気分屋の鮭

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「クリスマス楽しかったねー。」
友人のなつきが、ニコニコしながら言ってきた。
「んね。次はお正月だ。なつきは、実家に帰るの?」
「うん、帰る。寮閉まっちゃうんだ。」
「そうなんだ。いつ帰ってくる?」
「始業式近くなったらだから、えっとちょっとまってて」
スマホで何か調べ始めた。
なつきは、ここ北海道ではなく青森の出身だ。
私たちとは違う訛りかたをしている。
でも、聞き取れるのだ。
似たもの同士のようでなんか嬉しい。


「えっとね〜。14日に帰ってくるよ!」
「始業式が、17日だから3日前か。」
「そだよ。」
会えなくなるのは悲しいが、仕方がない。
あともう1分も歩いたらなつきとは道が、
別れてしまう。
何か喋ろう何か…。


きてしまった。分かれ道だ。
「それじゃあ私こっちだから」
なつきが笑顔で手を振っている。
これでお別れなのか、、、
するとなつきが、
「良いお年を」と言ってきた。
それも満面の笑みで、
あぁこの言葉はもっと離れてしまう
言葉だ、正直聞きたくなかった。
またねが、聞きたかった。
私も、「良いお年を」といい手を振って別れた。


きっとあの子は、年末忙しくなることだろう。
だけど私は、暇人だ。似合わない言葉だ。

1/1/2024, 6:31:10 AM