時計の針しか聞こえないここはどこ?
周りは暗くて分からないよ
あなたが私を助けてくれるって信じてるから
─────『時計の針』
「行ってきます!」
そう言って始まった私の朝
毎日決まった時間に起きて
顔洗って朝食を食べて
バスに乗って学校に行って...
ほぼ毎日同じことを繰り返している私は
操り人形で他に操っている人がいるのでは?
と言うおかしな思考回路になっちゃうくらい
つまらなかった。
変わるのは
体育の点数と勝敗
次の授業の教科,
習う内容ぐらいだった。
「次の時間なんだっけ?」
「えーっと歴史」
「あーぁ歴史か」
「違うよ。それは次の次の時間じゃん。次は生物だよ。」
「あぁそうだったわ」
てかこの会話ってもう何回言った?
なんか違う世界行きたい
新鮮味がある生活をしたい
「ねぇ,何回もこの会話したから,
もう使い捨ての会話しよ笑」
「OK。あの電気なんかいいよね?笑」
「うん,そうだね笑
ねぇぇ,使い捨ての会話って言ったけどさ
使い捨ての会話ってムズすぎだね笑」
でも私はこんな馬鹿な会話をできるのが
幸せだったりする
今日あったことの話とか世の中の不満とか
ちっちゃい話だったり大きい話だったり
本当は少しこの時間が好きだったりする
自分に自信がないのに
「太ってる」とか「可愛くない」
とか友達に言われることがある。
ノリなのは分かってるけど
少しだけ苦しくなることがある
傷つかないように
「否定はしないわ」とか「可愛いだろ笑」とか
自分で盾を構えて守ってる
出来ることなら
世界的な天才になったりとか
国民的アイドルみたいに
みんなに愛されたりとかしてみたい
そんなことは出来ないってわかってるけど
でもそばに居てくれる貴方に
「ありがとう」を伝えたい。
どんなときもそばに居てくれてありがとう。
優しくしてくれて
笑わせてくれて
笑ってくれて
本当にありがとう
この溢れる気持ちを聞いてくれてありがとう
これだけは伝えたい。
どんなにつまんなく感じても
貴方を飽きた訳じゃないから
あなたと過ごす日々は最っ高に幸せだよ!!
─────『溢れる気持ち』
私が眠る前にそっとKissして
私とあなただけの夢を見たいの
頭の中あなたでいっぱいになったら
そんな夢なんてすぐに見られるはずでしょ?
─────『Kiss』
町の外れに森の入り口がひっそりと立っている。
最初はこの先に何があるのか
知りたくて森に入ってみたの。
森に入ると別世界に行ったような
町とは違う世界が広がっていた。
木々の揺れる音,鳥の声,
さらさらとながれる川のせせらぎ
町で感じることも出来ない世界がここにあった
少し開けたところに来た。
そこには見上げるほどの
大きな大木が静かにでも存在感をはなって立っていた。
1000年はたっているだろう
1000年もこの町を見守る大木は
私が大人になっても倒れずにいてくれるだろうか?
これから先
1000年先も
私を暖かく優しく
見守っててください。
大木さん。
─────『1000年先も』
いつも彼女は花を見ていた。
僕が話しかけても変わらずに花を見ていた。
彼女の花を見る時の目が
キラキラしているのを見るのが好きだった。
「ねぇこの花なんて名前なの?」
そう聞くと必ず答えてくれる。
「じゃあ花言葉も知ってたりする?」
「うん」
僕はなぜ彼女に話しかけたのか。
僕にも分からないが
彼女が花に向ける顔が
僕に向いて欲しいそう思ったのかもしれない。
彼女と話すようになってから
僕も同じ話をするためにお花のことを沢山勉強した。
お花の名前も花言葉も最初の頃よりも
沢山しれた気がした。
彼女と僕が卒業する日
彼女は変わらず花壇を眺めていた。
僕も何も言わずに彼女の隣にしゃがんだ。
「...式が終わったらここに来て」
彼女は俺にしか聞こえない声で言ってから
立ち上がって教室に戻って言った。
「みんなここまでよく頑張った。
それぞれ進む道は違うけど自分の気持ちを...」
泣きながら話す先生にみんなもらい泣きしながら
僕たちはこの学校を卒業した。
花壇に向かうともう彼女はいた。
「はい」
そう言って差し出された手には小さな花束があった。
「私の事忘れてもいいから」
受け取ってお花を見ると
綺麗な青色と白の勿忘草だった。
確か花言葉は
青色が「真実の愛」「誠の愛」。
白色が「私を忘れないで」。
「忘れていいって言ってたけど
白色が私を忘れないでって意味なのも
青色が真実の愛ってことも知ってるよ。」
「僕もなにか準備しとけばよかった。
僕のことも忘れないで,僕は君が好きだよ」
彼女の顔を見ると赤く染まっていた。
「私も......好きです。」
今日,僕と彼女は学校を卒業と同時に
友達という関係も卒業しました。
─────『勿忘草』