射抜くような、鋭い視線。
何を考えてるのか分からないのに、何でも見透かされているかのように感じさせる目
冷たく、透き通った氷のような青色の瞳。
いつものあいつは、そんな感じ。
でも
「...ふっ、どうしたんだ?俺の顔をそんなに見つめて」
「!?べ、別に見つめてねぇよ///!?」
「お前に見つめられるのは悪い気はしないし、隠すようなことでは無いだろう?」
「だーかーらー!そもそも お前の事見てねぇの///!」
「はぁ...そこまで言うならいい...そこでお前の好きなフルーツポンチ買ってきたんだが、食べるか?」
「なんでそんなヤレヤレみたいに言うんだよ!?......食べる...」
「ふは、そこは素直なんだな...」
「うっせ...///」
...こうやって、俺を見るあいつの目は、鋭くも
いつものあいつとは違う、優しく、暖かい目なのだから。
...本当、色々ずるいと思う。
#鋭い眼差し
90作目
自分の理想の景色を見るためには、楽な道だけではダメなのだ。
...だから、俺は一生懸命努力をしてきた。
何度も滑り落ちそうにもなったし、何度も途中で倒れそうにもなった。
途中で引き返すことだって何度も考えた。
それでも、俺は登り続けた。
最高の景色を見る為に...兄が登り詰めた場所へと行く為に、そして、両親に認めてもらう為に。
...けれど、やっぱり俺はダメなやつだった。
...俺はこれ以上、上へと登れなくなってしまった。
そんな俺の前に、突然あいつが現れた。
そして、こんな俺に手を差し伸べてくれた。
...最初はその手を拒んだ。けれどあいつは、何度も何度も俺に手を差し伸べてくれた。
......俺はその手を掴んだ。
もう一度、理想を叶えるために。
そして...こんな俺に手を差し伸べてくれたあいつの、願いを叶えるために。
一緒に頂点へと登り詰める為に。
--こいつとなら、一緒にいきていけると思ったから。
#高く高く
89作目
何かと俺の事を気遣ってきたり、何かと金を出そうとしたり、
抱き締めて来たり、頭を撫でて来たり、「好き」と言葉で愛情表現をしてきたり。
俺ばかりが一方的に甘やかされている現状に、年上としては不服な気持ちになる。
俺だって年上としての余裕を出したいし、あいつに何かをしてやりたいと思う。
けれど、
「......」
「?どうした?」
「...お前、俺の頭撫でるの好きだよな...」
「...フッ、あぁそうだな...。それに、こうしている時のお前の嬉しそうな顔を見ていると気分がいいからな」
「...嬉しそうにしてねぇよ...///」
「そんな顔で言われても説得力の欠けらも無いな」
「うっせ、年下の癖に生意気なんだよ...///」
「...本当に嫌ならここから抜け出せばいいだろう?」
「...///...もういい、...もっと撫でやがれ...///」
「こんな上から目線なお誘い他にないな」
「...///わりぃかよ...」
「いや?それがお前だって知ってるからな」
「はぁ〜ほんと生意気///」
「それが好きなのだろう?」
こうして子供のように...子供と言うには素直じゃないにも程があるのかもしれないけれど、
こうして甘えられる時間も、悪くないと思ってしまう自分がいる。
#子供のように
88作目
放課後
少し前までは、みんなが居なくなり、静かな空間で勉強ができる時間と言う認識しか無かった。
少しの雑音を混ぜながら、茜色の淡い光に包まれる教室で勉強するのは、中々に捗るというものだ。
けれど今は、どうだろうか。
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「...悪い、結構待てせたな...」
「よ、先生のお手伝いお疲れさん。そんな待ってねぇから気にすんな」
それより、早く帰ろーぜ。
俺はそう言いながら、後輩の手を引きながら歩き出す。
.....やべぇ、勢いで手を繋いでしまった...。
「...//////」
「......」
...というか普通に手を離せば良くね?テンパりすぎて気づかなかったわ...
なんともアホだなと思いつつ、繋いでいた手を離そうと--したのだが。
「!?ちょ、おまっ///!?」
「...なぜ離そうとする?繋いでおけばいいだろう...」
不満そうに言いながら、あいつは俺の手を再度握り返してきた。
...しかも簡単には解けないような形で、言わゆる恋人繋ぎをされている。
「...ッ///だ、誰かに見られたら...///」
「そんなこと心配しなくても、この時間は人通りが少ないから誰も見ていたいと思うぞ...。それに...」
そこで言葉を途切れさせたかと思うと、急にスルリと俺の手の甲を優しく撫でてきた。その行動に俺が一瞬ドキッとしている間に、あいつは手をさらに力強く握って俺の顔を見つめてきた。
「俺はお前と手を繋いでいたい。...ダメか?」
「うぐッ...もう..ッ.///好きにしろよ...///」
顔を逸らしながら、結局了承してしまった。
いつもこうなのだ。こいつは年下という事をいい事に、時々上目遣いで俺に所詮「お願い」をしてくる。
あいつは、俺がその行動に弱いことを知った上でやっているから、本当になちが悪いと思う。...まぁ、それに流されてしまう俺も俺なのかもしれないが...。
「...///」
「...顔、真っ赤だな」
「そ!...んな事...ねぇよ///」
「そんな表情じゃ、説得力の欠けらも無いな」
「うるせぇ...お前ほんと生意気なクソガキだな?」
「...そんな俺を好きになったのはどこの誰だったか...」
「ウッ...ほんとマジでそういうところだぞお前...///」
「これが俺だ。大人しく諦めろ」
「はぁ~...分かった分かった。大人しく諦めますよーっと...//...ほら、暗くならねぇうちに帰るぞ」
「...照れ隠し」
「うっせぇ!ガチでその口塞ぐぞ///!?」
そんな風に談笑?しながら。お互い同じ帰路に着く。
...こんな年下の後輩に翻弄されている現状が、凄く楽しいと思えてしまのだから、俺も随分変わったものだな...と自分で考えつつ、夕暮れの空の下。二人で手をつなぎながら帰った。
#放課後
87作目
追記:
なんかいつも以上に訳が分からない内容になってしまいすみません(泣)
そしてここまで読んでくださっている方はありがとうございます...。
少しでもいいなと思っていただけていたら幸いです。
これからもよろしくお願いいたしますm(_ _)m
何の変哲もない、普通のカーテン。
真っ白な普通のカーテン。
...普通のカーテンのはずなのに
『なぁ、見てみろよ!』
目の前に映る、カーテンを被り、無邪気な子供のように、笑顔を見せるあいつの姿は...
綺麗な、花嫁姿に見えたんだ。
#カーテン
86作目