ほんとはね、こんな僕でも
この世界もね、悪くないなって
やっと思えるようになったんだよ
でもね、やっぱだめだね
せっかくここまでこれたのに
馴染めてたはずだった
優しい人ばかりじゃないこの世界でさ
なるべく下を向かないように
上も向かないように
なのにさ、あの一輪のコスモスを
手折ってめちゃくちゃに踏みつけてやりたくなった
周りに馴染んで風にも負けず
凛と咲いてた花に嫉妬するなんて
情けなくて涙もでないや、
いっそ僕を嫌ってくれたら
離れてくれたら僕はもう
こんな旅などさっさと終わらせて
死ねるのに、なんて
こんな事考える僕をどうか許して
息苦しい夏はもう終わるのに
心が重くて仕方がないんだ
思い出したくなかった昔の事と
頑張りたくても頑張れない今の僕と
きっと今と変わらないままの未来が
鎖のように冷たく纏わりつくんだよ
もがけば痛いから
耐えるしかない、でも誰もそんな事
分かってはくれない
だから強くならなきゃいけない、
んな事分かってる、でももう無理だ
もう何も考えたくない
でも明日もまた笑っていなきゃない
感傷に沈んでく重い身体を引きずり出して
こんな僕が大嫌いだ
もうこの身体は何処にも行けない
たくさんの後悔と罪で磔にされたようだ
だからせめて心だけ、
心だけ、逃避行させてあげたかった
不安が付き纏うって分かってても
それが僕にできる唯一の希望だったから
みんな生きるのが上手だな、
むなしくなってしまった
他人がすごく楽しそうに見えて
僕には何もない
気付かないふりができていたのに
どこでもいい、僕が知らない場所なら
できれば天国がいい、心の行く先は
いつか渡された真新しい地図
真っ白で綺麗で
どこにだって行けそうな気がした
なんにだってなれる気がした
あの頃の僕は何処に行った?
慣れない日々、逃げ出した夜、
自分がもっと強ければ…
後悔、裏切りの繰り返しの中で
自分の敵は自分だと気付いた時には
全てがもう遅かった
ぐしゃぐしゃになった地図
自分が歩んだ道のりも
滲んて褪せてもう見えやしない
大事にしたかったのに、
大事にしたかったのに、
流離う旅人のようにあてもなく
ただ1日を生きるのがやっとになって
たまの優しさに泣きそうになって
惨めだ、なんて今更だよな
この春、真新しい地図を手にした
全ての人達へ
どうか強く、強くなって欲しい
優しい人達ばかりじゃないから
どうか自分に我が儘になって欲しい
自分の味方は自分しか居ないから
無理して生きなくてもいいから
他人と比べる事に意味もないよ
嫌われたってけっこう平気なもんだよ
自分の為に、どうか自分の為に
好かれたい訳ではないけど
ただ嫌われたくなくて
人前では明るくいた
無理に馴染もうとして
居たくない場所に自ら向かった
真面目だと言われた
優しいと言われた
それ故期待された
嬉しかったんだ
でも応えられなかった途端
周りは冷たくなった
わかった気がするよ
自分が間違ってたんだろう
その周りの期待も失望も
僕自身が作り上げてしまったんだ
見渡してみなよ
優しいふりをして
誰かを悪者にして
群れてる奴らばかりだ
もう嫌われたっていいよ
陰口だって嫌味だって
好き放題言いなよ、
帰り道そんな事をずっと考えてたんだ
秋風に落ち葉が舞って
冷たさに少し背筋が伸びた気がした