たーくん。

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5/23/2025, 11:27:45 PM

窓から太陽の光が射し込んで、少し明るくなった私の部屋。
隣で、彼氏は団子虫のように丸くなって、寝息をたてながら寝ている。
夜中暑かったのか、掛け布団はめくれていた。
だけど、朝はまだ少し寒い。
私は彼氏に抱きついて温めてあげようとしたら、彼氏は寝返りして反対方向へ向く。
「むー」
なんでこのタイミングで寝返りするかなぁ?
せっかくのモーニングハグが台無しだよ。
「だったら私も寝返りしてやるもんね」
私も寝返りし、反対方向へ向く。
彼氏と背を向く形になり、なんだか虚しくなってきた。
もう一度寝返りして、彼氏の方を向こうとしたら、背中から温もりを感じる。
彼氏が、私を包み込むように後ろから抱きつかれていた。
彼氏の寝息が後ろ髪にかかり、ドキドキする。
どうやら彼氏はまだ寝ているらしい。
もう、仕方ないなぁ。
私は彼氏が起きるまで、温もりを味わった。

5/22/2025, 11:15:14 PM

容量を圧迫しているスマホの写真フォルダ。
中には、先月別れた彼氏と一緒に撮った写真がいっぱい入っている。
何度も消そうとしたけど、なかなか消せなかった。
だけど、昨日の私と今日の私は違う。
フォルダに親指を置き、長押しする。
削除ボタンが現れ、迷うことなく……押す。
写真は、フォルダと共に消えた。
これでいい……はずなのに、消えたと思うと、後悔の波が押し寄せてくる。
やっぱり、消さないほうがよかったかもしれない。
写真は思い出として、残すべきだったかも。
……そういえば、万が一のために、USBメモリに写真のデータをコピーしていたことを思い出す。
スマホをベッドの上へ放り投げ、机の上にあったUSBメモリをパソコンに刺した。
さっき消した写真フォルダを見つけ、一安心する。
いつでも見れるように、スマホに写真フォルダをコピーしておこっと。
今日の私は違うはずだったのに、昨日の私に逆戻りしてしまった。

5/21/2025, 10:09:15 PM

腕が疲れるほど重たくて、分厚すぎる英和辞典。
ページをめくって、ふと目に入ったのはSunriseという単語。
日の出という意味らしい。
英和辞典を閉じて、窓を見ると、太陽が顔を出して昇っている最中だった。
まさに今がSunrise。
「へへっ」
日の出を見て、思わず乾いた笑いが出る。
英和辞典を、徹夜で読むもんじゃない。

5/21/2025, 3:10:32 AM

わたあめのような雲が、あちこちに浮かんでいる空。
空の上では、数十人の天使達が巨大クーラーボックスを持って、神様がいる宮殿まで運んでいた。
クーラーボックスの中には、神様の大好物の天空アイスクリームが沢山入っている。
この天空アイスクリームを食べれるのは、神様だけ。
噂では、一口食べるだけで、クリームの甘味が口の中いっぱいに広がり、幸福な時間を与えてくれるらしい。
運ぶのに飽きてきたのか、数匹の天使が文句を言い始めた。
「神様って天使使い荒いよな。自分の物ぐらい自分で運んだらいいのに」
「神様は忙しい忙しいって言ってるけど、本当かなぁ」
「たまには休みがほしいよ。毎日こき使われて疲れちゃった」
「雲の上でゆっくり昼寝したいぜ……へ……へっくしょん!」
一匹の天使がくしゃみをして、クーラーボックスから手を離してしまい、クーラーボックスが傾いた。
中に入っていた天空アイスクリームが次々と空へ落ちていき、空に溶ける。
青い空が、クリーム色に染まっていく。
「ああ……天空アイスクリームが……神様に怒られる!」
「また買えば大丈夫でしょ。それより空の色が!」
「神様に見つかる前になんとかしなきゃ!」
「なんとかって……どうするんだよ?」
「皆で食べてしまおう!」
天使達は空に溶けた天空アイスクリームを、ぺろぺろと舐めていき、空は再び青色を取り戻した。
天空アイスクリームでお腹がパンパンに脹れた天使達は、雲の上に寝転んで幸福な時間を過ごす。
このあと、神様に見つかって怒られたのは言うまでもない。

5/19/2025, 11:18:59 PM

荒れた道の先にあった大きな扉。
私には、どうしても……叶えたい夢がある。
そのために、ここまで来たのだ。
ここへ来るまで、さまざまな困難の壁を乗り越えたり、たくさんの犠牲を払ってきた。
途中で何度も諦めそうになった時に、背中を押してくれた両親と友達に感謝したい。
扉に両手を置き、思いっきり力を入れて押す。
ゆっくりと、少しずつ、扉が開いていく。
扉から光が溢れ、あまりにも眩しくて思わず目を閉じてしまう。
それでも、扉を押す手は止めない。
だんだんと扉は軽くなっていき、扉の重みが完全になくなった。
扉を開けきったのだろうか?
恐る恐る……目を開ける。
扉の先には、自分が叶えたかった夢が広がっていた。

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