ノーネーム

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七夕飾りになれなかった笹が
カサカサ乾いた音で揺れていた

どんよりと曇った日暮れ時
どうやら今年もあの二人は会えないらしい
それでも変わらず
お互いを愛し、待ち続けるんだろう

そんな事思う僕の側を
知らない二人が通り過ぎた
手を繋いだ後ろ姿 楽しそうな声 

君と僕には無理だったね
君の耳飾りは短冊のように揺れていて
流れた涙は天の川のように綺麗で

でも見ないふりした

ずっと愛せる程僕は強くなかったし
待ち続けられる程君は僕を愛せなかった
お互い様だよ

憂いているのはあの笹と僕くらいで
後ろ姿を見送りながら

ただ僕は色も無い空にあの日を映した
一瞬だけ二つの星が見えた気がした


7/8/2022, 2:20:58 AM