黄色いイチョウの葉、
赤やオレンジ色に染まったもみじの葉、
そして木々から落ちた茶色い枯葉。
種類豊かな葉々達は、今日も優しい風に吹かれ、
茜色の空を意気揚々と舞う。
--二作目---
今年の秋は「あれ、もう冬になったんですか?」と思う程呆気なく過ぎて行った。
周りはもうすっかり冬色に染まっている。
ある所では雪が降り、そうでなくともコートやこたつを引っ張り出している人も少なくないだろう。
「...おい、窓側にいると冷えるぞ。ホットココア入れたからこっちに来い」
そんな事を考えながらぼんやりと外を眺めていると、せいらからの声が掛かった。
「ほいほい、今そっちに行きますよ」
俺は軽い返事を返しつつ、確かに寒いな...とそそくさとせいらが居る反対側へと移動する。
窓辺に居ただけで冷えるって、外どんなに寒いんだよ...やっぱり考えたくねぇな...。
「ほら、足の指が白いぞ、靴下履いとけ。それで、ついでに上着も羽織っとけ。体冷やすのは良くないからな」
「お前は俺のお母さんか()」
「...体調を心配するのは当然の事だろう?」
「いや確かにそうだけどさ...」
もうその言い方は世間一般的にお母さんがよく言う言葉なんだよな...俺は母さんに言われた事無いけど。
...と言う考えは、口に出さず心の中に留めておく。
「それに...」
「...?」
「俺はお前の恋人だ、いいな?」
「あ、あぁ///」
...そんな改めて言われると、どうしても恥ずかしいと言うか...照れ臭くなってしまう。
先程まで冷えていた身体が、一気に熱くなっていくのを感じる。...今絶対顔真っ赤だよな...。
「...そんな耳まで真っ赤にして、可愛いか?(ふっ、照れてるのか?耳まで真っ赤だぞ...)」
「お前それ絶ッ対本音と建前逆になってるだろ急に何言い出すんだよ///!?」
「あ、...まぁ、どちらにしても事実だからな、問題は無い」
「...せいらよくそんな事涼しげな顔で言えるよな...こっちが恥ずかしいわ///」
「本当のことを口にしてるだけだ、別に俺が恥ずかしむ要素なんて何処にも無い」
「あーはいはい、そーですか、いいよ俺ココア飲むから」
こいつのこの涼しげな顔...いつか崩してやる...そんな風に心の中で謎の決意を固めつつ、
俺は飲める温かさになったココアに口を付ける。
...うん、美味しいな...。
終わり
#秋風
118作目
:あとがき:
雑な終わり方ですみません!!
ただこんな感じのイチャイチャ?が見たかっただけなんです!!
完全に自得ですね!ごめんなさい。
読んでくださっていたらありがとうございますm(_ _)m
本当最近寒さがおかしいのでね、皆様ご自愛くださいませ。
それではまた次回
青い空に飛び立つ影。
パタパタと翼をはばたかせ、高く高く飛んでいく。
...偶然の出会い、けれど運命に導かれた出会い。
動けない私に出来た、唯一の友達。
私じゃ知ることの出来ない景色を見せてくれた、優しくて、小さな君。
君はもう新たな世界を見に飛んで言ってしまったけれど。
...あぁ、いつかまた、君に会えるかな...?
---二作目---
「またいつか会おうな」
...そう言ってから、一体何年経ったのだろうか。
三年?五年?いや十年?
...なんにしても、長い年月あいつに会えていない。
...俺はお前の事を覚えているけれど。
お前は、もう俺の事なんか忘れてしまっただろうか?
離れてからの時間より遥かに短い二年と言う時しか過ごしていない。
が、それでも。俺にとってのあの二年は、特別で、幸せで、一生忘れられないであろう一時だった。
だからこそ、一目でいいから、またお前に会いたかった。
その空色の髪を、海色の透き通るような瞳を、また見たかった。
あぁ...もし、またお前に会えるのなら--
「どれだけ幸せなんだろうな...?」
#また会いましょう
117作目
...またお前に会えた。
本当に偶然だった。街中を歩いているさ中、偶然目に止まったその後ろ姿。
随分大きくなって、かっこよくなって。でも特徴的な部分は何一つ変わってなくて。
...だから、思い切って声を掛けてみた。本人だって確信はあったから、...せいらが覚えているかすらも分からないのに。
...結果的に、せいらも俺の事を覚えていてくれた。
それがすごく嬉しかった、話して、話して、また会う約束をして、それが幸せで。
...でも。
今度こそ、次こそは。
離れること無く、ずっと一緒に過ごしていたい。
そう願う事は、悪いことではないだろう?
