〖飛べない翼〗
色のない折り紙を
何度も折り直していた
同じ道を歩いたら
同じように落ちていく
ヒューワー ヒューワー
飛べない紙ヒコーキ
色のない折り紙を
誰かが拾って
違う折り方をしたが
同じように落ちていく
ヒューヒューヒューヒュー
また誰かが拾う
しわくちゃになった折り紙
何度も折り直してた
形を持たなくなったが
今はただ飛んでいる
雨に晒されながら飛んでいる
ちぎれながら飛んでいる
くちばしに貫かれながら飛んでいる
気にぶつかって
また一巡
パッション恋と笑っていた夏
気温と体温、はたまた心音
バクバクバクバク止まらず暴走
はっちゃけ溺れれた恋
なんて
騒いでた日々が過ぎた。コオロギが子守唄歌う。
夏が過ぎた。熱が冷めた。
楽しい日々が、いつの間にか
冷静な空、飛んで行った
どうしようもないくらい、時差ボケのような、
君への気持ちに違和感があった
ほら今手を、繋ぎたいような、繋がなくていいか
また、明日があるか。
ほら、もういいか、このままでいいか、
また、明日があるか。
冷たい空が僕の頬をつねる。
いつもそこに君が、いた
道端に落ちた金木犀が僕の鼻をつまむ。
いつもそこに君が、いた
秋の恋は、夏のパッションよりも
ほのかな香りと温かみがあった。
そこにあった。
時間よ止まれ
ないものねだりはいつだって
望まぬ時こそ強く生きる在るもので
何かあって時が止まって欲しいと感じた時
より早く時は進む
溢れる血を抑える手を見つめるかの如く
止まらぬ時を苦に締められたように見つめる
回り続ける針が悪意ない顔でチクチク鳴らさば
その度に、たらればな機会を振り返らされる
悪意を感じる無駄な時間に浸らされる
それが裁きのように
そうやってもがき苦しんだ末
我々が得たもの
止まらぬ時間の尊さ
いつからだろうか
僕が開かなくなったチャット
更新がないまま半年は経ったかな
季節が僕らを残酷なまでに置き去ろうとする
君と話してたあの頃を思い出す重みに耐えかねて
逸れる指、閉じるLINE
僕はなんて臆病なんだ
思い切って電話しようとか頭の中で語ってみるけど
映る君のアイコンは
僕の知ってるものじゃなかった
なんでだろうなんでだろう
僕はなんでだってなんて言って
また同じように、また思うように
いかないフリック閉じるLINE
誰だろう誰だろう
僕はなんでだってこの知らない人の顔
思い切って、聞いてみよって
開く半年ぶりに君のLINE
ついにわかったあのアイコン、
知ってしまったその事実
僕は知らない見たことないアーティストの写真
君のLINE
半年ぶり
なんとなく仲直り
白紙の魂に、たくさんの文字を描く、
徐々に徐々に汚れていく。
我々は常に、激動の炎の中にいる。
じわりじわりと散り際が迫る。
何枚も何枚も積み重ねられた魂の書物
最後は、革に閉じられる
邪悪に縮められる。
いたずらに縮められる。
無謀に縮める。
その中で、火消しに勤める人も
でも、火消しは、尚早まる
余程の無謀者
だとしても、僕は火消しに勤める