お手紙。
「これ…私の?」
とある日に、自らを手紙屋と名乗る青年が来た。
わざわざこんな田舎まで来てくれたのか。
「はい。こちらになります。」
肩掛けバック?のような物を下げている。
多分その中にまだ届けられていない手紙が沢山入っているのだろう。
そして、その青年の足元には黒い猫さんが居た。
赤い目が私を見つめている。
私は2人にお礼を言うことにした。
もしかしたら、わざわざこんな田舎まで来てくれた可能性があったからた。
「ありがとう、猫さん。そして、手紙屋さん。わざわざ遠くからこんな田舎まで来てくれたんですか?」
私の問いに、青年は答える。
「そこまで遠くではございません。」
私が足元に居た猫さんを抱き上げ、撫でると猫さんは喉を鳴らした。
凄く人懐っこい猫さんだった。
「少し待っててください。」
私は、近所のお婆さんから貰ったお菓子を、手紙屋さんにおすそ分けすることにした。
直で渡すのは、何だか気が引けた為、小さな包みのようなものに入れた。
「良かったら食べてみてください。美味しいですよ。」
「ありがとうございます。」
青年は私に微笑んだ。
「では、これで。失礼致しました。」
青年は私にそう言うと、さっきまで私の近くに居た猫さんは青年に着いていったのだ。
(数時間後)
「今日、手紙屋と名乗る青年が来たんだよね。」
「手紙屋…?」
「そう。多分、配達員みたいな感じだね。」
「手紙屋は何十年も前に、無くなったはずだよ?」
1/1/2024, 11:19:57 AM