気分屋の鮭

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2/20/2024, 9:15:04 AM

拝啓、向春の候いかがお過ごしでしょうか。
私は、元気です。今年で成年になりますね。
今年の冬は、本当に短くもう道端のたんぽぽが咲きそうです。
そういえば、覚えていますか。
私たちが通っていた学校、桜が本当に綺麗でしたよね。
夏、緑がいっぱいで、
上から蜘蛛が落ちてきた時は2人で叫びましたね。
秋、枯れ葉がいっぱいで一緒に踏んで遊びましたね。
貴方の作ってくれた枯葉のうさぎを今でも持ってます。
冬、枝が見えてきて白い狐がいると言ってきた時は流石に驚きました。結局は先輩が作った溶けかけた雪だるまでしたね。
そしえ春、先生に内緒で屋上に出て、花見を2人でしましたね。
ピンクの絨毯だって貴方は言って。一緒に笑い合いましたね。本当に楽しかったです。
貴方がここから旅立ってもう半年が経ちますね。
早く貴方に会いたいです。
お返事待ってます。
                      敬具







カタン、ペンを置く。
昔習ったことを真似して拝啓と敬具はつけてみた。
だけどちょっと違う気がする。
まあいいか、私は手紙なんて滅多に書かない。
きっとあの子も気にしないだろう。
メールでもよかったのだけど。
せっかくだから手紙にしてみた。
足りない言葉は、後日メールで伝えよう。

ふと、手紙の隣に置いていた枯葉を手に取る。
このうさぎあの子覚えているかな。
目が三角形の耳は左だけちょっと大きい
不器用なあの子が一生懸命作ってくれたうさぎさん。
この春あの子が帰ってくる。
あぁ早く春よこい

1/4/2024, 6:02:28 AM

・・・ジリジリリッ
うるさい。
目覚まし時計の音だ。
今は、は?
4時、なぜだ早すぎる
二度寝するか、


今日の予定は7時に起きれば間に合う
昨日は12時ぐらいに寝た。
睡眠時間はざっと4時間だ。
だけど…
眠れないどうしよう、
いっそ起きてみるか。
体を起こして、スマホを探す。


スマホ、スマホ
あった、えっと…
『朝 4時に起きたら』
と調べてみた。
すると、冬は日の出が見れるそうだ。
夏と冬では早さが違うらしい。
試しにベットのすぐ横のカーテンを開けてみる。
オレンジ色の何かが見えた。
それは白い雪も同じ色にするほどのものだ。
日の出か、久しぶりに見たな。
でもやっぱり眩しい。
カーテンを閉めて。
散歩の準備をし始めた。

1/3/2024, 9:24:49 AM

いち、に、さん、し…
なんで、なんで、年明け早々部活なんだ。
いっつも思う私は吹奏楽部だ、文化部だ、
どうして腹筋をやっているのか、
これで体力がついて演奏がもっとよくなるらしいが、
つらいッ
段々と上半身が膝に届かなくなってくる。
あと2回
9…じゅ…うッ!
終わった。本当に疲れた。


全員終わり、部長がパートごとにグループに
なって下さいと言ってきた。
皆それぞれパートごとに別れていき、
私はクラリネットのグループにむかった。
先輩方が、もう集まっていて
1年生の私は1人だけ、ちょっと寂しい。
部長が先生から渡されたのだろう。
手慣れない様子で、
スケジュールの書かれた紙を見ながら話し始めた。
「それでは皆さん改めまして
皆さん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
皆さんには交流を深める為
今年の抱負を話し合ってもらいます。
30分になったら演奏の練習を始めますので、
それまで話し合って下さい。」



パートリーダーの先輩が
「じゃあ、15分まで考えよっか」と言ってきた。

・・・抱負か、何にも考えてなかった。
中学の時吹奏楽部に入っていたから
流れで高校でも入ったが、
別にここの高校の吹部が強いわけでもない、
先輩に憧れてるとかもない、
上手くなりたいとかもない、
自分がうまいとも思わない、
夢がない。
ただやってるだけ。
どしよ。
夢を見つけるでもいいのかな、でも違うか、



15分になってしまった。
抱負が思いつかない。
「それじゃあ、一年生から言っていこっか。」
「は、はい!」
やばい、どしよ。
テンプレのクラが上手くなりたいだったり
安定した音を出せるようになるがいいかな、
いやでも、でも、でも?
そうだ。焦るんじゃない。落ち着け〜おちつけ
これだこれ
相手に嫌いになって欲しくないあまりに
私はすぐに取り乱す。
これがきっと改善点だ。
私よく冷静になれた。えらい。


よし、
「え、えっと、私の今年の抱負は、
 焦ってもまず落ち着いて、自分を認めることです。」


先輩方は、驚いた顔おしている。
大丈夫、大丈夫
私、よく自分の意見を言えた。えらい!

1/2/2024, 8:37:08 AM

『あけましておめでとうー!』
『あけおめ!ことよろ!』
     ・ 
     ・ 
     ・


2023年いや、2024年0時0分グループラインに
沢山のあけおめや、ことよろがくる。
皆びっくりマークが多くて
とても楽しそうなのが
文面を見てわかる。
今、母も父も妹も寝ているのでこれ見たく
うるさくはできない
通知が収まりきったあと一様ナイトモードにして
寝静まった。


午前8時、母の声がする。
「神社に行くよー!」と、毎年恒例のことだ。
私は、渋々起きて階段を降りた。
降りると、家族が一斉に「あけましておめでとう!」
と言ってきた。私もかすれた声で同じ言葉を言った。


ポトン、玄関の方から音がした。
きっと年賀状が届いたのだろう。
母と妹が楽しそうに玄関に向かった。
私は着替えに向かった。
帰ってくると、年賀状の仕分けをしていた。
ざっとみると、去年より数が減っている気がする。
そして母が、はいっと渡してきた、私の分だろう。
年賀状を3枚くれた。
去年は15枚ぐらいあったが、一気に減った。
ラインの時との差がすごい、


何人に書いたっけ?そうだ去年くれた人達にだ。
もしかしたら、後日くるかもしれない。
いまは、この3人の年賀状をゆっくりみよう。
ありがとう

1/1/2024, 6:31:10 AM

「クリスマス楽しかったねー。」
友人のなつきが、ニコニコしながら言ってきた。
「んね。次はお正月だ。なつきは、実家に帰るの?」
「うん、帰る。寮閉まっちゃうんだ。」
「そうなんだ。いつ帰ってくる?」
「始業式近くなったらだから、えっとちょっとまってて」
スマホで何か調べ始めた。
なつきは、ここ北海道ではなく青森の出身だ。
私たちとは違う訛りかたをしている。
でも、聞き取れるのだ。
似たもの同士のようでなんか嬉しい。


「えっとね〜。14日に帰ってくるよ!」
「始業式が、17日だから3日前か。」
「そだよ。」
会えなくなるのは悲しいが、仕方がない。
あともう1分も歩いたらなつきとは道が、
別れてしまう。
何か喋ろう何か…。


きてしまった。分かれ道だ。
「それじゃあ私こっちだから」
なつきが笑顔で手を振っている。
これでお別れなのか、、、
するとなつきが、
「良いお年を」と言ってきた。
それも満面の笑みで、
あぁこの言葉はもっと離れてしまう
言葉だ、正直聞きたくなかった。
またねが、聞きたかった。
私も、「良いお年を」といい手を振って別れた。


きっとあの子は、年末忙しくなることだろう。
だけど私は、暇人だ。似合わない言葉だ。

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