ノーネーム

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7/10/2022, 1:53:04 PM

懐かしい夢を、見た気がする


その頃はまだ自分は欲張りで
頑張ればなんだって出来るんだって
そう思っていたっけ

大人が嫌いなくせにいい子のふりして
心の中ではよく馬鹿にしてた

そんな大人達によって作られた
変わらない毎日の中で
自由が無い事をいつも嘆いていたけれど

ただそれってさ
はみ出さないように
僕らは守られていたんだなって

今なら分かるよ
自由なんて切符を持った瞬間
社会に揉まれて 線からはみ出て
下手すりゃ轢かれる

朝、目が覚めたら泣いていたのは
あの頃なりたくない大人に
自分はなってしまったから

どうしても、どうしても戻りたいと
叶わない欲で枕が滲んでも

それでも今の自分に 
どこかまだ期待してしまっているから

7/9/2022, 3:47:29 AM

街の明かりに誘われて羽虫が一匹飛んでいた
闇と光の間をゆらゆらと
彷徨っているのか強がってるのか
それでも器用に飛んでいた

ここは自由な世界だよ
行きたい所で生きていいのだと
教えられた記憶がある

そんな世界で

誰かは自分の正義の為だけに銃口を向け

誰かは涙を流し花を手向け

誰かはアレのせいだと怒りをぶちまけ

誰かは何も出来ずたらればで嘆き

誰かは見えない所で薄ら笑い

誰かは変わらず日常に身を置く

さて 僕はどれだろうか
それとも どれでもないのだろうか

街の明かりが消えて 空が静かに目を覚ます頃
結局僕は分からないまま
空はいつもと変わらないまま

今日もまた一日が始まる

7/8/2022, 2:20:58 AM

七夕飾りになれなかった笹が
カサカサ乾いた音で揺れていた

どんよりと曇った日暮れ時
どうやら今年もあの二人は会えないらしい
それでも変わらず
お互いを愛し、待ち続けるんだろう

そんな事思う僕の側を
知らない二人が通り過ぎた
手を繋いだ後ろ姿 楽しそうな声 

君と僕には無理だったね
君の耳飾りは短冊のように揺れていて
流れた涙は天の川のように綺麗で

でも見ないふりした

ずっと愛せる程僕は強くなかったし
待ち続けられる程君は僕を愛せなかった
お互い様だよ

憂いているのはあの笹と僕くらいで
後ろ姿を見送りながら

ただ僕は色も無い空にあの日を映した
一瞬だけ二つの星が見えた気がした


7/6/2022, 1:12:11 PM

ごめんね、あんま思い出せないんだ
今じゃ声も、顔も、一緒に見ただろう景色も
きっとたくさん傷付けて
きっとたくさん助けてくれたんだろうに


友だちと呼んでいたあの人達は
その思い出の中に
僕を今も残してくれているんだろうか

思い出せないくせに忘れないで欲しいとか
なんて自分勝手だろうって自分でも思うけど

確かあの頃は
刻む季節の隣にはいつも友だちが居て
一緒に背伸びしてくれるから
夢とか希望を真っ直ぐに信じてた


今の僕の中には綺麗なまま残しておけないから
せめて友だちの思い出の中に居させて欲しいなんて


どうやら僕は
大人になっても弱虫に変わりはないらしい

今も昔も誰かにもたれかかってばかりだ

7/5/2022, 1:06:33 PM

叶わなかった願い事は
今もこの星空の中彷徨っているのだろうか

数え切れない程願っていたから
それが本当に願い事だったのかも
ただのわがままだったのかも
もう忘れてしまったよ

もうすぐ七夕らしいから
「会えたらいいよな」
なんて見上げながら
らしくない事考えたりして

吐いた息が淀んでいたのは煙草のせいにして
滲んだ視界は星空が眩しいせいにした

あわよくば今も彷徨う僕の願い事達が
いつか誰かが星空を見て願う時
どうか側で綺麗に流れてくれますようにと

どうせすぐ忘れてしまうわがままを
どうしようもなく虚しい一人の夜
また願ってしまった


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