ゼロ

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1/17/2026, 1:24:59 PM

外に出ると冷たい風にお出迎えされ一気に体が冷える
まだ10月だと思ったがもう10月だった 
歩いて行くとコートを着る人もいれば手袋やマフラーで防寒する人ばかりだ
春夏秋冬の中で好きな季節を聞かれたら、その時の季節で答えが変わってしまうくらいにはどれも好きでどれも嫌いだった
しかし最近は秋や冬が好きな気がする 寒くて動くのが億劫にはなるが布団やこたつに入った時のあの暖かさが幸せだからな気がする。

…寒い。
さっきの幸せは外に出てない冬であって外の冬は寒いし辛い。こんな時期に呑気に散歩なんてするもんじゃなかったかもと少し後悔する
しばらく歩いて行くと芝生広場があった 普段は通り過ぎるが何となく目が惹かれ入ってみた こんなに寒い時期にここに来る人はいないらしい ひとり、広々とした芝生の上を歩く
芝生の色、落ちている枯れ葉、ほとんどの葉が落ちた沢山の木。
これら全てが秋の終わりと冬の始まりを告げている。
また冷たい風が横切る 木にいた枯れ葉は冷たい風について行くように旅に出て、芝生や落ちている枯れ葉は応援するように微かな音をたてる
心地いいがやはり寒い。
こんなに寒く体が冷えれば暖かい部屋はきっといつもより幸せに感じられる また答えは変わってしまうかもしれないがそれでも今はこの時間が好きだ
冷たい風と背中を押されながら枯れ葉と共に帰路に着いた

木枯らし

10/11/2025, 1:16:55 PM

旅に出た
特に理由は無かったけどまぁ強いて言うなら刺激が欲しかったのかも知れない
数日前まではただの休日の予定だった今日はいつのまにかSNSで偶然見たオススメ観光スポットに行く日になっていた
朝早く起きすぐに向かった
天気も良く暑すぎず寒すぎない
今日はすごく幸せな日だと思う
その幸運ゆえに物事がスムーズに進み思ったよりも早い時間に全てやりたいことを終えてしまった
せっかくだ
迷子になる覚悟でいつも頼りにならない自分の勘に任せて知らない駅を降りてみた
そこは都会とも田舎とも言えないような場所
建物もあるが緑も多い
何も知らない場所で考えてみたって仕方がない
とにかく目に見えた方に歩いてみる
分かれ道が多くなってきた
人も多くなっている気がする
どうやら都会寄りに来たみたいだ
普段静かな場所を好む性格の自分にとって少し新鮮な気がする
少し大きめの交差点
赤から青に変わる
前からも横からも人が一斉に歩き始める
競争しているかのように急ぐ人
青色の信号に気が付かない人
見たことのない系統の服
嗅いだことのない香水の香り
沢山の話の声
交わるみちの中
やはり自分には静かな場所が合っているらしい
だからこうして気ままに歩くくらいが楽しく幸せだと感じる

未知の交差点

9/7/2025, 3:28:43 PM

強くもなく弱くもない
一定の強さを保って長い間降っている雨
傘をさして周りを見る
傘を忘れたのか鞄を頭の上に持って走る人
レインコートを着て長靴を履いて恐れを知らず水溜りで遊ぶ子供
雨の日にしか見れない光景が好きだった
雨の日は昔のことを思い出す
十数年前。まだ子供の時。
とある人に会った
雨が降り出してしまい公園で遊んでいた私は急いで家に帰る途中だった
道端に男が座り込んでいた 今考えれば怖すぎるし無視するべきだ ただその時は幼く、興味だけで話しかけた 数回話しかけたが俯き何も喋らずただ雨にうたれていた 流石に反応が無さすぎて興味より不安や怖さが出てくる その気持ちに比例して次第に声が大きくなった
無視できなくなったんだろう
顔を上げて鬱陶しそうに私を見る
「おじさん何してるの〜?風邪ひいちゃうよ?」
「…君こそ風邪ひくぞ早くお家に帰りな」
「おじさんは?帰らないの?」
また黙り込んでしまった。
雨も強くなり門限も近づいている
家はそこまで遠くない 私はおじさんに傘を無理やり渡して走った おじさんはびっくりしたのか何か言っていたが雨の音と遠さにかき消された

