霧夜

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何かと俺の事を気遣ってきたり、何かと金を出そうとしたり、
抱き締めて来たり、頭を撫でて来たり、「好き」と言葉で愛情表現をしてきたり。

俺ばかりが一方的に甘やかされている現状に、年上としては不服な気持ちになる。
俺だって年上としての余裕を出したいし、あいつに何かをしてやりたいと思う。

けれど、

「......」
「?どうした?」
「...お前、俺の頭撫でるの好きだよな...」
「...フッ、あぁそうだな...。それに、こうしている時のお前の嬉しそうな顔を見ていると気分がいいからな」
「...嬉しそうにしてねぇよ...///」
「そんな顔で言われても説得力の欠けらも無いな」
「うっせ、年下の癖に生意気なんだよ...///」
「...本当に嫌ならここから抜け出せばいいだろう?」
「...///...もういい、...もっと撫でやがれ...///」
「こんな上から目線なお誘い他にないな」
「...///わりぃかよ...」
「いや?それがお前だって知ってるからな」
「はぁ〜ほんと生意気///」
「それが好きなのだろう?」

こうして子供のように...子供と言うには素直じゃないにも程があるのかもしれないけれど、
こうして甘えられる時間も、悪くないと思ってしまう自分がいる。

#子供のように
88作目

10/13/2023, 11:26:15 AM