神様だけが知っているのは
この世界の始まりと地球が終わる日
生きる意味と死ぬ理由
星の数程ある理論と深海より深い哲学
ほんと人間じゃ敵わないものばかり
でもあなたは知らないでしょう?
僕だけが知ってる神様を
その神様を守る為ならほんとに僕
死んでもいいなんて本気で思ってるよ
笑えるだろ?
所詮人間は馬鹿だよ
あなたが一番良く知ってると思うけど
でもその馬鹿を創ったのもまたあなただ
あなたがどれだけ歪んだ正論を押し付けたって
ほら 振り払えるほど世界は美しい
君が行くこの道の先のずっと先
そこまで僕は一緒に行けないから
つい笑ってしまうようなしょうもない思い出を
この道いっぱいに敷き詰めておくよ
だから振り返ったっていい 何度だって
「立ち止まるな」「前に進め」なんて
君はそんな器用な人間じゃないだろう?
僕もそう
今もまだ振り返ってばかりで
だからいいいかな
もうちょっとだけ
君の道に寄り添っても
くしゃくしゃになった夢で散らかった部屋
重いカーテン 漏れない日差し
その一つひとつがゴミになったのは
ただ単にお金が無かったから
才能があるなんて自惚れていたから
結局自分が一番可愛かったから
たまに思うよ
今では綺麗に光が差し込む部屋
ひとつくらいなら
その隅にでも飾れたのかもしれない
後悔なんてしてないさ
人並みには大人になったつもりだから
窓越しにぼんやりと見えるのは
まだ咲ききらない桜の下
早く大人になりたくて背伸びしすぎた横顔
先生に叱られた学校の帰り道
わざと遠回りした先にあった海辺の桟橋と夕焼け
初めて繋いだ手 伝わる体温
赤く染まった空と君の頬
凍える風 前が見えなくても
振り返るといつも寄り添ってくれた白い足跡
だんだん眩しくなってきて細める目
閉じてしまうにはもったいなくて
あと少し、もう少しだけ見せて
懐かしき思い出
あの出会いは運命だと
見えない糸のおかげと繋ぎとめたのは僕
この別れも必然と
見えない糸のせいにして引きちぎったのも僕
「ひとりにしないで」
それでもそれに縋ろうと手を伸ばした
見えたふりして
見えないふりして