どんどん高く登っていく。
風を受け、緊張を纏いながら。
初めは全然平気だと思っていたのに
今ではそんな面影どこにもなく
全身の血の気が引くような、そんな感覚に襲われる。
...そろそろ着くぞ...
ジェットコースターの急行落下が!!
...イヤァァァァァァァァァァァ!?!?
---二作目---
ふわりと吹く冷たい風が、体の芯を凍らすように吹き荒れる。
目の前には、大きくて半透明な死神が一人、こちらを見据えるように立っていた。
逃げ出したくても、足がすくんで、座り込まないようにするのがやっとだった。
変な汗が湧き出して、頭が真っ白になって、呼吸が荒くなっていく。
『:.',・/;‘&¥'=;']#$$&'=:+$-(☆.._](},}"*$#<~』
理解できない言葉を発しながら、死神の鎌は俺へと振り下ろされた----
----
「う、はっ、アァ......もうヤダ...うぅぅ...」
休日の早朝、突然せいらが俺の元を訪れ、急に抱きついてきた。
身体は僅かに震え、珍しく顔を涙でぐちゃぐちゃにしている。
あぁ、今日は怖い夢見たんだな...なんてぼんやりと考えながら、優しく抱きしめ返す。
「おぉ、よしよし。今日怖い夢見たんだな...怖かったな...俺が傍にいるから、もう大丈夫...」
「...うぅ...」
せいらはホラーや怖いことが苦手だから。
そういう思いをした時は、決まって俺の元を訪れて、こうして泣き付いて来る。
...せいらには悪いが、怖いものが嫌いと言う所は凄く可愛らしいなと思う。
いつもは俺が年下のように優しく甘く扱われて、翻弄されてばかりだから。
こういう弱いところが見れて、なんと言葉にすればいいか分からないが、良いなと思う。
「...お前...絶対今余計な事考えてるだろ...口が笑ってるぞ」
「いーや?余計なことは考えてねぇよ。ただこう言うのも良いなと思っただけだ」
「...何がいいんだよ、こっちは全く良くねいんだが??」
「ふはッ、悪い悪い」
こう言うせいらの意外な一面が見れるのだから、偶にはスリルとかも悪くないなと思ったりする。
#スリル
116作目
海のような、青色の小鳥
雲のような、白色の小鳥
太陽のような、オレンジ色の小鳥
草木のような、緑色の小鳥。
花々のような、赤色の、黄色の、ピンク色の...色鮮やかな小鳥
今日もそんな小鳥たちは、自由に空へ羽ばたいて行く。
羽を鎖で繋がれた、真っ黒な僕は。
今日もそんな様子を眺めながら、あの自由な空へと思いを馳せる。
---二作目---
飛べないと分かっていても
抗わないと、何も変わらない。
出来損ないの俺は、それ相応の努力をしないと、周りの人達のように大空へと羽ばたくことは許されない。
そう思っていた。
...でも、やっと気付いた。
俺のような欠けた翼を持つやつが、空へと行けるわけが無いと。
抗うだけ無駄だと。
そう分かってからは、もう全てがどうでも良くなった。
自分の今までの努力は、必死に抗っていた時間は、全て無意味な事だったのだと思い知らされたから。
俺は、地を這うことしか出来ない、しない、哀れで滑稽な鳥に成り下がった。
もう全てを諦めていた。
なのに、なのに、諦めた...つもりだったのに。
お前がそうやって、こんな俺の手を握ってくれたから。
握って、掴んだまま、未来へと導いてくれようとしたから。
俺はまた、空に羽ばたきたいと思えたんだ。
#飛べない翼
115作目
(そろそろ恋愛的なお題来て欲しいな...(わがまま言うな))
地表で揺れるは、黄金の植物。
細く、そして月にさえも魅了し、光の恩恵を受ける美しいその姿に。
今日も秋の空気は導かれる
---二作目---
月光の輝きに晒されても尚、漆黒の髪を靡かせ、圧倒的な存在感を放つ君に
細く、それでいて美しい君の姿に、
「...どうしたんだ?せいら」
俺は魅了されてしまった。
#ススキ
114作目
(雑っぽくてすみません!!)