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7/18/2024, 12:12:21 PM

私だけ

私だけみんなと違う。何が違うのかというと目の色が違うのだ。普通の子は黒や茶色だがそれに対して私の目は片方が赤でもう片方が青だ。そのことで昔からいじめにあっていたし、家族にも気持ち悪いと言われてきた。だから慣れているんだ。でもなぜだろう。あなたには言われたくなかった。幼馴染の君には。その日から私は片方の目に眼帯をつけることにした。すると気持ち悪いと言われることも少なくなってきた。私はその時思った。なぜ人は見た目で判断をするのだろうか?それが差別というものなのか私にもわからない。だからこれから知っていけばいいのだろう。そう思い私は前に進んだ。

7/15/2024, 12:03:02 PM

終わりにしよう

「もう終わりにしよう」その言葉で私は固まった。どうして私のどこがだめなのそう聞きたかったが、私は言葉を飲み込んだ。なぜか声が出なかった。彼にも理由があるんじゃないか。そう考えると問い詰めることができなかった。あの日から数週間後私は小さな頃からの幼馴染の颯に会った。誰でもいいから愚痴を聞いてほしかったのだろう。颯が私の愚痴を聞きながらため息をついた。「あんなやつ忘れれば」そう言って颯は指を差した。差した方を見ると元カレだった。私は「泣きそう」っと思った。するとそれを読み取ったかのように颯がフワッと私を抱きかかえた。私は戸惑ったが、颯に身を任せた。颯は私をバイクに乗せるとこう言った。「俺の背中だけ見てろ」私は颯の上着をぎゅっと握ってこくんとうなずいた。元カレとすれ違うとき私は思わず目をつぶってしまった。颯は私の頭をポンポンと慰めるように優しくなでた。その手は暖かく、大きかった。私が「ありがとう」と言うと颯はボソッと「俺のほうがあいつよりお前のこと好きだっつーの」私はその言葉がはっきり聞こえたが、「えっ」と聞き返した。すると颯は「なんでもない」と言って誤魔化した。その後ろ姿は耳まで真っ赤で私は思わず笑ってしまった。その時思った。あの時あいつが「終わりにしよう」って言ってくれて良かったのかもしれない。でもあいつには感謝しておこう。あいつのおかげで本当の恋に気づけたんだから。

7/14/2024, 10:51:31 AM

手を取り合って

手を取り合って生きていきたかった。ただもうそれは叶わない。君が死ぬ前に僕と約束したよね。来世では手を取り合って生きていくと。その言葉だけが君を失った僕の支えだった。今だってその言葉を胸に刻んでいる。でも時々君が恋しくてたまらない時がある。もう早々に君のところに行こうか?そう思って毎回屋上に立つが君の「だめだよ」という声が聞こえて涙が流れる。早く来世にならないだろうか。そしたら君と手を取り合い幸せに生きられるのに。

7/12/2024, 12:08:02 PM

これまでずっと

これまでずっと頑張って来た。いつもお母さんの愚痴を聞いて学校では好きな人から無視されてこれまでずっと悲しい気持ちも苦しい気持ちも全部心の底にしまって頑張って来た。でもある日の夜お母さんに突然「邪魔だから出ていけ」と言われた。その時心の底に封じていた気持ちの縄がプツリと切れた。僕は言われた通りに家から出ていき、夜の学校に忍び込んだ。そして屋上の鍵を自力で開け塀の上にたった。そこから飛ぶとなぜか自然に涙が頬を伝っていた。僕は誰かに話を聞いてもらいたかっただけなのにどうしてこうなってしまったのだろう。なんで死にたいという気持ちにたどり着いてしまったのだろうか。そんな事を考えているうちに僕の頭はアスファルトに叩きつけられていた。

7/10/2024, 11:36:10 AM

目が覚めると

目が覚めると俺は閻魔の前に立っていた。閻魔は言った。「今からわしの質問に正直見答えろ。全て答えられたら現実世界に戻してやろう」その言葉は非常に重く感じた。でも俺は好きな人との結婚式の約束をしている。だからこんなところでくたばるわけにはいかない。そう思っていた。俺は頑張って閻魔の質問を全てクリアした。でも閻魔は嘘つきだった。「お前に褒美をやろう」俺は現実世界に戻れると思い喜んでいたが、閻魔は「舌抜きの褒美をな。」そう言われて俺は早くも舌を抜かれ喋れなくなった。あの日から何年の月日が経っただろうか。俺は今でも閻魔の褒美を受け続けている。拷問という褒美を。

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