孤都

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1/25/2025, 1:48:48 PM



      #終わらない物語


   家にいることが辛い。

   家族といることが辛い。

   どれだけ憎もうと考えても、嫌な面だけじゃない
  から憎めない。

   ただ、行く宛てのない黒くて重い感情が底がない
  水たまりのようなところに溜まっていく。

   死にたいと思っても、友達と離れることには未練が
  ある。

   昔から人には恵まれているから、それが支えになって
  いた部分もあったと思う。

   でも、それが足枷になって感情を吹っ切ることが
  できなかったのかな。

   生きたくないけど、生きたいと思ってしまう。

   それも辛い。

   信頼していた、心を許していた親友に裏切られた
  ときの傷は自分が思っているよりも、もっと深くて、
  酷く傷ついて、切替えようと必死なのに、
  なんで、その傷をえぐるのかな。

   なんで、なんで、そんなに笑い話にしてくるのかな。

   僕は、認めて欲しいの?

   それとも、家族と離れたいの?
  
   結論が出せないまま、1日1日を過ごすのがどれだけ
  苦痛なのか。

   幸いにも学校は嫌いじゃないし、受け止めてくれる
  友達もいる。

   でも、普通を装って、何も無いように演じるのも
  疲れたな。

   勝手に自分で演じてるだけなのにね。

   誰かに話したい、聞いてもらいたい。

   共感してもらえなくてもいいから。

   でも、話す勇気がない。

   だって、話してしまったら、その人に背負わせて
  しまうかもしれないから。

   そんなこと、させたくない。
 
   何が正解で、何が不正解なの?


   辛い、苦しい。

   そんな気持ちを抱えながら、
  今日も嫌いな世界でもがき続けてる。

   死ぬのがダメなら、この苦しいっていう気持ちは
  どこにいけばいいのかな。

   我慢しないで、頑張らなくていいよって言われても、
  結局そうさせてるのは貴方達でしょ?

   僕が言っていることは生きたいと思っている人に
  とって失礼なことなのかな、

   だとしたら、ごめんなさい。

   苦しんでて、ごめんなさい。

   生きたくないって考えてごめんなさい。

1/17/2025, 11:37:04 PM

      #風のいたずら

     ひらり、

     1枚の布がめくられる

     あせり、

     少女は顔を赤色に色づける

     ぱちり、

     別の少女はめくられた布の下を見る

     

     ふわり、

     淡色のハンカチが空を舞う

     あせり、

     青年はハンカチを追いかける

     はらり、

     ハンカチは散っていく花びらのように落ちた

     どきり、

     ハンカチを取ろうとした青年二人の手が重なる

     

     ひらり、はらり――

     ふわり、あせり――

     ぱちり、どきり――


     風のいたずらはときに、

     新しい恋を紡ぐ――


     風のいたずらから始まる、

     恋の一ページ――


     風のいたずらから始まる、

     青春の一ページ――


    ふわり――今日もまた、

    風がそっとあなたの背中を押す



1/16/2025, 11:44:25 AM

     #透明な涙


   君は、僕に涙を見せることが一度もなかった。

   なぜかと、尋ねたら君は笑って答えた。

  「時間は有限と言うように、お前と一緒に過ごせる
  時間も、限られてるんだ。だから、泣く暇があるなら
  笑って過ごしていたいんだよ」

   僕はその言葉に涙した。

   なんで僕が泣いてるんだって、君は慌ててたよね。

   でもさ、泣かずにはいられないよ。

   嬉しくて、切なくて、幸せな気持ちが溢れてしまう
  から。


   それでも、君の涙を見てみたかった。

   強がらなくてもいいから、弱いところをさらけ出せる
  関係でいたいから。

   たとえ、その涙が悲しいものでなくてもいいんだ。

   嬉し涙でも、幸せ涙でも、感動したからでも、
  涙を見せるということは、相手に心を許していること
  同じだから。


   僕は君に心を許してほしかったのかな……。

   そんな風にふと、考えることがよくあった。


   こんなに早くに君の涙が見れる日が来るなんて、
  思ってもいなかったけれど。


   ごめんね、ごめん。

   こんなことになってまで、君に涙を流してほしかった
  わけじゃないよ。


   ごめん、ごめん。

   僕は、涙を流しながら僕の手を握る、君を隣に、
  生死を彷徨う――。


   こんな時に、こんなことを考えるのは
  良くないのだろうけど――


   あぁ、やっぱり、君の涙は透明で綺麗なんだね。

1/15/2025, 1:04:52 PM



     #あなたのもとへ



     この世界で一番、

     愛おしく想う

     あなたへ

     何度、言葉を紡いでも

     足りないけれど

     伝えたいことは変わらない

     
     言葉を紡いでも

     紡ぎ足りない

     この想いを

     天国にいるあなたのもとへ

     

     貴方への想いに気づくことが

     こんなにも遅くなってしまったことを

     悔しくおもう――

1/12/2025, 1:48:13 PM

     #あの夢の続きを


    一度、瞼を上げれば――

   穏やかに笑っている家族が居て、

   何気ない会話を繰り返し、

   ゆっくりと時間が過ぎていく。



    二度、瞼を上げれば――

   暗く、淀んだ世界が広がっていて、

   孤独の影を落として座る、

   一人の青年が鏡に姿を映す。

   
    三度、瞼を上げれば――
 
   明るく、綺麗な銀世界の雲上から

   その青年を心配そうに見つめる、

   穏やかに笑っていた家族たち。



    あるとき、笑顔で穏やかな家族は

   神様の悪戯によって、バラバラに引き裂かれ、

   青年は、孤独の影を落とす。


    その青年の姿を銀世界の雲上から見つめる、

   神に引き裂かれた青年の家族たち。



    青年は毎晩、

   家族との幸せな思い出の夢を見ては、

   魘されている。



    青年は毎日夢を見ては神に乞う。


    あの夢の続きを見せてくれ――と。

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