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12/25/2024, 1:57:46 AM

「ねえ、私のこと覚えてる?」
誰もいない空間へ、想いを告げる。
暖房の空気と冬の寒さが混ざりあった部屋へ、声が響く。
「私…ずーっと、好きだったよ…!」
こんなことを言っても、どうせ誰にも聞こえないのに。
「クリスマスイブの夜」、もういないあなたを想う。
これでなにか起きる訳でもないけれど。
届いていることを信じて、1人話すしかないのだ。

12/10/2024, 8:59:48 AM

好きな人からの告白。
それは、とても暖かくて幸せなもの。
あの人に告白され、二人で「手を繋いで」歩く。
それが、私の夢だった。
実際は真逆だ。
私が告白し、独り誰とも手を繋げず家に帰る。
冷たい空気を嫌でも感じ取ってしまう。
こうやって、幻想は儚く散っていった。

11/24/2024, 9:24:20 AM

手を繋ぎ、暗闇を歩く。
繋いでいる人はもういないあなただった。
あぁ、これは夢か。
そう直感する。
このままずっと歩いていたい。
夢から覚めなければずっとあなたと居られるのに⋯。
そんなことを思った時、ストンと落ちる感覚に襲われる。
どんどんと沈んでいき、どんどん下へと「落ちていく」。

目が覚めた。
手にはまだ少しあなたの温もりが残っている。
ずっとあの夢を見ていたかったのに⋯。
そんなことを思いながら、今日も重い体を起こす。

11/22/2024, 12:47:44 PM

小さい頃読んだ絵本の名前が未だに思い出せない。
確か、赤い糸で結ばれた男女は幾つもの障壁を乗り越えて幸せになるという話だった。
私はあの絵本のお陰で離婚せずに済んだのに、思い出せない。
運命の赤い糸を信じて頑張れたきっかけのあの絵本を、もう一度読みたいのに。
いっそ私が絵本のキャラクターになって、あの本の筆者を救えたらいいのにな。
そうすればあの本に恩返しできるから。
まあ、どうせ物語の主人公になれるほど濃い話もないのだけれど。
でも、もしなれるなら
あの絵本を探す「夫婦」のお話だろう。

11/20/2024, 1:26:25 PM

私にとっての「宝物」は、煌煌としたものではない。
山のような小判や宝石などではなく⋯
思い出、だ。
小さな頃に遊んでいた玩具や通っていた学校など明るいものから、元彼と別れる時の喧嘩や今はこの世に居ない母親の泣き顔⋯。 そんな暗い記憶さえも思い出の1部だ。
これを私は、防衛反応だと思っている。
いい思い出も悪い思い出も、全てひっくるめて宝物にしてしまうことで心に傷をつけない防衛反応。
この宝物を捨てて初めて、成長だって言えるのかもしれない。
それでも、私には必要だから。
「宝物」。
それは、私を守ってくれる優しいものだった。

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