たーくん。

Open App
7/19/2025, 11:16:04 PM

物が散乱している埃っぽい家の倉庫。
少しは整理しよう思い、箱や段ボールを一旦外へ出していく。
途中で、見覚えのある箱を見つけた。
子供の頃によく使っていたおもちゃ箱だ。
開けると、綺麗な状態でおもちゃ達は眠っていた。
おもちゃ達の一番上に、小さい飛行機が置かれている。
昔、駄菓子屋で買って、よく遊んだ発泡スチロールの飛行機。
確か……ソフトグライダーって名前だったっけ。
結構派手なデザインで、実際にこんな飛行機が飛んでいたらすごく目立つだろう。
飛行機を手に取り、倉庫から出る。
今日は雲一つない青空で、絶好の飛行日和だ。
空に向けて、飛行機を飛ばした。
「飛べ!」
飛行機は勢いよく空に向かって飛ぶが、すぐに落ちてしまう。
あれ?昔はもっと飛んだんだが……。
それから何度も何度も飛行機を飛ばし、気がつくと一時間経っていた。
倉庫の整理は……今度でいいか。
昔遊んだおもちゃは、今遊んでも時間を忘れるぐらい楽しかった。

7/18/2025, 11:21:47 PM

のんびり出来て居心地が良い我が家。
いつも家事を頑張ってくれている妻に、ゆっくりしてもらうため、今日は妻の代わりに俺が家事全般をやろうと思っている。
妻の休日……ってなんか危ない香りがするから、Special dayと呼ぶことにしよう。
洗濯物を干そうとしている妻に、声をかける。
「俺が家事やるから、今日はゆっくりしてくれ」
妻は洗濯物を持ったまま振り返り、首を振る。
「ううん。あなたは毎日仕事頑張ってるから、ゆっくりしてて」
女神のように微笑む妻。
笑顔が太陽の光より眩しすぎて、思わず後退りしてしまう。
「わ、分かった。もし手伝えることがあったら、いつでも言ってくれ」
「あなたがそばに居てくれるだけで十分だよっ」
……俺の妻が可愛すぎる。
こうして妻と一緒にいる日々を、Special dayと呼ぶべきだと思った。

7/17/2025, 10:25:51 PM

風がふくたびにゆれる木。
今日は、ともだちといっしょに、こうえんへあそびに来た。
かげふみをすることになり、ぼくはジャンケンにまけて、オニになってみんなをおいかける。
なかなかおいつかなくて、みんなはどこかにかくれてしまった。
風がふいて、木がゆれる。
木の下を見ると、かげもいっしょにゆれていて……だれかのかげが立っていた。
あんな所にいたんだ。よーし。
ゆっくり近づいて、かげをふんだ。
「見つけた!」
「へっへっへっ……」
かげが、ぼくにふまれてわらっている。
だれのかげをふんだのだろう?
聞こうとしたけど、声が出ない。
あれ?だれかのかげが走っていく。
かげのぬしをかくにんすると……ぼくだった。
どうして?ぼくはここにいるのに。
うごこうとしても、うごけない。
「君のからだ、もらっていくよ。ふふふ……」
だれかのかげが、ぼくのからだをうばって、走っていく。
かえしてよ……ぼくのからだ……。
ぼくは、地面で見ていることしかできなかった。

7/16/2025, 10:18:19 PM

羊の毛よりモコモコでフワフワの雲の布団。
目が覚めると、私はここで寝ていた。
上には太陽が昇っていて、明かりにしては眩しすぎる。
なんで私はここで寝ていたのだろう?
確か……今日は仕事が休みだからベッドで昼寝していて……。
気がついたら空の上で寝ていた。
……謎過ぎる。
まぁ何度か雲の上で寝てみたいって考えたことはあったけど、神様が気紛れで願い事を叶えてくれたのかな?
折角だし、今の状況を楽しもう。
だけど、どこまで歩いても雲しかなく、同じ風景が続くだけ。
「もう!なんなのよここ!」
太陽に向かって文句を言った瞬間、突然雲に穴が開き、真下へ落ちていく。
「きゃあああ……あ?」
気がつくと、私は床と頬を合わせていた。
どうやら、私はベッドから落ちたらしい。
「夢……か」
真昼の夢は、少し痛くて怖い夢だった。

7/15/2025, 10:22:59 PM

目移りするほど、ずらっと並んだ神社近くの夜店。
今日は、月に一度の夜店が出る日で、俺は松田さんと一緒に来ていた。
松田さんは同じクラスの女の子。
俺が好意を抱いてる子だ。
勇気を出して松田さんに夜店へ一緒に行こうと誘ったら、来てくれた。
だが、合流してから一言も話していない。
こういう時は、男の俺から話しかけるべきだろう。
「あのさ」
「あのね」
「あっ」
松田さんも俺に話しかけようとしたのか、声が被る。
「鈴木君からどうぞ」
「いや、レディファーストで松田さんからどうぞ」
「じゃあ……私から言うね。今日、鈴木君が誘ってくれたことがすごく嬉しかったの。私から誘おうと思ってたけど、勇気が出なくて……」
「そうだったんだ」
「鈴木君は?」
「あっ、えっと……松田さん、今日は来てくれてありがとうな。俺も一緒に来れてすごく嬉しいよ」 
「よかった……ありがとう鈴木君」
お互い言いたいことが言い終わり、再び会話がなくなる俺達。
目の前には、仲良く手を繋いでいるカップルが歩いている。
……お互い、嬉しい気持ち同士なら、いいよな。
恐る恐る手を伸ばし、松田さんの手を……握った。
「あっ……」
松田さんは驚いてたけど、ゆっくり握り返してくれた。
「夜店、見て回ろっか」
「うんっ、どこから行こっか?」
「うーん……そうだな……」
俺達、二人だけの時間が始まった。

Next