作品No.104【2024/07/13 テーマ:優越感、劣等感】
勝ったつもりになってみたり
負けたつもりになってみたり
他人と自分
比べては
貶めたり
安堵したり
何度も何度も繰り返す
作品No.103【2024/07/12 テーマ:これまでずっと】
きみが私に向けてくる、その感情がたまらなく煩わしかった。私のことなどお構いなしのその態度が嫌いだった。
ましてや、私に直接的に向けられる愛なんて、信用すらできなかった。何か企んでいるんじゃないかと思っていた。
今なら、わかるよ。
きみがこれまでずっと、私に向けてきた感情が、紛れもなく本物だったこと。
今さら気づいても、もう遅いのに。
作品No.102【2024/07/11 テーマ:1件のLINE】
赤いバッジは、未読メッセージがあるという表示だ。〝1〟を表示したまま、アプリアイコンの右上に鎮座している。私はずっと、その一件のメッセージを読めていない。
それは、今も同じ職場でそれなりに頼りにしている先輩からの謝罪メッセージなのだけれど、私はずっとそれを開いていない。だからずっと、そのバッジは付いたままだ。もう、五年くらいになるのだろうか。
ここまで来たらもう、読まなくても構わないかと、開かなくてもいいかと、そう思っている。何よりも、あの一連の出来事を思い出したくないのだから。
これからもきっと、赤いバッジの〝1〟は、そこに居続けるのだろう。
作品No.101【2024/07/10 テーマ:目が覚めると】
目が覚めると、なんてことはない、いつもどおりの朝だった。目が覚めてしまったことを、後悔するくらいの、眩しい朝だ。
何かいい夢を見ていた気がする。明るくはない夢だったとは思うが、それでもそれは私にとっていい夢だった。それこそ、一作品書き上げられそうな、創作意欲を搔き立てる夢だった——と、思う。
目覚めてしまった今、それがどんなモノだったかすら、思い出せなくなってしまった。本当に、なぜ目覚めてしまったのだろう。
思い出せなければ、忘れてしまえば、もうこの世に残す術はないじゃないか。
目が覚めるのは嬉しいけれど。こればっかりは、悔しくて仕方ない。
作品No.100【2024/07/09 テーマ:私の当たり前】
私、自分の本名がすきなんですよ。
漢字もそうなんですけど、なにより、そこに込められた意味がすきで。画数が多めなのが難点ではありますが、それくらいですきな気持ちが無くなりはしません。唯一無二、自分にしかないモノだと思っているから、大切にしたい気持ちが人一倍強いのかもしれません。
まあ、だからなんだといいますと。
それだけ、自分の名前を間違えられると腹が立つんです。部首が違うとか、漢字自体違うとか、果てはそもそも違う名前になっているとか——この約三十年、そういうことはよくありましてね。
学生時代——それこそ、大学生までは、苛立ちを含ませて指摘してました。だって、失礼じゃないですか、名前間違えるのって。日本には、ひらがなやカタカナもありますし、わからないなら——というか、間違えるくらいなら——無理に漢字で書くなと、思うわけです。
それで結果どうなったか。
「こっわ」、「そこまで言うことないじゃん」——そのようなことを言われました。
は? 間違えたことに謝罪はねえのか?——そう思いましたよ。他人様の名前間違えといて、なんで間違えられた方が悪役みたいになっているのか、意味がわからなかった。でもそれを言葉にするには、私はその人達とあまり仲良くなかったし、なにより臆病すぎました。
これがきっかけなのか、それ以来、名前を間違えられることに対してある種の諦めがつきました。指摘することは、ほぼしなくなりました。
それでも、私の根っこは変わりません。
私は自分の名前がだいすきです。それだけは自信をもっていえます。だからこそ、そんな名前を間違えることは失礼だと思います。