受けた愛はたくさんあったくせに
それを何かと理由をつけて
受け入れない僕だった
どうせ誰も助けてはくれない、
僕は一人でやるしかない、
誰も分かってはくれない、
そのまま強がる自分のままで
死んでくなら自業自得さ
それでよかった
それなのに、ちいさな愛一つで
簡単に手が震える
もしここで助けて、と言えば
寂しい、と言ってしまえたら
どんなに楽になれるだろう、と
こんな感情知りたくなかった
愛があれば何でもできる?
出来やしないよ、出来やしないよ、
自分さえ愛せない僕が
出来やしないよ、
もしも未来を見れるなら
未来の僕だけは絶対見たくないな
それが幸せな姿であろうと
不幸にまみれた姿であろうと
幸せになりたくて生きてる訳じゃないんだ
自分がどうなりたいかなんて
ごめん、今だけで精一杯だよ
何故か子供の時からあるこの感情
自分は幸せになってはいけない、という
その一言にずっと取り憑かれてる
そういう星の生まれらしい
知ったのは最近の事だけど
だったら別に生きてたくはないや
終わらせるのも面倒くさいや
だから未来は僕にはどうでもいいんだ
僕は僕に興味がないんだろう
だからせめて他人には幸せになって欲しい
そう思うのは綺麗事だろうか
この季節を愛でるには
僕はこの色を知らな過ぎるみたい
綺麗だ、と思う心はあっても
触れるにはもう遅すぎたかもしれない
淡い色が柔らかく
差す光は影さえも綺麗に映して
どこにも居場所は無いようで
ほんの少し寂しくもあった
歩く人々に風は優しく纏う
散る花、咲く花、
終わりとはじまりが混ざる季節に
僕は目を閉じるんだ
一瞬で無色の世界が出来上がって
ひとつ、深呼吸をした
透明にもなれない、鮮やかにもなれない
無色を纏う僕に
この季節は眩しすぎたから
昔から口下手な僕には
本音を言える相手も居なかった
本当はね、愛されたい、
認められたい、嫌われたくない、
誰かの肩に寄りかかってみたい、
誰も助けてはくれない
そんな風に仕向けたのは自分自身のくせに
愛想笑いは得意だった
誰にでも良い面するからさ
よく言われてたよ
何考えてるかわかんない奴だ、って
届かぬ想いと諦めて
僕にとっては届けたい相手が居るだけで
どんなに羨ましい事か
空が遠かろうが、近かろうが
ただたまに見上げるだけだった
地に足をつけて歩く、
そっちの方が大事だと教わったから
足元を見れば今にも咲きそうな花
蟻の群れ、青々と伸びはじめた雑草
春の匂いがする
そして、汚れきった靴
足底だって擦り切れてしまっていて
靴を見れば、その人の人間性がわかる
どっかで聞いた言葉をふと思い出した
それなら僕はそういう事なんだろうか
そう思いながらゴミ箱に捨てた
その靴が僕自身に思えた
どうせならその靴を
遠い空へと投げ飛ばして
一緒に僕も飛んでいけたら
靴を履く理由もなくなるのに