冬は暗くなるのが早い、道路の方を見ると轍ができている。足も取られギシッギシッとベットの軋む音のような音がした。
ふと、車道を越した歩道を見るとあの子がいる。
白いマフラーをした子、はるなだ。
私との関係は、幼馴染と言っていいだろう。家が近くて、小学校からの中だ。中高と一緒だと喜び合ったものだ。だけど、高校になってからクラスが離れて会話する機会が減った。
廊下であっても隣に知らない人がいてどうしても声がかけづらい。入学式以来話してないし、一緒に登校することもなくかなった。あの子は自転車私はバスでの登校だ。冬になり、あの子もバス登校になったらしい。
何回か一緒のバスに乗っていたがどうしても声をかける勇気が出ない。どうしようか。
あの子が信号を渡ってきた。バス停があるのはこちら側の歩道だ。今私の前を歩いている。声をかけるならチャンスだ。だけど、数ヶ月との空いた期間はどうすればいいのだろう。気まずすぎる、いきなり話しかけても何こいつ?と、とらえられるかもしれない。怖い。
ツルッ ドン!びっくりした。はるなが滑って転んだ。
私「大丈夫?あっ」
ツルッ ドン!私も転んでしまった。
はるな「大丈夫?!」
私「大丈夫大丈夫はるなこそ大丈夫?」
はるな「大丈夫だよ。びっくりした〜怪我ない?」
私「うん、ないと思う」
はるな「立てそう?」
私「いけるいける、ありがとう」
はるな「2人とも転ぶなんてなんか奇跡だね」
私「そうかもね」
はるな「てか、話すの久しぶりだね。ずっと喋りたかったんだ!」
驚いたはるなも同じ気持ちだったんだ。なんか嬉しくなってきた。
私「私もだよ!入学式以来じゃない?」
はるな「そだね、廊下であってもさ、反応できなくてごめんね。隣に知らない子いたから気まづくて…。」
私「私もだよ。手も触れなかった。ごめんね。」
これも同じだったなんだろう幼馴染パワーなのだろうか。嬉しいな。
私「今から、バスに乗って帰るの?」
はるな「そだよ。きっと一緒だよね。32系統?」
私「そそ、一緒に乗ろう!」
はるな「やった!」
私「これからもさ、一緒に帰らない?」
はるな「いいよ!いっぱいお話ししたいもん!春になったら私また自転車になると思うから。バスの日ほぼ雨と冬限定になっちゃんけどいい?」
私「全然大丈夫だよ」
はるな「よし、決まり!バス停までは、転ばないように気をつけないとね。」
私「んだね」
これから冬は毎日一緒に帰れる。ようやく話しかけられてよかった。冬よありがとう。
冬は一緒だ。
12/18/2023, 2:47:59 PM