これが君の言う、「愛」というものならば。
今日も僕は君に殴られるんだ。
泣いても、怒ってもいない、原因があった訳でもない、無表情の君に殴られ続ける。
こんなのは痛くも痒くも無いんだよね。
君は初めて僕に「愛」という存在を教えてくれた、唯一の大切な人だから。
君は僕のことを殴ったあとに、頭を優しく、温かい手で撫でてくれるんだ。
それもまた、「愛」というのは僕知ってるんだよ。
だから今日も君に殴られてあげるんだ。
「何で泣いているの?これが、愛という形なんでしょう?だからさ、手を止めないでよ。」
世界の終わりに君とまた
【タッ タッ タッ】
誰もいない廊下に静かに階段を下りる音がする。
放課後、昼間とは逆に明るさも、賑やかさも何も無い静かな空間。
「忘れ物?」
たまたま廊下で出くわした昼間に会った君。
昼間の時に会った時もヘラヘラとしていた君は今も、私と話す時にヘラヘラとしている。
「ううん、委員会。」
私が重い口を開けてそう言うと、君は
「そっかそっか笑」と無邪気な顔をしてそう言った。
「………一緒に、帰る?」
私はふと思いついた提案を君に言ってみた。
「えっ…………、う、うん!!一緒に帰ろ!!」
君は少しだけ戸惑いを見せながらも、私の提案に賛成をした。
今日はこの世界が終わると言われている日。
「世界の終わりの日に君とまた会えて良かった。」
君は静けさが残る、下駄箱で私にそう言った。
いい夢を見たかった。
寝る前に甘い恋愛ドラマを観るのが好きだった。
それで溶かされて、眠る。
いい夢を見たかったんだ。
朝っていうのを感じたくなかった。
ずっと、ずーっといい夢を見たまま眠り続けていたかったんだ。
正反対な性格の君。
「あ、真面目ちゃんが珍しく疲れてますねぇ。」
「珍しく寝てて何が悪い。」
放課後、今日は特に残っても何も言われない日だった。
私は思わず、自分の席に座り、グダーっと体勢を低くしてしまった。
少し時間が経つと、クラス1の問題児が何故か教室に入ってきた。
「ふっ(笑)俺、真面目ちゃんと話したかったんだよね。でも話すタイミングが無かったからさ。」
「………何が言いたいの?」
問題児はいつもの破天荒な性格とはまるで正反対で、何だか落ち着いている感じで話しかけてきた。
「と!に!か!く!俺は真面目ちゃんと仲良くなりたかったの!」
「ふーん………。そっか。普通に話しかけてくれたら良かったのに。」
確かに学級委員と問題児では関わる回数はそんなに無いけど、それでも話しかける時はある。
意外と人見知りだったりするのか…?
そうすると、問題児は私の目を見て、こう言った。
「ほら、俺だけかもしれないけど、
"好きな子には簡単に話しかけられないじゃん?"」
半袖
「ううううう…………寒〜。」
何か最近になって段々と寒くなってきてる気がする。
歳のせいかなぁ……。
会社に向かう時に、小学生の男の子がランドセルを背負って、走りながら学校に向かってるのを見た。
「ウェ~イ!!次はお前が鬼な!!」
男の子たちは半袖半ズボンで鬼ごっこをしていた。
「やっぱ…、子供って凄えな。」
再度確認させられたような気がした。