椿灯夏

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4/29/2025, 3:38:52 PM

お題《好きになれない、嫌いになれない》


4/9/2025, 2:24:54 PM

お題《元気かな》
 

鈴鳴桜の咲く季節に彼と出逢った

無愛想で

話しかけても無視 

致命的なほどに私は好かれてはいなかった


彼と淡いの杜で過ごしたあの日々


鈴狐のなずなからは女の敵扱いされ

鈴烏の依澄はよく相談にのってくれて

鈴鳴の杜で一番美味しい和菓子を分けてくれた


神隠しで永遠に世界を渡り歩く運命づけられ

落ち込む私を彼は


「仕方ないから付き合ってやる。おれの神名に誓って、お前を元の世界へ帰す方法を探してやる」


「行くな、と一言、いえたらいいんだがな。おれにはできない。お前だから。お前だからこそ、できないんだよ」


「幸せを祈ってる。いつでもお前を想っているよ。

――出逢えたのがお前でよかった」



もう二度と逢えなくとも


“あなた”を愛しています


――自分で壊した日常を再生するために


私は“あなた”と交わした約束を胸に手紙に綴る


毎年桜の咲く季節になると私は言の葉を織る



泡沫だけどその日はいつも桜吹雪が日常を淡く染める



さあ前へ進もう



あなたがくれた約束で日常に煌めきを灯そう



鈴鳴桜の澄んだ音色に耳を澄ませば


――ほら。あなたの歌が聴こえる


4/5/2025, 2:48:34 PM

お題《好きだよ》

“音”は人を喜ばせるための魔法

そう信じて疑わなかった


ひとりぼっちの学園のガーデンで

泣いていたら

そよ風に乗ってピアノの音色が舞っていた

耳に届けられたその音色は

“ああ……。あの人の宝物だ”


私は自然と涙していた


音楽に詳しくなくとも人を笑顔にしたり涙を誘ったり


“音楽は宝物だ”とあの人がそう表現していた


でもあの人は――音楽で私に幻想をかけた

“すべて忘れる”ように、と


でもそれは私を遠ざけるための魔法







“お前がいれば世界は色鮮やかになっていた。だからこそ、お前に、俺の傍にいて欲しくないんだよ”




学園のガーデンで密やかに紡がれる音の葉魔法




“魔法はいつも人の傍にあるよ。誰だって誰かを笑顔にする魔法がある”



あなたに出会って恋の音の葉を知る





「あなたが伝えてくれる“好き”は、こんなにもたくさんの音の葉が聴こえるんだね」


4/4/2025, 10:43:42 AM

お題《桜》


春の庭園に迷い込む


これは神隠しか


それとも春の魅せる夢なのか



桜はいつの時代でも惹かれて


《途中書き》

4/4/2025, 9:23:58 AM

お題《君と》

異世界と現実を結ぶストーリーテラー

キャラメル色のノスタルジー漂う紳士服

「やあやあようこそ。君の望む僕が、やって来ましたよお嬢さん。なになに? そんなの知らない? ――へえ。じゃあ君は何故“現実”に興味がないの? そんなことない、ってのは無しね。だって僕には“そういう子”がわかっちゃうからさ」


甘い焼き菓子のようににこにこ笑う青年


でもそれはどこまでいっても“不気味”だった


“そういう子”


引っ掛かる物言いだ


「取り繕うなんて無理だよ。“嘘”というものは、どこまでいっても“嘘”でしかないんだから。“日常”に辟易してるんだろう? 君は“現実を適当に生きてる”でしょ。つまらない、くだらないって。――それなら」



青年はふいに真面目な顔で花を降らせた


《途中書き》

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