ノーネーム

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3/14/2023, 1:14:23 PM



穏やかで何事もなく
何の心配もなく
別に幸でも不幸でもなく
平凡に生きたいだけなのだ

なのにそこに荒波を立てるのは
社会なのか時代なのか
それに抗う僕自身なのか

どうなるんだろうね、この先
安らかな瞳で笑う人なんて僕は見たことがない

どんなに優しい人でさえ
どんなに羨ましいと思う人でさえ
瞳の奥に僕の知らない
苦しみや悲しみが滲んで見えるから

死んだ後にしか安らかになれないなら
いっそもう死んでしまおうか、
何度それを望んだ事だろう

生きる意味などないのだと
誰かは言うし
死にたい理由は山程あるのだと
誰もが言う

もしかしたらそれが普通なのかもしれない
穏やかに、安らかに、
そう望む事自体異常なのかもしれない

もしそうなら
瞳の奥ではなく先に
何かを見出す事ができるんだろうか


3/4/2023, 1:54:32 PM



そのまま変わらずにいてくれたらいいのに
君の後ろ姿を見て思った

君の傷が少しでも浅く、なるべく残らないように
僕がなにがなんでも守ってあげるよ

だって今までそうしてきたんだもの
なのに

時間だけあっという間に過ぎていって
僕が居なきゃ何も出来なかった君は
小さな花束を握りしめ目の前に立っていた
ありがとう、僕にそう言ったんだ

あぁ、少しずつ君は
僕の手から離れる準備をしている
それが無性に寂しくて
だから時間なんて意味が無くなればいい

嬉しい門出のはずなのに
本当に僕はどうしようもないね、

ありがとう、と言い返せずに
初めて僕は君の前で泣いた気がするよ

大好きな君にもらった初めての花束は
部屋の隅に吊るしてあるんだ
それが色褪せる頃には
僕も少しずつ君から離れる準備をするよ

君のためにできる事は
もうそれくらいしかないんだろう

大好きな君に、おめでとう、

2/22/2023, 4:11:06 PM



「太陽のような人」
僕はそんな大人になりたかった


いつでも明るくて 眩しくて
誰かの背中を強く照らす人に

目の前がどんなに朽ちて 荒れ果てても
それでも世界は綺麗だと言える人に

冷たく暗い海の底を歩く誰かの
その震える手を優しく包み込む温かい人に

きっと誰もがそんな大人になりたいと
願ってきたんだろう

現実はどうだ
皆が一日を生きるのに精一杯で
今日もまた何かを諦めて、傷付き、
後悔を背負い 影だけが濃く伸びていく

辛いよな? 辛いよなぁ
今日もよく頑張ったなんて
微塵も思えない真夜中に
太陽のような光などある訳もない


僕もずっとそうなんだ
心の中で何か燻ぶっていても
もういいや、そう思いながら
こんな詩を書いている


諦めたくないだけなのかもしれない
こんな僕でも
いつか、誰か一人だけでいいから
その誰かをを照らす光になりたいのだと

1/22/2023, 2:54:33 PM

タイムマシーンがあったなら
顔も知らない父親と
どうしても好きになれなかった母親が
出会うのを阻止するんだ

どんなにバチがあたったっていいから
どうか、どうか僕が産まれませんようにと


それで良いと思ってた

だけど、

必死に愛想笑いをする僕に
愛想がいいねと、微笑む老人がいて

すぐ隣に小さな寝息を立てている
無垢な寝顔がそこにはあって

分からなくなったんだよ
自分に向けられた温かい眼差しと
守らなければいけない存在があって


どこかで負けたくない、と
思ってる自分が居て

こんな世界は嫌だ、と
嘆く自分も居て

結局どっち付かずで
優柔不断な僕だから

タイムマシーンなんてあっても
過去にも未来にも行けず今を彷徨う


それでもいいや、と思えた

11/24/2022, 12:04:11 AM

落ちていく葉に
知らない誰かの命を重ねた

どうしても寂しくなる季節だから
理由はなくとも空しくもなる

僕のなんてことなかった今日という日は
知らない誰かにとっての最期の日だったんだって

そんな考えたって仕方ないのに
だからって僕の一日は別に輝きやしないのに

また葉が一枚落ちていく
冷たいアスファルトに留まる事もできず
風に吹かれただ側溝に流れてく

そんなもんなのだ
命を終えた行く先は
でも

吹かれた葉を追いかける
無邪気な足音がした
その葉を掴まえた小さな手は温かそうで

あぁ 終わるのではなく巡るのだと
優しい手に引かれ歩いてくその反対の小さな手に
握られた葉を見てそう思った

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