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8/30/2024, 1:24:44 PM

香水

今日新大久保に行った。駅に着いたとき思わず「香水臭」と言ってしまった。周りの目がすごく怖かった。駅を出てお腹が空いていたのでお店を探しているとシトラスのような匂いがしている人とすれ違った。「ちょっと待って」そう言って俺はその人の手を掴んだ。だがその人は俺が探している人とは違かった。「すみません人違いです」そう言って俺は歩き始めた。俺が探しているのは一緒の施設で育った血のつながっていない姉貴だ。姉貴は毎回出かけるときに必ずシトラスのような匂いがする香水をつけていた。でも3年前殺人事件に巻き込まれて死んだ。だが、俺はそんなことを信じなかった。だから今でもこうして姉貴を探している。あのとき決めたんだ。どんなに汚い手を使っても姉貴を見つけると。

8/20/2024, 11:41:40 AM

さよならを言う前に

俺が君に別れを告げようとした時君は言った。「本当にそれが仁くんの意思なの?」後ろから掴んだ君の手を振り払うと「仁くんなんて嫌い」俺はその言葉にびっくりして後ろを振り返った。君の方を見ると君は、体を震わせながら泣いていた。俺は余命宣告を受けていた。君に悲しませたくないから俺は自分から振ることにした。「俺だって辛い」そう言うと君は顔を上げて言った。「なんで仁くんが泣いてるんだよ」俺はそんな君を抱きしめながら「ごめんでも君のためなんだ。さようなら」そう言って俺は泣き崩れる君を無視して前に進んでいった。前に進むときに俺は呟いた。「君まで道連れにしたくなかったんだよ」と。

8/17/2024, 11:15:49 AM

いつまでも捨てられないもの

どうしてだろう。どうしてあなたと別れたのに一緒に撮った写真を捨てられないんだろう。どうでもいいはずなのに捨てられない理由はなんだろう。苦しくてきつくて別れたはずなのに。言ってもいいのかな?「よりを戻したい」って。

8/15/2024, 11:39:27 AM

夜の海

夜の海は冷たい。だけど僕はそんな冷たい海の中に踏み入れた。どんどんと水深が深くなっていって足が届くかくらいの所まで来た。透けたTシャツからは友達から受けた暴力でてきたあざが見えた。僕はそれを見て唇を噛んだ。お母さんに言っても「あんた物語作るの好きだからってそんな妄想しないで」と言われた。僕にはお父さんもおばあちゃんもおじいちゃんもいない。誰にも相談できなかった。ゆういつ信じていたお母さんにまでもああ言われてしまった。もう頼れる人がいない。そう思って僕はお母さんに行方不明だと思わせるために隣の県の海で命を経つことにした。この時お父さんが生きていれば、おばあちゃんが生きていれば、おじいちゃんが生きていればそう考えた。数秒後僕は「くだらない」と言って海の底へと沈んでいった。

8/12/2024, 11:33:01 AM

君の奏でる音楽

俺は今日も君に言った。「ねぇピアノ弾いて」そう言うと君はため息をつきながらピアノを弾きはじめた。俺はそれを見て思った。「やっぱり苦しそう」そう思いながら俺は踊った。俺と君はユニットを組んでいる。俺は元アイドルで君は元天才ピアニストだった。でもあることがきっかけで芸能界に出ることをやめた。そして現在二人でこの第二音楽室で練習をしている。ただ俺はこの第二音楽室が窮屈だと思ったことはない。理由は2つ誰にも見られないで練習できることと練習が終わったあとに二人でイチャつけるから。

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