ということは変わらない。

けど、変えなくちゃいけない。

変えなくちゃ、アナタに迷惑かかる。

ううん、ウソばっかり。

変えなくちゃ、アタシが辛いもの。

全部全部自分のためよ。

そう。アナタを好きになったのも自分の選択。

アナタを諦めるのも自分の選択。

誰かから促されたわけじゃない。

でも

今日だけは…

「…久しぶりに、飲まない?」


アナタの隣にいることを

「僕もそう思ってたよ。」

アナタを好きでいることを

許してください。

9/13/2025, 11:18:28 AM

心に空いた穴がある。

どこか満たされなくて、この正体はわかっていない。

みんな、好きなものに熱中している。

我を忘れて、取り組んでいる。

私には、そんなものがない。

道徳の授業で、執着心がないと言われた。

最初は疑ったけど、なんとなくそんな気がしてきた。

物事に執着することなく、どこかですぐ放置してしまう。

【心の空白】

これを埋めてくれる人が、きっと私が執着する人なんだな。

9/7/2025, 7:39:20 AM

誰もいない教室とは都合がいい。

何をしたってバレないものだから。

ここは自由だ。

勉強をしても

絵を描いても

告白しても

なにしたって自由。

誰にもバレないから。

おっと、1人来たようだ。

誰もいない教室じゃなくなったみたい。

「…好きです」

告白かあ、相手がいないってなると辛いものだね。

「ねえ、好きなの。」

そりゃ、熱烈だ。

「お願い…でてきて」

誰がそちらから歩いてくる音。

ああ、あの子はこの子と仲いい子か

「おい…誰もいない教室でなにしてんだ?」




「そう、だよね…」




あなたたちが普段使ってる教室

誰もいないからって大声出したりする人もいるかな

でも、気をつけてね。

本当に誰もいないとは限らないから。

例えばーーーー

ただ、視えていないだけとか。


ねえ、私はここにいるよ。

7/27/2025, 2:36:08 PM

友愛と恋情を勘違いするな

父の言葉でした。


あなたの隣、心がとても安らぐの。

あなたの手、握ると握り返してくれるの。

まるであなたはオアシス。

ごめんね、わたしはちょっと情緒が不安定だからさ。

みんなの前では笑わなきゃって、いっぱいいっぱいになって…

でも、あなたはその溢れた涙を何も言わずに拭ってくれる存在なの。

心にぽっかり空いた穴を、あなたはいとも容易く埋めてくれた。

どれだけ暑い砂漠の中でも、あなたというオアシスにたどり着くためなら、なんだってする。

そう、なんだって…

わたしもう、あなたなしじゃ生きられない!

これって恋だよね?父さん…!

「ううん、違うよ。」

そう否定したのは

父でもなく

あなたでもなく

誰でもない

わたしでした。

7/17/2025, 10:14:27 PM

「…先輩」

反応はない。

ぴくりともしないですやすや眠る様子はまるで猫だ。

普段は肉食動物の如く獰猛なくせ、昼寝をする時だけ少しだけ可愛らしくて笑みが浮かぶ。

「…先輩!」

やっぱり反応はない。こいつ狸寝入りしてんじゃないの?思い切ってゲジゲジ蹴って見たら耳がぴくりと動く。

「起きてください。昼休み終わりますよ。」

眉を寄せる。まるで「まだ寝かせろ…」とでも言ってるように。

「…もう間に合わないので隣失礼しますね。」

昼休み終了まであと10分。正直間に合うけど少しでも

「…勝手にしろ」

ぶっきらぼうな貴方の隣にいたかった。

揺れる木陰の下、二人で眠りについた。

貴方の隣は、心底居心地がよいのです。

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