あなたと居ると苦痛だった
希望に満ちたその顔が、私を求めるその行動が
一緒に居ると幸せそうなその雰囲気が
今までの私の全てを否定しているようで
共にするその時間が早く過ぎればいいと思った
ああ、雲になりたい
確かに一緒に居るその瞬間だけは楽しかった
でもふと我に帰った時、全てが虚しくなる
その虚しさはちょっとずつ心を蝕んで
気がつくとまたあなたに楽しみを貰って
その繰り返し
その繰り返しがとても苦痛で
いっそのこと全部忘れさせてくれれば楽なのに
いっそのこと私を見捨ててくれれば楽なのに
ずっと一緒に居てくれるわけでもない
ずっと離れてるわけでもない
そのどちらでもない状況が本当に苦痛だった
いつしか心の中は虚しさの方が大きくなっていた
それでもいつかはなんて考えてしまっていた
今日やっと気づいた
この繰り返しに意味はない
ああ、最初からこうすれば良かったんだ
こうすれば雲になれる
狭く硬い鉄の箱
その向こうに見える赤はまるで夜明けのようだった
さようなら
雲になりたい
そう言った君はどこへ行ったのだろうか
暖かくなり始め桜が咲き散り生命を感じる春
蝉が鳴き太陽が照りつける真夏
青々とした葉も赤く色付き涼しくなる秋
肌を突き刺す寒さと体感どんよりとした空の冬
その全ての季節で君は呟く
雲になりたい
最初はただの冗談かと思っていた
その言葉を話す時君は突然静かになる
でも何度もその言葉を聞くたびにそれが本当のことなんじゃないかって思ってしまった
でも少しするといつもの君に戻る
話すと微笑むように笑い、少しからかうとからかった分だけ少し怒ってまたすぐ笑顔に戻る
何もしていない時は澄ました顔で喋りかけるとキョトンと言う言葉が似合うほど間が抜けた顔になる
それがいつもの君
でもその言葉を話す時だけ、誰にも理解されない、誰も近寄らせない、そんな顔になってしまう
僕は救いたかったのかもしれない
僕はその言葉を叶えてあげたかったのかもしれない
本当は気づいていたんだ、その言葉の真意
雲になりたい
それはどこか遠くに行きたいと言う意味じゃなかったんだ
ある朝僕は君の表情が明らかに違うことに気づいてしまった
でも彼女は言った
「ゴミはどこに捨てればいい?」
その言葉は突き放すように発せられたのではなく
普通に聞くように、優しい声いつもと同じだった
でもその表情は、絶望という感情が読み取れるようなそんな顔だった
「裏に焼却炉があるよ」
言うべきでなかったかもしれない、でもその表情と声のギャップに何も考えず答えてしまった
答えてあげたかったのかもしれない
「ありがとう」
その言葉を残して彼女は焼却炉の方に向かって行った
ゴミも何も持たずに
息を吸う度に胸が痛くなる
小さい頃からの病気
生きる事が苦痛で何度も息を止めては吸う
そんな日々を繰り返して居た
小さい頃の1番最初の記憶
親に打たれ泣き叫んでもやめて貰えない
その時は胸の痛みに気づく余裕なんてなかった
その痛みに気付いたのはもう少し経ってから
小学校には通った
多分周りの目を気にしてのことだと思う
最初は今まで通り打たれてたけど
学校で痣の多さが問題になって家まで教師が押しかけてきた
それから親に打たれなくなった
でも代わり会話は無し
そうやって家では孤独になって行った
ちょうどその頃ズキズキと痛み始めた
最初は打たれなくなって気づかなかった怪我だって思ってた
最初の数年間は
明日には治ってる、明日には治ってる
そう思って1日1日必死に息継ぎをした
でも怪我じゃなかった
何年経っても治らなかった
病院にも行けなかった
やっと病院に行けるようになったのは働き始めてからだった
胸が痛い、呼吸が苦しい
登校が辛い、体育が辛い、授業が辛い
走るのが辛い、階段が辛い、自転車が辛い
遊ぶのが辛い、歩くのが辛い、立つのが辛い
座るのが辛い、喋るのが辛い、息を吐くのが辛い
吸うのが辛い、ドアを開けるのが辛い、家に居るのが辛い
寝るのが辛い、起きるのが辛い
息を止め続けるのが辛い
この世界が辛い
僕は酸素アレルギーだった
それは子供の頃誰もがやるような度胸試しだった
大股3歩ずつ離れた3つある川の石をぴょんぴょんと跳ねて対岸まで渡るという簡単なものだった
