お題《光り輝け、暗闇で》
時代の狭間にゆれる
ゆらゆら漂って
ゆらゆらカゲロウ
教室の空白
心は落花
誇りもない
自信もない
自分もない
ないないない
ないないない
なにも、ない
生きていたい
死にたい
なんで、と問われても
生きているから
死にたいんだよ
死にたいから
生きているんだよ
ないないない
ないないない
なにも――ない
それでもいい
それでも、いい
心は落花――でも
風花になれるんだよ
お題《静かなる森へ》
混沌たる世界の終焉へ
忘れじの彼方へ
落ちてゆけ
落ちてゆけ
落ちてゆけ
世界の構築
物語の再生
つづられたのは
レガシー
青い星の
遠い遠い
夢見の物語
記録少年は想う
空白少女を
この少女の
すべてを、ここにしるそうと
ここは静かなる森
ここは忘れじの森
ここは終焉の果て
君の墓標
お題《届かない……》
綴ることで強くなった
綴ることで弱くなった
綴ることを杖にした
命をつづり
夢をつづり
自分をつづる
それでもはてしなく つづく とおい みち
お題《好きになれない、嫌いになれない》
お題《元気かな》
鈴鳴桜の咲く季節に彼と出逢った
無愛想で
話しかけても無視
致命的なほどに私は好かれてはいなかった
彼と淡いの杜で過ごしたあの日々
鈴狐のなずなからは女の敵扱いされ
鈴烏の依澄はよく相談にのってくれて
鈴鳴の杜で一番美味しい和菓子を分けてくれた
神隠しで永遠に世界を渡り歩く運命づけられ
落ち込む私を彼は
「仕方ないから付き合ってやる。おれの神名に誓って、お前を元の世界へ帰す方法を探してやる」
「行くな、と一言、いえたらいいんだがな。おれにはできない。お前だから。お前だからこそ、できないんだよ」
「幸せを祈ってる。いつでもお前を想っているよ。
――出逢えたのがお前でよかった」
もう二度と逢えなくとも
“あなた”を愛しています
――自分で壊した日常を再生するために
私は“あなた”と交わした約束を胸に手紙に綴る
毎年桜の咲く季節になると私は言の葉を織る
泡沫だけどその日はいつも桜吹雪が日常を淡く染める
さあ前へ進もう
あなたがくれた約束で日常に煌めきを灯そう
鈴鳴桜の澄んだ音色に耳を澄ませば
――ほら。あなたの歌が聴こえる