お題 「ゆずの香り」
注意
この物語はフィクションです。
実際の人物、団体とは関係ありません。
物語 ▼
「ひぇぇ……さむさむ…」
今日も一日疲れた。
そんな疲れを流すため、風呂場へと入る。
髪を洗って、体を洗って、洗顔して、
ざぶん、とお風呂に飛び込む。
今日のバスボムはゆずの香り、
つん、と鼻を刺すようなゆずが心地いい。
「あぁ"〜ッ…!眠れちゃう……」
あったかい空気に思わず眠気が誘う。
「本物のゆず風呂、いつかしてみたいなぁ〜」
黄色くなったお湯を見つめて、彼女は話す。
「…いけない、いけない、寝るとこだったし…」
だらだらしていたらもうこんな時間!!
のぼせないように早く出なきゃね、
ゆずの香りは、癒しの香り。
私の疲れが、溜まってるけど、それでも綺麗な、いい匂い。
ーーあとがき。
お題の「ゆずの香り」を見て、あの某お風呂のバスボムを思い浮かべたのは、私だけじゃないはず…。
と、考えながら書いたお話。
ちなみに私は粉状で温泉地の香りがするやつが好きです。この物語はお風呂入って書いております。
あ、ゆず風呂めっっっっちゃ良いですよ、人生で1回はやってみてください。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
お風呂で携帯を見たら危ないので、良い子も悪い子もあんまり真似しないようにしましょう。
ーー
お題 「大空」
注意
この物語はフィクションです。
実際の人物や団体とは関係ありません。
物語 ▼
ぼく、おおきくなったらいつか、おそらにいきたい。
おじさんがいつてた.ままとぱぱはおそらにいるんたよつて
おそらにいったら、もくもくしててふわふわのくもをたべるの
それで、ままとぱぱにあってぎゆーしてもらって、
なでなでされるの!
子供の頃に書いた手紙。
母上殿、父上殿、僕は今、パイロットです。
僕は、今、大空に居ます。
まだ、雲を食べることもできていないし、父上と母上に会うことすら出来ていない僕。
あぁ、親不孝者ですね。
少しだけ、待っていてください。
僕の子供が大きくなって、妻と一緒に老いていって、
行く日がきたら、会いに行きます。
それまで、もう少しだけ____。
青々しい大空に吸い込まれそうになりながら、手紙を読み返した。
ーーあとがき。
「ままとぱぱはおそらにいるんだよ。」
そんな言葉を聞いて書いた子供の手紙が、今にまで繋がっていれる。
大人になって、辛い事実が分かるでしょう。
雲は食べれない。おとうさんとあかあさんは、死んでしまってもう会えない。
それでも、大空に夢を選んだ者の物語。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
12月も後半、今年を楽しんで過ごしてください。
ーー
お題 「ベルの音」
注意
この物語はフィクションです。
実際の人物や団体とは何の関係もございません。
物語▼
12月20日、あの人と別れた。
別れよう、と言ったのは私の方から。
何度も浮気を繰り返す貴方に愛想を尽かしてしまったから。
あの人は悲しみも、笑いもせずに、
「そっか」
って、一言だけ言って、別れた。
カレンダーに入れたあの人とのクリスマスも、クリスマスイブも、修正テープを付けても嫌だったからカレンダーごと捨てた。
貴方、去年のクリスマスは、覚えてる?
ショッピングモールのイベント?か何かで、おっきなクリスマスツリーに、2人でベルを飾ったよね。
ベルの中の丸いやつがハート柄で恋愛運が上昇!って書いてあって、二人並べて笑い合ったよね。
その後、クリスマスのリースを2人で作ったの、懐かしいな。
小さくて黄色い2つのベルを付けてさ、私達みたいだねって、話をしてさ、
…私の家の玄関に、リースが飾ってあったでしょ?
あれ、去年のクリスマス、2人で作ったやつなんだよ?
クリスマスケーキも、予約したんだよ?
