依存
君なら僕のことは何だって分かってくれてる。
皆は気持ち悪がるけど、君は、ちゃんと僕の話を最後まで聞いてくれる。
何をしたって僕は君のことを愛してる。
君だって、僕以外なんて要らないはずだよね。
「…」
だから君はいつだって可愛いし、愛くるしい。
今日も僕は君と話すんだ。
話しても、聞いてるだけで話してはくれないけど、ずっと僕の話を聞いてくれる。
何か聞いても、何も言ってくれないのは、酷いって思っちゃうけど、それは君が一生懸命考えてくれてるって僕は思ってるよ。
でもさ、だけどさ…
「最近なんか、やけに"冷たいよね"。」
全て好奇心
「将来どうするん?笑」
「さあ?どうするんやろな。」
小学生の頃から好奇心で動いていた俺等だから、将来について全く何もしていなかった。
普通の人だったら、もう少しで就職という時期なのに勉強も何もしていないから、普通に仕事に就けれる訳もない。
「煙草一本くれよ。最近金欠やからさ笑」
「また?ホンマに変わらへんなあ…笑別にええけどさ。」
勿論金もない。
友達のコイツはまだ親のスネをかじっていられるけど、俺はもう親に見捨てられてしまった。
「お前の事を信じていたのに…本当に見損なったよ。後は自分一人で生きていくんだな。」
別に誰も俺の事を信じろだなんて一言も言っていないのに、勝手に裏切られて、勝手に見損られた。
まあ別に俺は夢とかも無いから、将来に期待なんてしてなかった。
「どーするよ、この先。」
深夜の2時ぐらいに子供のときから来ていた公園のブランコに座って、これからの事を話していく。
「……好奇心で一回死んでみるか?笑天国とか地獄とか、噂より見てみたくね?笑」
「ははっ、お前らしいわ。その好奇心、買ったぜ?後々やっぱりっていう言葉は無しだからな?」
「ああ。」
俺等に子供の頃に輝いていた大人の姿は、このようになってしまったのか。
本当に悲しいな。
(数日後)
「最近さ、インステで生配信で自殺配信して亡くなった人が居たんだって!」
「見た見た!!高層ビルから飛び降りだっけ…?遺書が後々見つかったとき、私めっちゃ泣いちゃったよ!!」
[俺の人生は全て好奇心で作られた。
中身は他の奴等より、沢山の事が詰まっている。
子供の頃に輝いていた大人の姿は、何て残酷な姿になって終わってしまったのだろうか。
生きているときは何にも上手くいなかったし、苦しかった。
俺の死はただの好奇心。]
絶対に報われない恋心。
男同士だからだろう。
絶対に報われない恋を俺はしてしまっている。
幼馴染だった彼奴に、友達とは見れなくて、恋愛として、好きになってしまったんだ。
今日も放課後に、彼奴と教室に残って、他愛も無い話に花を咲かせるのだ。
「前にさ〜、文化祭の準備で〇〇が〇〇に〇〇してさ〜。彼奴さ~…」
俺のわからない話をよくしてくるが、彼奴が楽しそうに話していると、伝わらなくても楽しくなってくる。
この時間がずっと続けばいいのにって、何回も考えている。
昼間の時間は、胸が苦しくなってくるのだ。
彼奴が他の女の子とかと楽しそうに話している所を見ると、何も言えない気持ちになる。
「……お前はこの小説の話を知っているか?」
1つ目の話が終わって、彼奴はまた新しい話を続ける。
何を話すのかと思えば、何だかいつもと違うような雰囲気で話す彼奴。
「とある小説の話でな、主人公と結ばれるはずの女の子が、結ばれないときに
カーテンに包まって、主人公にこう言うんだよ。」
彼奴は椅子から立ち上がって、カーテンに包まり、俺にこう言ったんだ。
「花嫁に見える?」
知られる前に消えてれば良かった。
「お前だけが光だったのに…残念だよ。」
勝手に期待されて、好き勝手に損をされた。
私だって、昔から分かっていた。
この人達に期待しない方が良いって。
誰かに期待するのも昔から避けていたけど、
こうやって言葉を包みもせず言われるのは辛いね。
「こんな事を言われるんだったら最初から消えとけば良かった。」
私はいつも人前では泣かないけど、感情が無いわけでは無い。
怒らないわけではない。
でも彼奴等は調子に乗って、私にそう言ってくる。
家族だから、家族だからこそ、自分自身を出せれる機会だと思ってたのに。
私こそ、彼奴等に言ってやりたいよ。
「アンタ達だけが光だったよ。」
お手紙。
「これ…私の?」
とある日に、自らを手紙屋と名乗る青年が来た。
わざわざこんな田舎まで来てくれたのか。
「はい。こちらになります。」
肩掛けバック?のような物を下げている。
多分その中にまだ届けられていない手紙が沢山入っているのだろう。
そして、その青年の足元には黒い猫さんが居た。
赤い目が私を見つめている。
私は2人にお礼を言うことにした。
もしかしたら、わざわざこんな田舎まで来てくれた可能性があったからた。
「ありがとう、猫さん。そして、手紙屋さん。わざわざ遠くからこんな田舎まで来てくれたんですか?」
私の問いに、青年は答える。
「そこまで遠くではございません。」
私が足元に居た猫さんを抱き上げ、撫でると猫さんは喉を鳴らした。
凄く人懐っこい猫さんだった。
「少し待っててください。」
私は、近所のお婆さんから貰ったお菓子を、手紙屋さんにおすそ分けすることにした。
直で渡すのは、何だか気が引けた為、小さな包みのようなものに入れた。
「良かったら食べてみてください。美味しいですよ。」
「ありがとうございます。」
青年は私に微笑んだ。
「では、これで。失礼致しました。」
青年は私にそう言うと、さっきまで私の近くに居た猫さんは青年に着いていったのだ。
(数時間後)
「今日、手紙屋と名乗る青年が来たんだよね。」
「手紙屋…?」
「そう。多分、配達員みたいな感じだね。」
「手紙屋は何十年も前に、無くなったはずだよ?」