私はブランコ競走が好きだった。
誰よりも高く漕いで風を感じるの。
少し高くなりすぎて怖くなったこともあったけど
それも含め私には楽しいとっても大好きな遊具だった。
でもみんなは鬼ごっこばっかりやろうとする。
私は足が遅いから鬼ごっこは嫌いだった。
だって捕まえられなきゃつまらないし
必死に頑張っても捕まえられなかったし
バリアとか使ってくるんだもん。
でも彼は私の扱いをこの頃から分かってたみたい。
「終わったら一緒にブランコ乗ろうね」
「うん!」
「俺タッチしていいよ。」
「いいの?」
「うん。いいよ。」
そう言う彼にタッチした。
「頑張って」
彼は笑って走っていった。
彼は足が早いからあっという間に
誰かにタッチして戻ってきた。
「じゃあブランコ乗ろ?」
彼はそう言って私の手を引いた。
好きな人が私の手を触れるなんて
恥ずかしくなって顔は赤かったと思う。
あのころの彼は私の夫となって
私のそばに居てくれる
“ブランコ”
それは私の人生の大きな1ピースになっている
─────『ブランコ』
帰路の果てに私たちが目にするものは
なんだろう?
あたたかい光?
冷たくて真っ暗な闇?
“果て”を経験していないから
まだ分からない。
もしわかる時が来たら
その時はあたたかい光が
私たちを待っていたらいいなぁ
─────『帰路の果てに』
「おはよう今日も寒いね」
「............」
いつも通り返事のない君。
僕はあの日を忘れない。
君は飲酒運転をした人にひき逃げされたんだ
僕を庇って。
そして君は意識不明の重体となった。
あの日から君は1度も目を覚まさない。
僕はできるだけ毎日彼女の居る病院に足を運んだ。
これは僕を庇ってくれたからじゃなくて
僕が君を好きだから。
病室には僕と彼女と機械だけ
機械音だけが静かに規則正しいく鳴っている。
「ねぇ,早く起きてよ。」
この声も機械音に消されてしまう
君が起きたらまずありがとうを伝える
君が起きたら好きと伝えたい
君が起きたら言葉にできないほど
大きな愛を君に届けたい
君が起きたらごめんねも伝えたい
君が起きたらおかえりも伝えたい
君が起きたら次は俺が守ると伝えたい
あなたに伝えたいこと,届けたいこと沢山あるよ
目を覚まして
僕はいつまでも待つから
─────『あなたに届けたい』
この感情が何か知ったのは
あなたがいなくなってからでした。
ずっと隣にいると思ってて油断して居たんだ。
俺を見上げる彼女はもう居ない。
「大きくなったら結婚しようね」
こんな会話をした時から俺は好きだったんだ。
俺は彼女と同じ道を同じペースで歩いてると思ったら
彼女は随分前に居た。
I Love...
君に伝えられなくなったこの言葉
I think of you in my heart
俺は心の中で君を想うよ
─────『I Love...』
まだ街へ行かないで
私もあなたも
まだ君だけを見ていたいの。
街に出たら
私とあなたは一緒にいられないの?
あなたは大丈夫って言うけど
私はどこにも言って欲しくないよ。
出来ればずっとここに居よう
少なくとも半日
いや5分とかでもいいから
まだあなただけを見て居たい
街へ行って離れても
きっとあなたを探してしまうから
私がすきになる人はあなたしかいないから
私があなたを探しても怒ったりしないでね。
行ってらっしゃい
気をつけて
─────『街へ』