普段温厚な友達が意外と根に持つタイプだった話。
僕の身の回りに、凄い温厚な性格で表裏もない、人間として完璧な友達がいるんです。
誰にも分け隔てなく仲良くなれて、心が凄い綺麗で逆に怖くなるレベル。
僕も結構仲良くて、幼馴染という訳では無いけど、中学の時も同じ学校になれて毎日のように一緒に登校したり、下校したりしてました。
そんなある日。
僕と友達でいつも通り一緒に帰ってた時でした。
僕「映画館行かね?」
友達「うわめっちゃ良いな、それ。」
僕「俺ら以外にも誘ってみる?3人とか4人でも楽しそうじゃね。」
友達「めっちゃあり。誰誘う?」
こういう話の流れになったんです。
その時に僕はとある人の名前を挙げました。
僕はその人と仲が良いんですが、その友達とその人は少し因縁があるというのは知ってました。
それが気付いたのは僕が名前を挙げてからでした。
僕が名前を挙げた時、普段笑顔の友達からは笑顔は消えていて、黙っていました。
僕「〇〇とかどう?」
友達「⋯⋯⋯⋯あぁ、アイツか。お前、絶対にアイツ呼ぶなよ。」
僕「あー⋯そういえばお前ら仲良くないもんな。」
友達「お前アイツと仲良いじゃん。アイツと仲が悪い俺と仲が良いお前が映画館に行ったことを知ったらさ?面白そうじゃね?笑」
元々その人と友達は、仲良かったそうです。
だけど過去に自己中心的な性格なアイツに飽き飽きした友達は自ら離れることを選んだそうです。
まだ仲良かった時にその人から度を越した行動を沢山されていたようです。
まぁ確かにその人って僕に結構執着してくる人で迷惑してる部分はあったんです。
やたら近くに寄ってきて服を引っ張ってきたりだとか⋯⋯⋯⋯
映画館に行ったってことを僕がSNSに発信したら、勿論その人は見てたんで、週明けに色々言われました笑
僕は君の知らない人。
最近遠距離で付き合っていた彼女と別れた。
理由は単なる方向性と価値観の違い。
遠距離恋愛というのは普通の恋愛より難しいとされているのに、俺達は2年も付き合っていたんだ。
だから余計に別れ方とかで未練を持ってしまう。
あんまりこういうのは良くないって言うのは俺自身思い続けてるんだけどな⋯⋯。
それに、アイツ今住んでいる場所から引越しするというのも聞いていたから、期待をしてしまう。
友達「近頃転校生が来るらしいぜ?」
俺「へー」
友達「女子だったら良いんだけどなぁ〜いや男も全然OKだけどな!笑」
正直興味は無い。
自分で言うのもなんだが、俺はモテるらしい。
だけど俺の女性に対する接し方とかでよく女友達とか母親の集まりとかでは「全部が揃っててカッコイイのに勿体無い。」と言われる。
友達「あれ、あの子最近転校してきた子じゃね?」
俺と友達でトイレに行こうとしてたら、廊下でキョロキョロしている見かけない人が居たんだ。
俺「本当だな。暇だし声でも掛けてみるか?」
友達「有り有り!顔も可愛いし、仲良くなればワンチャン付き合えるかも⋯!!!!!」
理想を語っていた友達を放っておいて、俺は話し掛けてみた。
俺「何してるんですか、もしかして迷子??」
転校生の子「あぁ⋯⋯その、私最近来たからつい迷っちゃって⋯良かったら職員室の場所を教えて貰えないですか!」
転校生の子と俺の目があった瞬間に俺は気付く。
この子は俺の元カノだ。
話し方も見た目も仕草も全てが揃っている。
ただ、俺の目の前に居るこの子はきっと俺の事は赤の他人としか見えないのだろう。
そう、俺は心に封じ込め、友達と転校生の子と一緒に職員室へ向かった。
連続殺人犯は愛を知らなかった。
最近世間を騒がせている連続殺人鬼が居た。
殺されている人は様々で、無差別殺人鬼なのでは無いのかとも言われているのだ。
だけどそんな恐怖に怯えている世間は、犯人の跡を付けることに成功し、犯人は捕まったのだ。
警察の俺は犯人の何故殺人をしたのかなどを聞くことになった。
俺「何で連続殺人なんかしたんだ?」
これで正直に話す奴は基本的には居ないけど、やっぱり最初に聞くのはこれ。
目の前に座る殺人犯は意外にも大人しい。
相手が来る覚悟で来たが、案外にも大人しくて俺は変に冷や汗をかく。
連続殺人犯だ、ずっとマトモな事は無いはず…多分。
すると、殺人犯は軽い口で話をし始めたのだ。
殺人犯「好きだったからです。」
俺「好き…だったから?」
殺人犯「はい。」
俺が意外な返答にそう聞くと殺人犯は笑った。
殺人犯「ずっとー…好きでした。彼奴の事。」
俺には一瞬だけ殺人犯の目の中が切なくなったようにも見えた。