川の流れはまあまあ速かったが溺れるほどの深さは無く
滑りやすい石の上を皆器用に飛んでいた
田舎で学校も小さい事もあって小学3年生から6年生合わせて10人ぐらいだった
皆仲良く、その川で遊んでいた
小学3年生から度胸試しに挑戦できて川の流れの速さと滑りやすさからなかなか飛ぶ事ができない子も多かった
俺もその1人で1年経った小学4年生になっても飛ぶ事ができずビビリ扱いされた
もちろんと言うべきか一個年下の子達はひょいひょい飛んで度胸試しに成功していた
今日こそ飛ぼうと決めた日には大雨が降って飛ぶ事ができずまた別日に今日こそはと見てみると雨上がりで川の水が多く近づく事が禁止されてたりとなかなか機会に恵まれなかった
そんなこんなで夏の最後ギリギリで絶好のタイミングに見舞われた
川の水量も標準で石自体そんなに濡れておらず滑りにくい
飛ぶなら今日が1番と先陣を切ったみんなは言って居た
でも少し気になる事があった
昨日、一昨日と今年1番と言っていいほどの大雨が降って居た
その割に川の水はいつもより少ないぐらいだった
でもそんな事を友達に話してもビビってるのか?の一点張りで確かに今日しか飛ぶ機会は無いと思った
勇気を振り絞って開始位置に立ち
足に力を入れる
助走はつけないのが掟の一つで立ち幅跳びの形式で石に飛び乗る
すくむ足を抑えぴょんと一つ目に目がけジャンプをする
成功した
上手く飛び乗る事ができた
後3回これを繰り返すだけ川の流れる音が強く周りの声は聞こえないがさっさと終わらせよう
ぴょん
2回目も成功した
後2回簡単な話だ
そう思い前を向く
友達が応援してくれているのか何か叫んでる
その応援を胸にもう一歩踏み出す
もちろん成功
でも少し近づいて何を言っているか少し聞こえた
「・・・・ろ!!」
ろ?頑張ろうって言ってくれてるのだろう
そう思い最後の1歩4回目に飛び込む
何かの偶然か最後の1歩は
届かない
当然水の中に着地する
水の中に着地するということは滑りやすい場所に勢いよく着地するという事だ
当然落ちる事なんて想像して居ない
滑って転び頭を打つ
意識は遠のく
遠のく意識の中「ガハハ」と友達の声じゃ無い笑い声が聞こえた気した
目を覚ますとそこは村の診療所の病室だった
記憶は確かに残っており川に落ちて誰か助けてくれたのだろうと思った
身体を起こすと偶然見回りに来た看護師が先生を呼びに行った
先生と一緒に警察の人も来た
「友達について教えてくれるかな?」
警察の人はそう聞いてきた
最後にいた場所を教えると確信したように先生に警察の人は耳打ちする
「何を話しているの?」
当然の質問だ、もしかしたら何かあったんじゃ無いかって気になるに決まっている
2人は少し悩んだ顔をして警察の人がこう答えた
「きみと一緒に居た9人は土砂崩れに巻き込まれて亡くなった」
川の対岸だけに影響する土砂崩れだったらしい
俺は川の下流まで流され無事だったそうだ
届かない
その偶然が俺の命を救った
でももし俺に勇気があってもっと早く飛べていれば
その日より前の日に飛べていればまだ9人と遊べて居たかもしれない
(フィクションです)
緑好きなんですよね
桜が散った後に生える葉っぱとか特に好きで日に照らされて光るあの緑好きなんですよね
木漏れ日って言葉1番最初に緑が浮かぶじゃないですか
緑好きなんですよね
小さい頃から赤でも青でもなくて緑が好きなんですよね
なんで暇があったら紫色眺めて緑見るって事繰り返してるんですよね
緑好きなんですよね
でもエメラルドグリーンはそんなに好きじゃないんですよね
ライトグリーンと深緑の間と言いますか
具体的言うと#009944とか#008D00とかまあ今は数字で調べてますけど本当はカラーパレットの中からその日によってここって決めるのが好きなんですよね
でも例外があってランボルギーニアヴェンタドールの黄緑とかは好きなんですよね
でも車の深緑は好きじゃないんですよね
緑好きなんですよね
服の色とか全部緑一色ででもよく見るとちょっとずつ違うみたいなファッション好きなんですよね
でも全部全く一緒な服とか着たいですよね
緑好きなんですよね