貴方が大好きなイチゴたっぷりのショートケーキ。
………あぁ、未練の残ってるんだ、私。
私は、彼の本命でも無くて、ただの遊びで、
だから、さよならしたはずなのに。
なんで。
12月20日、あの人が、私の家から出ていった。
残ったのは、あの人がいたソファーの跡と、
冷たい2つの"ベルの音"だけだった。
ーーあとがき。
浅くも深くも無くて申し訳ない。
ちなみに解説ですが、
最後の「ベルの音」は、私、の家の玄関にあるクリスマスリースのベルの音。
玄関からベルの音聞こえるの?という質問、あるかと思いますが、まぁ………うん、
「冷たい2つのベル」の、冷たい、の意味は、2人の関係が冷え切ったことを表しています。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
最近インフルエンザが治ってきましたが、鼻水がいまだに酷いです。
皆様、本当にお気をつけてお過ごしください。
ーー
お題 「寂しさ」
注意
この物語はフィクションです。
実際の人物や団体とは何の関係もございません。
物語 ▼
12月19日、午後7時半ごろ、唐突な心臓の苦しさで目が覚めた。
「…なんだッ……」
心臓を鷲掴みにされた様な感覚がきもちわるい。
頭がふらふらとする。
めまいがしてよく分からないが、感覚からして、家のリビングだろう。
ゆらゆら、と辿々しい歩みで2階へと向かい、一番奥の部屋へと入る。
…冷たい空気が充満している。
カーテンは閉ざされ、光の入らない部屋に電気をつければ、
ベットの上で目をつむり、頭から下は布団がかぶっている、綺麗な顔立ちをした自身にとって愛しい者がいた。
その姿を一目見れば、自身の胸の苦しみはすっ、と消える。
髪を優しく撫でれば、少しくすぐったそうで、
頭を撫でれば、嬉しそうで、
「……ふふ、相変わらず冷たいなぁ…」
表情を一つも変えない貴方が、また愛おしい。
その冬の雪のように白い肌が、
照れて赤くなるのも、また可愛らしいと思うのだが、
でも、君は動きやしない。
ねぇ、寂しい、なんて言ったら変だよね。
布団をめくれば、君の綺麗な"赤"が露出する。
…ほら、君の腹部に刺さった包丁はそのまま、刺してあるんだよ。
ねぇ、
俺、戻れるなら、
君が動いていた頃に戻りたい。
あ、でも、俺を見なくなった頃じゃなくて、俺を見てくれてた頃までだけどね?
……あぁ、どこで間違ってしまったのだろうか。
ありきたりな文章を真似ても、答えは出てきてくれない。
心臓が、釘が刺されたみたいに、ちく、と痛くなった。
「何で 、 寂しいんだろ 。」
「 君 が 、 ココ に 居るのに 。」
ーーあとがき。
彼…、主人公視点?の言う君、は既に死んでいます。
白い肌、腹部に包丁、露になっている血液こと"赤"
そして、冷たい肌。
…え?死体は腐らないのかって?それは企業秘密です。
君、に刺さった包丁は誰が刺したのか、
主人公視点の彼、とはどういう関係だったのか、
それはお好きに解釈どうぞ!!!
まぁ、とにかく、分かることは、主人公視点の彼、がヤバいという事ですね。
ここまで読んでくれてありがとうございました!!