数日たった日同じ道を通ると「ありがとう」と書かれた紙と渡した傘がおじさんのいた場所にあった
それが最後かと思った だが1ヶ月に1度のペースで道に座り込んでいる それも決まって雨の日だ そんなのがずっと続いた 終いには連絡先すら交換したくらいだ そのくらい仲が良くなった 

今日は雨が降っている
でも今日はあの道を通る必要はない なぜなら今日はカフェに行く約束をしているから 
「遅いよ!おじさん!」
「少し遅れただけだろ〜?許してくれ」
「まぁいいけどさ〜…ずっと聞きたかったんだけど何でおじさんと会う時、毎回雨の日なの?」
「さあな俺も疑問には思ってるさ」
「でも雨が降ると君に会えるから俺は好きだ」

雨と君

9/6/2025, 1:22:12 PM

たまに、早朝に目が覚めることがある
そういう時は大抵、余裕があるからとゆっくり準備をして普段通りの時間に家を出る
でも今日はなんとなく早めに家を出てみた
少し遠回りのいつもとは違う道で、いつもとは違う音楽を聴きながら歩く
いつも通りの道になり見慣れた校舎が視界に入る
遠回りしたもののまだ時間がある。とはいえ外に立っているのも嫌なので教室に向かった
教室のドアを開ける。普段なら半分以上のクラスメイトがいる。しかし今は違う。窓から入る寝起きの太陽の光りと1人しかいないクラスの静寂だけだった
窓際後ろから3番目の席
外の景色を見るのが好きな自分にとってこの席は最高の場所だ
荷物を置いて外を見る 大きな校庭 たくさんの木 外を見ているのも好き。でも今日はいいところで止まっている小説が読みたい
風に揺られて木の葉が揺れる音
遠くから小さく聞こえる話し声
集中力が増して何ページも進められた。
こういう雰囲気だと時間の進みはゆっくりに感じるが時計を見ると思っているより時の流れは早いらしい
再び外を見ると数人が歩いている。そろそろいつもの教室に戻る時間だ
少し寂しさを感じるがこの特別な時間が長く続いてしまうのも違う気がする
ドアが開けられ友達が入ってきた たわいのない話をして放課後の過ごし方を決める。何ともない、ただただ平和な、普通であり特別な一日

誰もいない教室

9/5/2025, 1:52:43 PM

24時過ぎた頃。
急にアイスが食べたくなった
好機逸すべからず。軽く準備をして家のドアを開けるなんとなく昼とは違う空気に感じて特別感が増す
車に乗り誰もいない薄暗い道路を走る
少し進むと夜道を照らしここぞとばかりに仕事をしている街灯とそれとは裏腹に退屈そうにしている信号が目に映った
渡る少し前に赤信号に切り替わる正直止まる必要もないほどの静けさだが急いでいる訳でもないし信号がわざわざ仕事をしてくれているんだ。ゆっくりと止まって架空の車が通るのを待ちながらアイスのことを考えた 一台の車が前を横切り少しして信号は青色に光り通る許可をくれた。
当たり前だが自分以外にもこの時間に車に乗っている人はいる
前を通っていった車と止まっていた自分の車
この2台が何事もなく通れる。普通のことに感じれるが信号が無休で働いてくれているからだよなぁなんて普段はあまり思いつかない感謝ができた
気づいたら目的地のコンビニに着いた
待っていた時に決めたアイスを買って溶ける前に急い来た道を戻る
急いでいるのを感じてくれたのか、それともまぐれか信号は赤色から青色へ変えて通る許可をくれた
買ったアイスと共に無事に帰路に着くことができた

信号

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