気分屋の鮭

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12/20/2023, 1:31:33 PM

クリスマス私が大好きなイベントに近づいていた。
家からすぐそこの教会で、行われるクリスマス会
それが私の誕生日よりも大切なイベントだ。
いつも幼馴染のあやと一緒に近くの
小学5年生のハンドベルを見るのが幼稚園からの恒例だ。
子供達が一生懸命自分の番はまだか、まだかと
緊張している様子が見て取れる。
無事、演奏し終わった後の嬉しそうな顔は
何度見ても愛おしい。
私も、一度あそこに立ったことがある。
小学生のほとんどの記憶は忘れた私だが、
このことは鮮明に覚えている。


私が小学5年生になった時、
園児の頃から憧れだったハンドベル隊に入った。
小さい頃は振るだけであんなに綺麗な音が鳴る不思議なおもちゃだと思っていた。
これが『ベル』と言う名前なのも知らなかった。
先生がフランス語で美しいと言う意味だと
言っていて当てはまっていると喜んだものだ。
あやも同じく、ハンドベル隊に入ってそのことも
とっても嬉しかった。
私「あやちゃん一緒に頑張ろうね!」
あや「うん!」
私たちは一生懸命練習した。喧嘩はなかった。
皆仲良くしていた。
今大人になって考えるとすごいことかもしれない。
クリスマス会当日は、見事に成功した。
嬉しい以外の言葉が出てこないほどだ。
あの、繊細な音なのにあんなにも暖かくなるのはすごい。私の大好きな空間だ。


後2日、クリスマス会がある。
もちろん今回もあやと行く。
だけど2人でじゃない4人でだ。
あやのお腹の中の子も一緒にだ。
双子ちゃんらしい来月には産まれるそうだ。


小学生達が教会に入場してくる。
あの繊細な音が響いてくる
それはまるであやと双子ちゃんを祝福しているような暖かく包み込むような音に聴こえる。
あぁどうかあやと双子ちゃんに祝福がありますように私はこの音に願った。
これはベルの音だ。

12/19/2023, 1:39:32 PM

学級長「ねぇねぇ、一緒に食べようよ!」
私「え?」
びっくりした。学級長が話しかけてきた。
学級長「もし、嫌だったら全然いいんだけど…。佐々木さんとお話ししたいなと思って…。」
いつも1人でお昼を食べる私に声をかけてきたと言うことは私が可哀想に見えたのだろうか。学級長はきっと俗に言う優しい人なのだろう。ここで、断ったら私は嫌な人と言われるのだろう。それは避けたい。
私は、大丈夫だよと。笑顔を意識して返事をした。

お弁当と椅子を持って学級長達の仲良し4人グループのところに向かう。机が二つずつ迎えあっていてわたしは誕生日席的な位置に椅子を置く。佐々木さんやっほーなど挨拶を軽く交わし。お弁当を皆食べ始める。
学級長「佐々木さんのお弁当かわいいね。もしかしてこれ自分で作っているの?」
私「ううん、違うよお母さんが作ってくれてるんだ。」
周りの3人がかわいい〜など褒め称えようとしている。
そして、誕生日のことや、授業のこと、部活のこと、家での生活や、家族構成など私への質問攻めだった。正直嬉しかった。こんな私に興味を持ってくれて。

でもどうしても、4人だけ共通の話題だと寂しさを感じる。4人で遊んだことなんて何も知らない、私から何も話すことはないから。きっと私から何か話し出せばいいのだけども、でいない。この孤立感はたいられない。
やっぱりグループは、苦手だな。寂しい。

