題【部屋の片隅で】
「莉緒ちゃん~!来たよ~!」
ガチャッ
「あらあら、どちら様?」
「えっ?」
これ莉緒のお母さん!?
いやいや、そんなわけないよな…。
お姉さんだよね?二十歳!?
「あっ、莉緒のお姉さんですか?」
「えっ?私は、莉緒のお母さんよ?」
「若っ!?えっ!お母さん?若すぎでしょ!?」
「ちょっ、太陽!友達じゃないんだから。」
「ふふっ。いいのよ。莉緒のお友達なのね!」
「はい。莉緒にお世話になっています。」
「俺も!お世話になっています!」
「元気ね!素敵。莉緒~?降りてきて。」
「はーい!あっ、二人とも!もうかいくんいるよ。」
「そっか。」
「私の部屋行こ!」
「やっほー!かい!早いねー。」
「あっ、こんにちは。家が隣ですからね。」
「もう。かいくんたら早すぎてびっくりしたよ!」
「そうなんだね…。」
なんだか、体調が悪い気がする…。
まぁ、せっかく莉緒の家に来たんだから。
「では、莉緒さん!勉強しましょうか?」
「お願い!かいくん今日はみんなで遊びたいな♪」
「でも、勉強は大切です!」
「お、お願い…!」
「うっ。///俺、小さい頃から、莉緒のお願いには弱いんですよ…。」
「やったー!」
「では、ゲームでもしましょうか?」
「良い案だね!」
「よし!やろう!」
「だ、だね。」
?なんだか隼人、キツそう…?
声かけた方が良いかな。
「あっ、俺かいのお母さんに挨拶しに行く!」
「では、俺も行きますよ。」
「やったー!」
「…。」
「隼人?」
「うん?なに…?」
「えっと、大丈夫?体調でも悪いんじゃ。」
「え、大丈夫だよ。」
ピトッ
「っ!! り、りり、莉緒!?」
「熱でもあるかも!」
ちょ、えっ!?
莉緒の手が、僕のおでこにっ!
「熱い…!体温計、私の部屋にあったっけ?」
ガサッゴソッ
「あっ、あったあった!」
「ありがとう。」
「熱、測ろ?」
「うん。」
ピピピピッピピピピッピピピピッ!
「えっ!は、隼人?本当に平気?」
「えっと、実は嘘。だいぶやばいかも…。」
「だ、だって、38.8度あるよ?」
「でも、きっと大じょu、、、」
パタッ
「えっ!?隼人?大丈夫?すごい熱…。」
どうしよう。
えっと、まずはベットに寝かせないと!
濡れたタオルをおでこに、冷やす。
「うっ。スー、スー。」
「よ、良かった。」
「今、話が終わりました!」
「遅くなっちゃったー!」
「「えっ?」」
「あっ、二人とも。あの隼人が熱出しちゃって…。」
「それは大変です!」
「大丈夫?隼人。」
「なんとかよくなってきたけど…。」
「…。大丈夫ですよ。隼人さんは、疲れたのだと思います。」
「疲れた…?」
「はい。だいぶ無理をしていましたので。」
「そうなんだ。気づいて、あげられなかった。」
「大丈夫です。休憩をすれば!」
「そう、そう!大丈夫だって~!」
「そっか。ごめん、私ね看病とかしたことなくって。」
「そうですか。初看病、上手ですよ!」
「ありがとう!よし、続き、頑張るぞ!」
題【逆さま】
キーンコーンカーンコーン…。
授業の終わり。
「莉緒と、隣になりたいな~。」
「えぇ?まだ想いを伝えてないのか?」
「う、うん。莉緒は僕よりもかいのことが好きだよ。それに、自信がない。」
「ファンクラブがある隼人がなーにを言ってるんだか~!」
「太陽だって、サッカー部のエースじゃん。」
「隼人は、高等部の王子様!」
「そうなんだ?」
「今知った系!?」
「うん。別に興味ないし。」
「ったく、なんでこいつがモテるんだか、、、」
「…へ~!あははっ。かいくんたら相変わらず面白いね!」
「そうですか?」
「っ。…。」
「なになに?嫉妬?(笑)」
「違う…。」
「へー(笑)」
キーンコーンカーンコーン…
「では、席替えを始めたいと思います。順番にくじをひいていってください~!」
「どこかな?」 「隼人くんの隣が良い~!」
「え~!私はかいくんはかな!」
「分かる!しずかなのに面白いのも素敵だよね!」
「ね~。」
「楽しそうだな~。」
「?莉緒さん。くじ引き、ひきましょう。」
「あ、うん。ごめんね!」
「なんで謝るのですか?」
「え、あ、ごめん。」
「ふふっ。謝りすぎですって。」
「あ、あはは。」
「む、無理しないでくださいね?」
「だ、大丈夫!元気!最高!」
思いついた言葉を適当に並べて言った。
「よし、全員ひいたか?各自、その席に座れ~。」
「私は…。ここか、良い感じの席だ~!」
私の席は、グラウンドの窓際から二列目の、一番後ろ!