俺「好きなのに何で殺しなんかしたんだ?何で他の人を巻き込むような事をしたんだ?」
殺人犯「誰にも取られたくなかった。だけど、彼奴
は俺と付き合ってる時に他の人を好きになったからって別れを告げてきました。
だから俺はそんな目を潰し、一生元に戻らないように石を詰めました。
最後まで彼奴は俺の名前を呼び続けました。
だけど俺は目の見えなくなった彼奴の居る家を放火した。
両親は直ぐに俺が犯人だと察し、家まで来ました。俺に暴行して来た。
だから俺は両親も最後まで愛を持ち、殺害しました。原型が無くなるまでグチャグチャにしました。
そして彼奴と彼奴の両親には何も関係の無い地域の奴等も押しかけてきたから、俺は殺した。」
全ては犯人の中の"純愛"がこの事件を巻き起こしたのだろう。
殺人犯は何時の間にか俺の手を握っていた。
何だか普通の人間の手とは違うように感じる。
様々な業を背負っている殺人犯の手。
俺「!?」
殺人犯「警察さん。俺と約束してください。俺を折角捕まえるのなら最後までしっかり見ていて下さい。目を離した瞬間…どうなるか。」
コイツの目は狂っていた。
俺には頷く以外選択肢など無かったのだ。
片思い
ずっと好きだった。
貴方のその顔、その仕草、言葉、何もかもが私だけの物にしたかった。
貴方の後ろを着けてはいつも茶化されて。
だけど、本人の貴方は全く気付いてはくれなくて。
「"i like you as a friend"」
私「!」
貴方は私を友達としてしか見てはくれない。
あの日は雪が降っていた。
12月31日。
外は雪景色となっていた。
家の中では、暖炉の火がフツフツとなっている音が響き渡っていた。
君と僕。
毎年こんな感じで暇にもなる。
「あれ.........何してたっけ。」
目が覚めると近くには幼馴染が居た。
そう言えば、また何か同じような夢を見た気がする。
何処か分からない家で誰かと2人っきり.........
私は考えることを止めた。
幼馴染「あ、起きた? いきなり体調が悪いって言い出して勉強中に床に寝始めたからビックリした。」
そうだ、今日はテストが近いからって幼馴染の家に押しかけて勉強会をしてたんだ。
「ごめん、最近夜更かしして寝れなくてさ笑」
幼馴染「ふーん.........なら良いけど。てか、何で頭から血流してんの?」
「は.........」
幼馴染の平然とした顔で全く気づかなかったけど、私は頭から血を流していた。
そこまで血は出ていなかったけど、何で幼馴染はこうも冷静なのかが分からない。
幼馴染「ほれ、包帯あるから巻いとけ。」
「怪我してる人に自らやらせるタイプね.........」
とは言っても男の幼馴染の部屋に鏡なんてある訳も無く、結局巻いてもらうことになった。
痛い.........苦しい.........誰か助けて.........
寒い苦しい辛い。
暗い.........冷たい.........
???「可哀想に。こんな雪の日に外に出てたら、凍え死ぬよ。」
見えないけど誰かの顔が見える。
???「.........」
身体が動かない。
せっかく知らない人が声を掛けてくれたのに。
「苦、しい.........」
目が覚めると学校だった。
あれ、学校?
その割には教室が暗すぎる気がする。
ていうか、私雪に埋もれてなかったっけ。
あれもいつも見る夢の続きなのかな。
でも、私立ってる。
立ったまま寝ることは私に出来ないけどなぁ。
裏切られた.........信じてたのに。
ずっと、ずーっと待ってた。
君が僕のことを受け入れてくれるまで.........
信じてたのに!!!!!!!
「!?!?頭が.........割れそう.........痛い.........」
私はその場に膝から崩れ落ちた。
殺してやる.........コロシテやる!!!!!
何回死んでもお前だけは地獄に送ってやる!!!
「やめて.........もうやめて.........」
ある日、少女は自宅で死んでいた。孤独死だった。
旅行に行った両親を何日も待っていた。
小学校低学年の少女にとって、生きていたのも生き地獄と同じだろう。
最愛の両親に裏切られたことを知っていながらも、玄関で待ち続けた少女の気持ち。
それは誰にも計り知れない程の苦痛と、希望。
あぁ、可哀想、可哀想に。
何百年も前、丁度少女が孤独死を遂げた日。
その日も1人の男が裏切られ、一緒に暮らしていた女に身体をバラバラにされ外に出された。
死んでも恨み続けていた男の念が届いたのか、数日後に女も壮絶死をしたのだという。
あぁ、"可哀想に"。