12/18/2023, 2:47:59 PM

冬は暗くなるのが早い、道路の方を見ると轍ができている。足も取られギシッギシッとベットの軋む音のような音がした。
ふと、車道を越した歩道を見るとあの子がいる。
白いマフラーをした子、はるなだ。
私との関係は、幼馴染と言っていいだろう。家が近くて、小学校からの中だ。中高と一緒だと喜び合ったものだ。だけど、高校になってからクラスが離れて会話する機会が減った。
廊下であっても隣に知らない人がいてどうしても声がかけづらい。入学式以来話してないし、一緒に登校することもなくかなった。あの子は自転車私はバスでの登校だ。冬になり、あの子もバス登校になったらしい。
何回か一緒のバスに乗っていたがどうしても声をかける勇気が出ない。どうしようか。
あの子が信号を渡ってきた。バス停があるのはこちら側の歩道だ。今私の前を歩いている。声をかけるならチャンスだ。だけど、数ヶ月との空いた期間はどうすればいいのだろう。気まずすぎる、いきなり話しかけても何こいつ?と、とらえられるかもしれない。怖い。
ツルッ ドン!びっくりした。はるなが滑って転んだ。
私「大丈夫?あっ」
ツルッ ドン!私も転んでしまった。
はるな「大丈夫?!」
私「大丈夫大丈夫はるなこそ大丈夫?」
はるな「大丈夫だよ。びっくりした〜怪我ない?」
私「うん、ないと思う」
はるな「立てそう?」
私「いけるいける、ありがとう」
はるな「2人とも転ぶなんてなんか奇跡だね」
私「そうかもね」
はるな「てか、話すの久しぶりだね。ずっと喋りたかったんだ!」
驚いたはるなも同じ気持ちだったんだ。なんか嬉しくなってきた。
私「私もだよ!入学式以来じゃない?」
はるな「そだね、廊下であってもさ、反応できなくてごめんね。隣に知らない子いたから気まづくて…。」
私「私もだよ。手も触れなかった。ごめんね。」
これも同じだったなんだろう幼馴染パワーなのだろうか。嬉しいな。
私「今から、バスに乗って帰るの?」
はるな「そだよ。きっと一緒だよね。32系統?」
私「そそ、一緒に乗ろう!」
はるな「やった!」
私「これからもさ、一緒に帰らない?」
はるな「いいよ!いっぱいお話ししたいもん!春になったら私また自転車になると思うから。バスの日ほぼ雨と冬限定になっちゃんけどいい?」
私「全然大丈夫だよ」
はるな「よし、決まり!バス停までは、転ばないように気をつけないとね。」
私「んだね」
これから冬は毎日一緒に帰れる。ようやく話しかけられてよかった。冬よありがとう。
冬は一緒だ。

12/17/2023, 2:44:08 PM

私は今、友達のゆかと帰宅中だ。
ゆかは、勉強をいつも頑張っていて部活もバイトもほぼ毎日やっていて、可愛くって尊敬する存在だ。

ゆか「ねぇ〜ちょっと聞いて」
私「どした?」
ゆか「たくやがいきなり電話かけてきたんだけど」
たくやはゆかの彼氏のことだ。
私「うん」
ゆか「その理由がまだ怒っているの?だって!」
私「フフッ」
ゆかとたくやは今喧嘩中だ。
ゆか「ありえなくない?さっせっての」
私「いつもの喧嘩懲りないね〜」
ゆか「あっ見て!」
ゆかが指を刺した方を見てみた。
そこにはきっと近所の子供が描いた落書きがあった。
ゆか「これさ、猫に似てない?」
私「猫っぽいね」
黒いアスファルトの地面に描かれた白い動物
ゆか「かわいいな〜」
私「ね〜」
ゆか「あっそういえば、明後日くるみの誕生日だ!」
私「そうなの!?何が準備しないとな〜」
ゆか「やっぱしハンカチとかかな〜、いや何か作ろうか
   な〜」
私「私はお菓子とかもありだよね」
ゆか「いいね!あ、お菓子って聞いたらたくやのこと思    
   い出してきた…。」
そういえば、2人が喧嘩したのはお菓子の取り合いが始まりだったはずだ。
ゆか「げっ、電話かかってきた。ごめんでてもいい?」
私「全然いいよ」
ゆか「ありがとう!」
ゆかは電話に出た。ちょっと喧嘩口調だ。さっきから話が転々としているいつものことだ、いつも結論が出ないその前に話が変わる。可愛いとも思うときはある。
私も相談したいでも、どうしても信用できない。この子が考えていることがわかるようでわからない。
ゆか「う〜ん、たくやがさご飯とパスタどっち食べるかって悩んでるんだって、どっちでもいいでしょ!私に関係ないじゃん!」
私「もうかしたら、デート関係じゃない?」
ゆか「そういえば、来週約束してたか」
私「きっとそれだよ!」
ゆか「それだったら嬉しいかも」
  「あっ、ねねそいえばさ、くるみのプレゼントどう            しようかな」
又話が変わった私の頭はいっぱいになりかけている。何について話していたっけ?頭が回らないなってきた気がする。この子の話はなんかめんどくさい。