kiliu yoa

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3/1/2024, 6:01:11 PM

私は、日本でも最古の部類の由緒正しい家に、長男として生まれた。

大学卒業後、我が家、我が一族宗家の嫡男となり、

今日、先代から正式に当主の座を譲り受けた。

これは、当主の座を譲り受ける前日に、先代に贈られた言葉だ。

「今は運が良ければ、健康な状態で百歳くらい生きられる。

 この事実は、紛れもない人類の快挙だ。

 しかし、それは我が家の、我が一族の歴史を前にしては、

 二十分の一にも満たぬ、微々たる月日に過ぎない。

 だが、この微々たる月日の積み重ねが歴史を大きく動かした。

 その証拠に時の流れは年々加速し、文化発展や技術革新も早くなった。

 しかし、その反動で多くの文化や技術が廃れるのも又、早いのだ。

 我が一族の役目は、良き古くからの文化や技術を後世に遺すこと。

 そして、それは新しい考えや新しい視点を取り入れることでも在る。

 家の慣習を変え、当主となった貴殿のようにな。」

先代は、優しく笑う。

「はい。」

「言いたいことをまとめると、

 貴殿の代で課題を解決出来なくても、別に気負わなくて良いのだ。

 後世の人間がなんとかしてくれるさ。

 大切なのは、自分なりに最善を尽くすこと。

 そして、しっかり生き、次代に繋げなさい。」

「その役目と思い、しかと受け継がせて頂きます。」

「受け継いでくれて、有難う。」

先代は、朗らかに笑っていた。

先代につられて笑い、心が少し軽くなった。

 



 


 

 

2/29/2024, 1:02:30 PM

わたしは、列車から見る景色が好きだ。 

その地域、季節特有の美しい景色が見られて、

その地域は何を大切にしているか、よく分かる。

だから、わたしは列車で遠出をする。

美しい、景色を求めて。

2/26/2024, 11:02:46 AM

「貴様は、今、何を為そうしている。」

「さあ、何のことでしょうか。」

私の臣下である男は、不敵に笑う。

全く、小賢しく、食えない奴だ。

奴のような人間を、俗は天才と呼ぶのだろう。

自分で言うのも何だが、私の頭は相当切れる方だ。

しかし、奴には敵わない。

何と恐ろしい奴を、弟は遺して逝ったのだろうか。


本来なら、奴のような人間は人を寄せ付けない。

どれだけ有能だろうと、奴のような人間には信頼が置けない。

しかし、奴の右腕たる彼が、それを可能にしている。

「本当に貴様は、彼が右腕で幸運だったな。」

「はい。半ば無理やり、彼を右腕にした甲斐がございました。」

「本当に感謝しておけ。

 貴様の右腕が彼でなければ、私は貴様を臣下にはしなかった。」

「我(わたし)も貴男様のお立場なら、我のような人間を起用致しません。」

「分かっているなら良い。

 貴様が企んでいる事の顛末は、彼に聞くとしよう。」

「承知、致しました。」

















2/25/2024, 2:22:45 PM

空を見て、思い出す。

かつての、もう忘れる事の叶わない、貴男方に先立たれた日のよう。


貴男方には、恩が有った。

でも、恩を返すことは叶わなかった。

その前に、貴男方は……。


分かっていた、覚悟していた、はずなのに……。

政とは、こういうものだと。


……貴男方を、助けたかった。

なのに、私は何も知らなかった、何も為せなかった。


どうして、貴男方が……死なねばならない。


……どうして、いつも、私は……何も、出来ないのだろう。

……どうして、いつも、私ばかり……生き残ってしまうのだろう。


嗚呼、貴男方に何と詫びれば、良いのだろうか。










2/24/2024, 3:24:45 PM

赤子を抱く。

今にも壊れそうな、小さく軽い身体。

本当に赤いのだな。

そして、かわいい。

嗚呼、なんて可愛いのだろう。





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