作品No.102【2024/07/11 テーマ:1件のLINE】
赤いバッジは、未読メッセージがあるという表示だ。〝1〟を表示したまま、アプリアイコンの右上に鎮座している。私はずっと、その一件のメッセージを読めていない。
それは、今も同じ職場でそれなりに頼りにしている先輩からの謝罪メッセージなのだけれど、私はずっとそれを開いていない。だからずっと、そのバッジは付いたままだ。もう、五年くらいになるのだろうか。
ここまで来たらもう、読まなくても構わないかと、開かなくてもいいかと、そう思っている。何よりも、あの一連の出来事を思い出したくないのだから。
これからもきっと、赤いバッジの〝1〟は、そこに居続けるのだろう。
7/11/2024, 2:20:05 PM