最高じゃない?
でも、肝心なのは、隣の人。
だれかな。
って、えっ!?
「あっ、隣の席は莉緒さんですか?」
「か、かか、かいくん!?」
「嬉しいです!さらにお話をしましょうね!」
「うん。あと、もう1つの隣は?」
「ん?」
「は、隼人くん!?」
「え?隣は莉緒ってこと?」
「俺は前だよ~!(莉緒の)」
「わぁ~!やったね!全員仲良くなれるね!」
「…。はい。そうですね!」
全員で、か。
「よろしくね。莉緒。」
「俺からも!よろっ。」
「うん。よろっ!えへへ。」
「か、可愛いです。」
「へ?かいくん、今なんて言った?」
「あっ。///な、なんでもないです!」
「?そっか。」
「あっ莉緒さん、今日、俺のお母さんが莉緒さんのお母さんにご挨拶がしたくて、お話もしたいらしいのです。だから、俺も莉緒さんの家に行ってもよろしいですか?」
「うん!良いよ~。かいくんは何回も来たから慣れた(笑)」
「本当ですか?ありがとうございます。」
「じゃあ、今日も一緒に帰ろう!」
「はい。」
「り、莉緒。僕と太陽も、莉緒の家に今日、行きたいな。」
「へ?別に良いけど。」
「まじで!?やった!」
「じゃあ、帰ったらすぐに行くから。」
「うん。」
今の莉緒との関係を逆さまにしないように、良い方にもっていくには、やっぱりプライベートからだよね!
・・・
俺の初恋、それは莉緒さんなんです。
今もですが!
「ありがとう❤️」
この一言だけでも、最高!です!
あの人には、絶対譲りませんから。
題【眠れないほど】
「はぁ、はぁ、莉緒さん…っ!」
俺は毎日、眠れないほどあなたのことを…!
「莉緒さん!」
ん?屋上の扉が開いてる…?
まさか、あそこにいるのでしょうか?
「り、莉緒さん、いますか?」
「さ一歩を踏み出して~大丈夫。怖くなんかないから~♪…。」
歌っている?
バンッ!
「っ!?か、かいくん?」
「莉緒さん!」
「い、今の、聞いてた?」
「すみません。聞いてしまいました。でも、素敵な歌声ですね!」
「っ…!そう、なの?」
「はい!歌に惚れてしまいました💕」
「…、///」
「莉緒さん。私はあなたと離れたくありません。だれになんといわれようと。」
「へ!?///なになに?急にどうして!?」
こ、ここ、告白!?
どういうことなの!?
「だから、あのいじめっ子に、なんと言われても、俺は諦めませんよ。莉緒さんと、一緒にいたいんです!」
「うん。わたしもだよ。ごめんね、前はさようならって言っちゃって。」
告白、ではないかな?
「では、教室に戻りましょうか。」
「だね。」
・・・
「莉緒…!ごめん、ごめん。次からは絶対、僕が莉緒のことを守って見せるから!」
「っ!///ちょっと、は、はは隼人!離れてほしいな?」
「あっ、ごめん。」
「まぁ、戻ってくれて良かったじゃん!」
「だな~。」
「あっ、次席替えだって!」
「俺は莉緒さんの隣が良いです!」
「僕も、莉緒の隣になりたいな~!」
「俺も俺も!」
「ふふっ。楽しみだね。」
題【夢と現実】
僕は、夢を見てしまう。
夢と現実は違うのに、良いふうに自分で解釈して、、、
僕…、僕は、莉緒が好きだ。
これは、太陽以外には言えない秘密。
でもきっと、莉緒はかいが好きなんだろうな。
めっちゃ照れてたし。嫉妬しちゃうな~。
・・・
「変じゃ、ないかな?」
「大丈夫よ。莉緒、とっても可愛いわ❤️」
「そう?じゃあ、行ってきまーす!」
「気をつけてね!」
「はーい!」
「おはよ!かいくん。」
「おはようございます。っ!髪型、素敵ですね。」
「え!?き、きずいたの?」
「もちろんですよ。素敵です、可愛いですよ💕」
「かわっ!?///」
て、俺は何を言って!?///
「す、すみません!その、本当に可愛くて…っ。」
「嬉しい!//」
「えっ?」
「かいくんに褒められると、すっごく嬉しい!」
「そうですか?では、たくさん褒めさせていただきます。」
「へ?」
「莉緒さんは、可愛くて優しくて明るくて、とっても素敵ですよ。」
「へ?そ、そんなに褒められると、、、!///」
「ふふっ。照れてますね。」
「い、言わないで~!」
「可愛いです!❤️」
「も、もぅー!///」
幼馴染みだからか、なおさら恥ずかしいよ。
本当に可愛いんですけど、、、
っ!、、、もしかして、好きなんだ。
莉緒さんのことが。
でも、絶対隼人さん?のことが好きですね…。
でも、俺も本気出します。絶対負けません!
