題【逆さま】
キーンコーンカーンコーン…。
授業の終わり。
「莉緒と、隣になりたいな~。」
「えぇ?まだ想いを伝えてないのか?」
「う、うん。莉緒は僕よりもかいのことが好きだよ。それに、自信がない。」
「ファンクラブがある隼人がなーにを言ってるんだか~!」
「太陽だって、サッカー部のエースじゃん。」
「隼人は、高等部の王子様!」
「そうなんだ?」
「今知った系!?」
「うん。別に興味ないし。」
「ったく、なんでこいつがモテるんだか、、、」
「…へ~!あははっ。かいくんたら相変わらず面白いね!」
「そうですか?」
「っ。…。」
「なになに?嫉妬?(笑)」
「違う…。」
「へー(笑)」
キーンコーンカーンコーン…
「では、席替えを始めたいと思います。順番にくじをひいていってください~!」
「どこかな?」 「隼人くんの隣が良い~!」
「え~!私はかいくんはかな!」
「分かる!しずかなのに面白いのも素敵だよね!」
「ね~。」
「楽しそうだな~。」
「?莉緒さん。くじ引き、ひきましょう。」
「あ、うん。ごめんね!」
「なんで謝るのですか?」
「え、あ、ごめん。」
「ふふっ。謝りすぎですって。」
「あ、あはは。」
「む、無理しないでくださいね?」
「だ、大丈夫!元気!最高!」
思いついた言葉を適当に並べて言った。
「よし、全員ひいたか?各自、その席に座れ~。」
「私は…。ここか、良い感じの席だ~!」
私の席は、グラウンドの窓際から二列目の、一番後ろ!
最高じゃない?
でも、肝心なのは、隣の人。
だれかな。
って、えっ!?
「あっ、隣の席は莉緒さんですか?」
「か、かか、かいくん!?」
「嬉しいです!さらにお話をしましょうね!」
「うん。あと、もう1つの隣は?」
「ん?」
「は、隼人くん!?」
「え?隣は莉緒ってこと?」
「俺は前だよ~!(莉緒の)」
「わぁ~!やったね!全員仲良くなれるね!」
「…。はい。そうですね!」
全員で、か。
「よろしくね。莉緒。」
「俺からも!よろっ。」
「うん。よろっ!えへへ。」
「か、可愛いです。」
「へ?かいくん、今なんて言った?」
「あっ。///な、なんでもないです!」
「?そっか。」
「あっ莉緒さん、今日、俺のお母さんが莉緒さんのお母さんにご挨拶がしたくて、お話もしたいらしいのです。だから、俺も莉緒さんの家に行ってもよろしいですか?」
「うん!良いよ~。かいくんは何回も来たから慣れた(笑)」
「本当ですか?ありがとうございます。」
「じゃあ、今日も一緒に帰ろう!」
「はい。」
「り、莉緒。僕と太陽も、莉緒の家に今日、行きたいな。」
「へ?別に良いけど。」
「まじで!?やった!」
「じゃあ、帰ったらすぐに行くから。」
「うん。」
今の莉緒との関係を逆さまにしないように、良い方にもっていくには、やっぱりプライベートからだよね!
・・・
俺の初恋、それは莉緒さんなんです。
今もですが!
「ありがとう❤️」
この一言だけでも、最高!です!
あの人には、絶対譲りませんから。
12/6/2024, 10:36:50 AM