おきゃがれこぼし

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10/18/2025, 10:36:29 AM

光と霧の狭間で

 朝、散歩をしていると、いろんな景色の空を眺めることが出来る。薄い青空に、朝焼けが筋をなしていたり、霧雨が降った後には、虹が見え、その虹も時々、二重になっていたりするから面白い。近年、クマの出没情報の多さで、めっきり歩く時間は減ったが、それでも時間があれば歩くようにしている。

 晴れた日の朝日は、元気を貰うにはうってつけだと思う。特に太平洋から昇る夏の朝日は、朝霧の立ちこめる海面や浜辺に、柔らかな光となって降り注いでいて、早起きをしても見に行きたい光景だ。僕が10代の頃、自転車でよく朝早く海まで出かけて行ったことを思い出す。故郷を離れ15年程になるが、時々、地元に帰ってあの海を眺めるだけで、「また頑張ろう」と思える。15年前は、海の無い街に戸惑いもあったが、いつしか慣れてしまった。それでも、僕は生粋の浜っ子だ。どんなに故郷が変わり果てようとも、あの海で見た光景は、ずっと僕の中にある。

10/17/2025, 10:23:30 AM

砂時計の音

 その小さな砂時計は、ちょうど3分で終わる。まるで、小波が浜辺に打ち寄せては返すかのように、さらさらと流れるその音は、心地よいリズムとなって、砂時計を逆さにする度に、僕の耳に届いてくる。

 誰が買ってきたのかは忘れたが、白い木製の小さな砂時計がウチにはあった。砂は色鮮やかなピンク色をしていて、とてもキレイだなとそんな印象を受けた。

 ちょうど3分で終わる砂時計。ここまで記すと、勘のいい方はお分かりかもしれないが、3分とはカップ麺が出来上がる時間。お恥ずかしい話で、砂時計にも申し訳ないのだが、そんなキレイな砂時計もいつしかカップ麺のために使われるようになっていった。

 あの小さな砂時計はもう無い。いつどこで無くしたのかさえわからないけど、色鮮やかなピンク色だけが、今も目に焼きついている。

10/14/2025, 10:33:35 AM



 僕の地元の梨屋さんは、バラを沢山、育てている。毎年、バラの開花時期になると、そのバラ園を解放していて、僕はカメラを持って何度かバラを撮影しに行った。バラの開花時期以外にも、色とりどりの色んな花が咲いているのだが、やはり数百本ものバラが咲き誇る圧巻の景色には敵わない。バラ園の入り口に置いてある木製のベンチの後ろには、バラでハート型に作られたオブジェがあって、そこで写真を撮影する人たちが大勢いる。もちろん、無償で見られるわけではないのだが、環境協力金300円で、これだけのものが見られるなら、安い方ではないだろうか。僕は、植物を育てるのはとても苦手なので、それだけでも尊敬に値すると思ってしまう。

 また来年も、行けるといいな。

10/9/2025, 11:28:58 AM

秋恋

 あなたから連絡が来なくなって久しい今日この頃。これが「寂しい」という気持ちなのかと改めて気付かされる。
 辛かった時、必ずあなたの声がそこにあって、それがあまりにも自然だったから、ずっとわからなかった。あなたの温もりが、こんなにも愛おしくなっていたなんて。
 またいつかが来るのかはわからないけど、今はただ、その希望を捨てずに待っていよう。あなた中に、僕の存在が少しでも残っていることを信じて。

10/5/2025, 9:43:14 PM

moonlight

 「moonlight」は、動詞として「副業」などの意味があるそうなので、今日は「副業」について書いていこうと思う。

 15年ほど前、僕は掛け持ちで2つの仕事をしていた。8:30〜16:00までは宅配便の配達員として、17:30〜22:30までは大学病院の手術室の清掃員として働いていた。想像に難くないだろうが、どちらも体力と神経を使う仕事だったために、それほど長くは持たなかったのだが、仕事としてはどちらも重要な仕事だったので、やり甲斐はかなりあったように記憶している。

 僕は現在、とある会社の清掃作業員として働いている。あの頃に比べれば、正直に言って仕事のやり甲斐は少ない。けど、ムリのない範囲で働いて、それで最低限の生活が出来るなら、それもありだなと思っている。あの頃は、頑張ることで周りから認めてもらいたいと思っていたが、徐々に体にムチ打つことも出来なくなり、現状に行き着いた。年配の方ならわかるかもしれないが、仕事に生きる時代が終わった当初は、重要視され始めるワークライフバランスに戸惑いすらあったが、今は、休日や趣味の大切さを痛感している。
 
 そんな週末が終わり、今週もまた同じような日々が始まろうとしている。僕はまた、とある会社に行き、清掃作業員として、働きに出掛ける。今週末の休日を楽しみに。

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