椿灯夏

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6/7/2024, 9:55:21 PM

お題《世界の終わりに君と》



災厄の稀代の魔法使いは永遠の炎でその身を焼かれる。



何にも持たない、ただひとりの少女と出逢い恋をした。



はじめての、春だった。



でも何もかも間違いだった。



彼女は落とされた、災厄の魔女として。



最後に目にした光景は、木漏れ陽の煌めきを咲かせた笑顔。





世界の終わりに君と瞳で約束を交わした。





5/27/2024, 11:40:33 AM

お題《天国と地獄》



廻りゆく歯車は語る。


人の縁と運命《さだめ》の物語を。


いつか、時からも記憶からも忘れ去られてしまう日がくる。



遠ざかる春。


忍び寄る冬。



あなたは、どれほどの覚悟と誠意を持って、生きているのと問われて。



それが真実なのだから、と。


5/26/2024, 11:21:19 AM

お題《月に願いを》


世界が零れ落ちてゆく物語。


夢見は、いつも朝霜に。


永遠を夢見た月に願う。



世界を巡りゆく、許可がほしいと。


物語を、変えることを。






月は対価を望み、それを空白の少女は受け入れる。


いつだって願いには、それ相応の呪いが必要だ。




5/18/2024, 11:04:40 AM

お題《恋物語》


夜の底に咲く少女と。


夜の底で月を睨む少年と。



祈りの言の葉を織り続ける少女は、雷鳴轟く夜、紅く濡れる少年に「死を織れ」と冷たく剣を突きつけられる。


少年は沈黙し、少女は誓った。



「ではこうしましょう――わたくしとあなたの死を、織りましょう」


「……正気か? 見知らぬ浅はかな奴と、死をともにするなど」


「ええ。だって知りたいのです、あなたを狂気に走らせる真実を」


「…………はあ。わかった」





これは夜の底で強く煌めく少女と。


悪夢の鳥籠に囚われた少年の、真実への道を織る物語。


5/17/2024, 11:03:59 AM

お題《真夜中》



泡沫の零れ落ちた時間に巡り会う。


月と星の欠片を宿した淡夢の瞳。

翻した枯れ葉色のコートが風に舞う。



漆黒の空に歌えば、永遠が宿る。


いつか巡り会う君。

いつかまた巡る、悪夢が君を呑み込んでも。



必ず君を救ってみせる。


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