皆頑張って生きてきたんだ。
手を握って笑った君は泣いていた。
「これ…、渡したかったの。」
深夜、君に呼び出されて綺麗な海に来た。
普段はあまり見ることが無い白いワンピースを着て君は黒くて綺麗な髪の毛を風に靡かせていた。
白くて細い手の上に、お守りを乗せて俺に見せた。
俺「お守り…?」
「うん、頑張って作ったんだ。」
俺「そっか…ありがとう。」
君は俺に渡す時に手を握ってくれた。
そして、微笑んだんだ。
「男の人は国のために…行っちゃうんだもんね。」
俺「…」
「私…ずっと待ってる、から。」
君は微笑みながらも、泣いていたんだ。
俺は思わず、君の涙を拭いた。
初めて見た姿だった。
俺「…お前が将来、安全な国で暮らせるよう、俺なりに国に尽くしてくるよ。」
「グスッ……その時は私と結婚してね、グスッ」
「私のこと、嫌いだったかもしれないけど、
グスッ、私は貴方のことが好きだからっ!グスッ」
目の前で泣いてばかりの君は俺の気持ちも知らず自分の思いを話した。
しゃっくりのように肩が上がっていた。
俺はそんな君の涙を優しく拭いた。
「グスッ………」
俺「ほら、笑って。」
別れを想定すると泣くのは当たり前
友達の彼女に負けそうになった話
もう少しで春が来ますね、そんな時にちなんで僕が体験した話をします。
春頃にクラス替えもあってか、僕は仲の良い友達と離れてしまったんです。
それでもまあ普通にクラスには馴染めていたんですが、その時の僕の席の隣が女の子だったんです。
出席番号順で、それにあんまり話したことのなかった人だったので新鮮さがありました。
見た目は大人しそうだけど、話してみたら意外と騒がしいタイプでギャップが凄かったです。
(その子をAちゃんとします。)
そんな時に、とある噂が僕の耳に入りました。
僕のAちゃんがレズビアンで、彼女が居る、とのこと。
とある日に事件は起こりました。
僕が部活終わって、学校から出ようとしてた時です。
Aちゃんが少し泣きべそをかいて、走って階段から降りてきていたんです。
昇降口とAちゃんが降りてきた階段は直ぐ近くだったので、僕は直ぐに見つかりました。
何故泣いているのか聞いたところ、
「彼女と喧嘩をした。」
と一言だけ、そう言ってその場で泣き崩れました。
端から見たら普通に僕が泣かせた感じになってたんでしょう、通りすがりの生徒に笑われました。
取り敢えずその時の僕は目の前で泣くAちゃんをどうにか泣き止ませることしか頭に無かったので、
Aちゃんが好きなスタバに一緒に行くことにしました。
完全にその場の流れでスタバに行く感じがあったのですが、そこでとある人物が。
Aちゃんの彼女「あ、この人だ。この人が私たちを邪魔したんだよ?」
Aちゃんの彼女が登場!!そして僕を指差しながらそう言っていました。
そして、Aちゃんの彼女は俺の手首をガシッと掴みました。
見た目は凄い華奢で、僕より身長も低かったのですが、掴んだ時の力は物凄かったです。
僕は男で相手は女の子、まあ勿論僕が何かをすることなんか出来るはずもなく。
Aちゃんが僕のことを庇ってくれたのですが、その時もAちゃんの彼女は「この男に脅されてるんでしょ?」と言い続けていました。
その後はAちゃんが何とかその彼女を取り押さえて、一緒に帰っていました。
普段温厚な友達が意外と根に持つタイプだった話。
僕の身の回りに、凄い温厚な性格で表裏もない、人間として完璧な友達がいるんです。
誰にも分け隔てなく仲良くなれて、心が凄い綺麗で逆に怖くなるレベル。
僕も結構仲良くて、幼馴染という訳では無いけど、中学の時も同じ学校になれて毎日のように一緒に登校したり、下校したりしてました。
そんなある日。
僕と友達でいつも通り一緒に帰ってた時でした。
僕「映画館行かね?」
友達「うわめっちゃ良いな、それ。」
僕「俺ら以外にも誘ってみる?3人とか4人でも楽しそうじゃね。」
友達「めっちゃあり。誰誘う?」
こういう話の流れになったんです。
その時に僕はとある人の名前を挙げました。
僕はその人と仲が良いんですが、その友達とその人は少し因縁があるというのは知ってました。
それが気付いたのは僕が名前を挙げてからでした。
僕が名前を挙げた時、普段笑顔の友達からは笑顔は消えていて、黙っていました。
僕「〇〇とかどう?」
友達「⋯⋯⋯⋯あぁ、アイツか。お前、絶対にアイツ呼ぶなよ。」
僕「あー⋯そういえばお前ら仲良くないもんな。」
友達「お前アイツと仲良いじゃん。アイツと仲が悪い俺と仲が良いお前が映画館に行ったことを知ったらさ?面白そうじゃね?笑」
元々その人と友達は、仲良かったそうです。
だけど過去に自己中心的な性格なアイツに飽き飽きした友達は自ら離れることを選んだそうです。
まだ仲良かった時にその人から度を越した行動を沢山されていたようです。
まぁ確かにその人って僕に結構執着してくる人で迷惑してる部分はあったんです。
やたら近くに寄ってきて服を引っ張ってきたりだとか⋯⋯⋯⋯
映画館に行ったってことを僕がSNSに発信したら、勿論その人は見てたんで、週明けに色々言われました笑