…皆様、最近は寒いのでお気をつけて…
ーー
お題 「冬は一緒に」
注意
この物語はフィクションです。
実際の人物や団体とは何の関係もございません。
物語 ▼
12月19日、気温だけがどんどん寒くなり、街にイルミネーションが飾られてくる事だけが、冬の訪れを教えてくれていた。
今年、高校2年生女の子「瑞希」は、午後8時の塾帰り、ひとつ、白い息を吐いた。
寒空の下、よく目立つ赤いマフラーに、腰まである長い黒髪が絡みついて、直すのも面倒だ。
しかも、とても寒いというのにミニスカートにタイツで、凍え死にそうだ。
「あーあ……、もっとあったかい格好すれば良かったぁ…」
瑞希は、悲しそうに呟く。
人通りの少ない道路を、一人寂しく歩くのは、思ったよりも辛くて、喉が冷える。
いつも青信号になるのが遅い信号が、丁度、赤色に変わってしまい、また一つため息を吐けば、コートのポケットから携帯を取り出して、メッセージアプリを開いて、「恭平」という名をタップする。
すると、メッセージの履歴が明るい光と共に、ぱっ、と出てくる。
昨日自身から送った、「クリスマスは空いてる?」というメッセージに、既読はついていなかった。
「恭平」というのは幼なじみの名前だ。
小学校からずっと一緒で、中学1年生、ずっと仲良くしてくれる彼に恋愛感情が芽生えたのだ。
だが、思春期になり、異性との会話を避けていくうちに、恭平はサッカー部でエースになりモテ男になり、話す事が減り、当然、「好き」だなんて伝えられなかった。
だが、それでも諦めきれなくて、同じ高校に必死で入って、ずっと追ってきた。
今、彼は学校での人気者で、私はその人気者に群がる一人。
幼なじみだからって、漫画やアニメのヒロインの様にはならない。
そんな事、知っていたはずなのに、
目頭が熱くなる。
「……なに…っ…、別に……」
あぁ……こんな事で…こんな事で泣きたくなんか無いのに。
必死に堪えれば堪えるほど、思いはこぼれ落ちてくる。
そんなこんなしていれば、青信号になっていた。
なのに、自分は金縛りにあったかの様に動けない。
考えるのは、子供の頃の事。
子供の頃は、私と恭平は仲が良くて、クリスマスはお泊まり会をして、プレゼント交換もして……沢山遊んで……
青信号がチカチカとし始める。
ひゅう、と冷たい風が吹いて、目頭の熱が消えていった。
「……って…あ、青信号逃しちゃうじゃん…」
どうせ渡れない、と諦めて立ち止まれば、また赤信号になった。
また、寂しい感覚が自身を襲う。
スマホをまたコートのポケットにしまえば、周りを見渡す。
都合良く友達や恭平が出てくるなんて事はない。
社会人や親子がちらほら居るだけだ。
こんな時、恭平が女の子連れてデートとかしてたら、こんな恋なんか諦められるのになぁ〜
なんて瑞希は思う。
ずっと、諦められなかった恋。
ミニスカートも、口調も、衣服も、
全部、彼の好むものにしたのに。
無駄に長い髪だって、失恋したら切ろうだとか、彼に愛想が尽きたら短くしようだとか考えていたくせに、曖昧なまま伸びていったものだ。
私って、面倒な女だなぁ、
自分の思いにムカついてしまう。
2度目の青信号、彼女は一歩目を踏み込むと同時に、考えた。
「今年の冬だけは……一緒に……」
……スマホの着信音は鳴らなかった。
ーーあとがき。
今回は叶わない恋のお話にしてみました。
最終的に、彼女の恋が叶う事はありません。
瑞希、という人物は諦めやすい性格をしています。
瑞希は、今回の叶わない恋を、「諦められない」と言っていますが、それは間違いで、本当は、「諦めたい」と思っています。
ですが、中学から高校まで、ずっと願ってきた恋を「諦めたい」なんて思うのは彼女にとっても悲しい事。
「諦められない」と思う方が、まだマシだと感じ、自分の思いを捻じ曲げているのです。
ですが、やはり『こんな時、恭平が女の子連れてデートとかしてたら、こんな恋なんか諦められるのになぁ〜』と、諦めざるおえない状況を望んだり、『今年の冬だけは……一緒に……』と、来年は諦める様な表現をしたりと、「もう諦めたい」という彼女の思いが伝わってきます。
とにかく、瑞希ちゃんには幸せになってもらいたいですね。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
皆様、最近は寒いので体調はお気をつけて、私はインフルエンザA型になりました。
ーー