世界の終わりに君とまた
【タッ タッ タッ】
誰もいない廊下に静かに階段を下りる音がする。
放課後、昼間とは逆に明るさも、賑やかさも何も無い静かな空間。
「忘れ物?」
たまたま廊下で出くわした昼間に会った君。
昼間の時に会った時もヘラヘラとしていた君は今も、私と話す時にヘラヘラとしている。
「ううん、委員会。」
私が重い口を開けてそう言うと、君は
「そっかそっか笑」と無邪気な顔をしてそう言った。
「………一緒に、帰る?」
私はふと思いついた提案を君に言ってみた。
「えっ…………、う、うん!!一緒に帰ろ!!」
君は少しだけ戸惑いを見せながらも、私の提案に賛成をした。
今日はこの世界が終わると言われている日。
「世界の終わりの日に君とまた会えて良かった。」
君は静けさが残る、下駄箱で私にそう言った。
6/7/2024, 10:22:46 AM