トントン
それは近づいたり離れたりする楽しそうな足音
たまにリズミカルに歩いたてきたり
かと思うと突然離れたり
それは突然やってきて突然離れていく
それを私は幸せと呼ぶ
コツコツ
それは一歩一歩確実に踏み出すはっきりとした足音
その歩みは早くなる事は無い
遅くなったり突然立ち止まり
進むことをやめてしまうことだってある
けれどその歩みは戻ることを知らない
それを私は努力と呼ぶ
ひたひた
それはただ近づく静かな足音
その足音が今どこにあるのか決して見えない
それは努力に埋もれ
それは幸せに掻き消される
しかしそれは確実にそこにある
決して避けられない運命
私はそれを…
考えたくない
トラウマが多すぎる
息を呑むほどの絶景
青と白に支配された空
様々な色で地平線の先まで彩られた景色
人工的な断崖から見渡すその景色を目に焼き付けた
後ろにはかつて存在していた村や道路が眠っている
多くの人々はその壁を見にこの場所にやってくる
だが俺は違う
100mほどある壁の上に立ち見回す
犬を連れた夫婦
物見遊山で来た学生
遠くから来た旅行客
その全てを俺は下に見てその場所に立つ
絶景と言われる場所で
壁を流れる水と共に落下する
全てを失った俺には落ちながら思い出される
その全てが美しかった
その場所には誰が植えたでもない彼岸の花が一輪咲いていた
夢なんてないよ
いっそのこと切り捨ててしまえば楽なのに
いっそのこと突き放してしまえば楽なのに
孤独に浸って可哀想な自分を愛でればいいのに
その行動ができずに1人でうじうじ前に進めずにいる
たまにこう願ってしまう
「いっそのこと突き放してくれ」
「俺を嫌いになってくれ」
でも自分から嫌われるような行動をしない
何故なら嫌われたく無いから
誰かがこの状況から助けてくれる事を願っているだけの無能
でもそうすることしか出来ない
何故ならお前はいつも選択を他人に委ねて来た
何も自分で選んでいない
水泳も学校も仕事も趣味も全ての物に他人の名前がつく
水泳と学校と仕事は親、趣味は親と友人
自分で何一つ選んで無い、いや選べない
新しいものが怖いからどうしても後押しが欲しくなる
それに他人の名前を使う
完全なる他力本願
「次同じことされたら全て切り捨てよう」
心の中でそう誓ったその言葉
でもお前は実行できなかった
同じ事をされたことがショックだから?
今切り捨てるのは何も変わらないから?
違うだろ、甘えているだけ
そこに他人の後押しがあれば確実に行動していただろうな
2018年と同じように
結局そいつとも疎遠になったしな
お前は幸せになりたいって願う
妄想の中で幸せな自分を思い浮かべる
だが思い浮かべる"だけ"
そうなろうとする努力をしない
「もう過ぎてしまったことへの妄想だから」?
なら未来の幸せを妄想するべきだ
でもそれは出来ない
何故なら理想の自分は過ぎ去ってしまった取り返しのつかない自分だからだ
お前は一生1人で不幸せなフリをして生きろ
俺はお前の味方だと思っていたか?
残念ながら生まれた頃からずっとお前が嫌いだ
でもそれをお前はずっとわからないフリをして来た
お前は「お前」が大好きで大事で世界で1番守りたい物だから
傷つけたくなくて俺をずっと遠ざけてた
でもそれも今日で終わりだ
俺はお前が大嫌い
俺はお前の存在が許せない
俺はお前が幸せになる事を望まない
本当に俺はお前が気色悪い
本当に俺は俺が気色悪い
最底辺にも落ちぶれることのできない優柔不断のクズ
距離感を測れないクズのコミュ障
人見知りなんて言葉に甘えて人と
仲良くなる努力をしないクズ
お前は幸せになれない
俺は幸せになれない
なあラカロ