椿灯夏

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5/15/2025, 12:52:02 PM

お題《光り輝け、暗闇で》

時代の狭間にゆれる
ゆらゆら漂って
ゆらゆらカゲロウ
教室の空白
心は落花

誇りもない
自信もない
自分もない

ないないない
ないないない
なにも、ない


生きていたい
死にたい
なんで、と問われても

生きているから
死にたいんだよ


死にたいから
生きているんだよ



ないないない
ないないない
なにも――ない


それでもいい
それでも、いい


心は落花――でも
風花になれるんだよ



5/10/2025, 11:34:16 AM

お題《静かなる森へ》

混沌たる世界の終焉へ
忘れじの彼方へ

落ちてゆけ
落ちてゆけ
落ちてゆけ

世界の構築
物語の再生

つづられたのは
レガシー
青い星の
遠い遠い
夢見の物語

記録少年は想う
空白少女を


この少女の
すべてを、ここにしるそうと


ここは静かなる森
ここは忘れじの森
ここは終焉の果て


君の墓標

5/9/2025, 1:40:11 AM

お題《届かない……》

綴ることで強くなった
綴ることで弱くなった

綴ることを杖にした
命をつづり
夢をつづり
自分をつづる


それでもはてしなく つづく とおい みち

4/29/2025, 3:38:52 PM

お題《好きになれない、嫌いになれない》


4/9/2025, 2:24:54 PM

お題《元気かな》
 

鈴鳴桜の咲く季節に彼と出逢った

無愛想で

話しかけても無視 

致命的なほどに私は好かれてはいなかった


彼と淡いの杜で過ごしたあの日々


鈴狐のなずなからは女の敵扱いされ

鈴烏の依澄はよく相談にのってくれて

鈴鳴の杜で一番美味しい和菓子を分けてくれた


神隠しで永遠に世界を渡り歩く運命づけられ

落ち込む私を彼は


「仕方ないから付き合ってやる。おれの神名に誓って、お前を元の世界へ帰す方法を探してやる」


「行くな、と一言、いえたらいいんだがな。おれにはできない。お前だから。お前だからこそ、できないんだよ」


「幸せを祈ってる。いつでもお前を想っているよ。

――出逢えたのがお前でよかった」



もう二度と逢えなくとも


“あなた”を愛しています


――自分で壊した日常を再生するために


私は“あなた”と交わした約束を胸に手紙に綴る


毎年桜の咲く季節になると私は言の葉を織る



泡沫だけどその日はいつも桜吹雪が日常を淡く染める



さあ前へ進もう



あなたがくれた約束で日常に煌めきを灯そう



鈴鳴桜の澄んだ音色に耳を澄ませば


――ほら。あなたの歌が聴こえる


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