譲る気は、ありません。
・・・
「おはよー。」
「おはようございます。あっ、用事があるんでした。すこし待っててください!」
「うん。分かった!」
「ねぇ、莉緒!」
「は、はい!?」
あっ、またこの子達か…。
「あんたさ、隼人くんかかいくん、どっちが好きなの!?」
「えっ?どっちも好きだよ?」
「ふ、二股ってこと!?」
「へ?いやいや、友達として!だから、たぶん。」
「たぶんってなによ?」
「そーよそーよ!私は隼人くんが好きなの。」
「私はかいくん!だから、じゃまだから、」
「え?」
殴られる!怖い、助けて。
「「おい!」」
「「「えっ?」」」
私達、三人の声が重なった。
「は、隼人くんとかいくん…?どうして?」
「ぎりぎりセーフ!」
「危なかったですね。大丈夫でしたか?」
「う、うん。」
「良くないな~。せっかく可愛いんだから、優しくしないと。」
「莉緒さんに手をだしたら、俺が許しませんよ?」
「ご、ごめんなさい!」
「ふ、二人とも、ありがt…」
「すみません!俺が目を離してしまったから。」
「えっ?ち、違うよ!かいくんのせいなんかじゃ!」
「私が二人と仲良くしてるから、嫉妬しちゃってたらしい、だから離れようかな。」
「えっ、?莉緒?」
「だ、だめです!そんなの。」
「さようなら。」
「まってください!」
莉緒さんが言ったんですよ。
さようならは言わないでって。
連れ戻さないといけませんね!
題【さよならは言わないで】
「お母さん、行ってきまーす!」
「あら、莉緒早いわね。行ってらっしゃい。」
ガチャッ
「おっと!」
「わぁ!?って、かいくん!?」
「ふふっ、おはようございます。莉緒さん。」
「お、おはよう?どうしたの?」
「あの、一緒に行きたかったので。久しぶりに。」
「へ?」
あっ、そっか、小学六年生までは一緒に登校してたんだっけ?
「ご一緒させてもらってもいいですか?」
「うん。もちろんだよ!」
「ありがとうございます!」
か、かっこいいな~。
・・・
「莉緒さん。」
「なに?」
「えっと、また、一緒に学校に行きましょう?///」
「うん!もちろん!私もかいくんとまた行きたいな。」
「ありがとうございます。」
・・・
「クラス、また一緒で嬉しいな❤️」
「俺もです。たくさんお話しましょうね!」
「うん!」
「あっ、教室に着いた。ちょっと早すぎたね。」
「そうですね~。」
「!おはよう。隼人!」
「ん?あっ、おはよう~。莉緒!」
「おっは~!て、あっ!おはよー、かい!」
「名前を覚えてくれていたんですね。」
「もちのろんだよ♪」
「ふふっ。ありがとうございます。」
「良かったね。かいくん!」
「はい!」
「莉緒?もしかして二人できたの?」
「うん。家が隣だし、小さいころはよく二人で登校してたんだよね!」
「そっか、、、」
?どうして悲しい顔をするんだろう?
「あっ、準備するね!」
「うん。分かった。」
そして、自分の席に戻ろうとした時。
ドンッ!
教室で走っていた男子にぶつかっちゃった。
やばい、ぶつかる!
「きゃっ!?」
「っ!莉緒さん!?」
トン。
「えっ、痛くない?」
「だ、大丈夫ですか?」
「うん。ありがと!ってわぁ!?」
「えっ?どうかしましたか?」
か、か、か、顔が近い!
あっ、そうだった。かいくんは私との距離感がおかしいんだった。
いやでもこれは論外!
「だ、大丈夫だよ。顔が近くて、びっくりしちゃって。でも、助けてくれてありがとうね!」
「怪我がなくて良かったです!」
「う、うん。」
「ごめんなさい!莉緒さん。ぶつかった!」
「大丈夫!怪我してないしね!」
「良かった!」
「て、あっ。///」
隼人と太陽くんが見てた。
「あ、あの。そろそろ離してくれない?///」
「え、あっ、ごめんなさい。///」
「大丈夫!本当にありがとうね!」
「はい。」
「莉緒。ちょっと、ごめん。」
ドタドタッ!
「えっ。隼人!?」
「…。」
「やっちゃったね~。莉緒ちゃん。」
「えっ、えっ?」
「行きましょう。莉緒さん。」
・・・
ーそして放課後ー
「すみません!莉緒さん。今日、俺習い事がありますので、さようなら!」
「あっ、うん。」
さようなら。
私の一番苦手な言葉。
だって、それ以降なかなか、かいくんに会えなかったから。
「ねぇ、かいくん。さよならって言わないで。」
「えっ、?」
「だって、もうかいくんと別れたくなんてないから!」
「っ!/// はい。俺も、莉緒さんとはもう、別れたくないですから。」
「約束、ね!」
「はい。約束です!」