# 星
上京して一ヶ月。
慣れない人混みや音、声、香り。
就いた仕事は楽しい。
けど、どうにも人混みに慣れない。
息が詰まってしまう。
そんなとき、いつも助言をくれる親友がいる。
彼は言った。
『空を見上げてみて』
僕は空を見上げる。
瞳を開くと、そこには深く儚い藍色を背景に
無数の星々が輝く姿があった。
僕はそれに心奪われていると、
君は続けた。
『俺と君が見ている空は同じ空だ』
『君はひとりじゃない』
『不安になったり、息が詰まれば空を見上げろ』
『見ているのは俺と同じ空だから』
『無数に輝く星たちのように、俺も君も
他の星とは違って当然なんだ 』
『個性で溢れているから、個々の意思を尊重しよう
と考えるから、少し息が詰まるだけだ』
『誰も君を置いていかないし、苦しめない』
『何かあったら空を見上げろ』
その親友の言葉が僕の胸に刺さった。
そうか、僕が見ている空は君と同じもので
決して一人なんかじゃないんだ。
僕はもう一度、空を見上げて、
明日への一歩を踏み出した。
#ひそかな想い
She sits on the window.
She looks lonely.
You run she place.
You didn't wait me.
I was just watching.
The moment you hugged her.
My heart was hurting.
I wanted to cry from the bottom of my heart.
Your love has come true,
but my love has disappear.
彼女は窓の上に座っていた。
彼女は寂しそうに見える。
貴方は走って彼女のところへ行った。
私を置いて。
私はただ見ていた。
あなたが、彼女を抱きしめた瞬間を。
心が痛かった。
心の底から泣きたかった。
あなたの恋は実ったけれど、
私の恋は消えてしまったの。
失恋って、辛い…
# 輝き
君の目が、いつにも増して輝いてみえたとき、
君は恋に落ちていた。
その相手は、僕ではない。
悔しいけれど、親友として彼女の恋を
見守ろうと思った。
君が恋に落ちていることを知ったとき、
胸が苦しくて、次第に涙が溢れ出した。
僕はきづく。
ああ、僕は君に恋をしていた、
その恋も、今、この瞬間に失ったんだ、と。
とにかく、苦しくて、辛い。
でも、君にこんな思いをして欲しくないから、
全力で応援したい。
それなのに、君はいつのまにか、その目の
輝きを失っていた。
黒く、光を映さない淀んだ色をした君の瞳は
君の心情や感情を表しているようだった。
ときを経て、君の瞳に輝きが戻ったのは、
今日、この日だ。
今、僕は君にプロポーズをしている。
君の瞳に影を落とさせないと誓う。
いつだって、君の瞳の輝きを絶やさせないと誓う。
ずっと好きだった。
これからの人生、僕と過ごしてみない?
#小さな勇気
今となっては小さな勇気だけれど、
あの頃の小さな俺には大きかった勇気。
5歳の時、大量の借金を残して紛失した父親に
代わって母親がコツコツ身を削りながら、借金返済を
始めた。
6歳の時、頑張ってくれていたその母親が、
過労と精神崩壊で入院をした。
7歳の時、俺1人しかいなボロアパートに、
黒スーツのイカつい男たちが、若くて美形な男を
筆頭にやってきて、金目のものを探して家中を荒らす。
まだ幼かった俺には何が起きているのかも
分からなくて、ただただ恐怖だった。
そんな俺に優しく手を差し伸べてくれたのが、
黒スーツの男たちを率いていた笑顔が爽やかな男で
そっと俺に問いかけた。
幼い俺にもわかるように……。
「僕たちと一緒に暮らさない?」
怖かった。怖かったはずなのに、不思議と、
俺と母さんを守ってくれるような気がした。
今、手を取れば、母さんは助かるかもしれない。
でも、俺自身はどうなるか分からない。
臓器を売り飛ばされるかもしれないし、
良くないお店に入れられるかもしれない。
それでも、母さんを救いたいという思いが1番だと
自覚し、覚悟を決めて、持ちうる全ての勇気を振り
絞った。
そして、俺は、その手をとった。
数年経った今、俺と母さんは爽やかな男と
黒スーツのイカつい男たちと一緒に、幸せな生活を
送っている。
後に爽やかな男は母方の従兄弟だと知った。
あの男の家は由緒正しきヤクザの家らしく?
俺と母さんを探して、遠路はるばる、救いに来て
くれたという。
紛失した父親も探して縛り上げてくれた。
あの時に大きな勇気を振り絞れたことを
誇りに思う。
大きな勇気は今では小さな勇気に変わったけれど、
結果、母さんを救うことができて良かったとおもう。
#終わらない物語
家にいることが辛い。
家族といることが辛い。
どれだけ憎もうと考えても、嫌な面だけじゃない
から憎めない。
ただ、行く宛てのない黒くて重い感情が底がない
水たまりのようなところに溜まっていく。
死にたいと思っても、友達と離れることには未練が
ある。
昔から人には恵まれているから、それが支えになって
いた部分もあったと思う。
でも、それが足枷になって感情を吹っ切ることが
できなかったのかな。
生きたくないけど、生きたいと思ってしまう。
それも辛い。
信頼していた、心を許していた親友に裏切られた
ときの傷は自分が思っているよりも、もっと深くて、
酷く傷ついて、切替えようと必死なのに、
なんで、その傷をえぐるのかな。
なんで、なんで、そんなに笑い話にしてくるのかな。
僕は、認めて欲しいの?
それとも、家族と離れたいの?
結論が出せないまま、1日1日を過ごすのがどれだけ
苦痛なのか。
幸いにも学校は嫌いじゃないし、受け止めてくれる
友達もいる。
でも、普通を装って、何も無いように演じるのも
疲れたな。
勝手に自分で演じてるだけなのにね。
誰かに話したい、聞いてもらいたい。
共感してもらえなくてもいいから。
でも、話す勇気がない。
だって、話してしまったら、その人に背負わせて
しまうかもしれないから。
そんなこと、させたくない。
何が正解で、何が不正解なの?
辛い、苦しい。
そんな気持ちを抱えながら、
今日も嫌いな世界でもがき続けてる。
死ぬのがダメなら、この苦しいっていう気持ちは
どこにいけばいいのかな。
我慢しないで、頑張らなくていいよって言われても、
結局そうさせてるのは貴方達でしょ?
僕が言っていることは生きたいと思っている人に
とって失礼なことなのかな、
だとしたら、ごめんなさい。
苦しんでて、ごめんなさい。
生きたくないって考えてごめんなさい。