Frieden

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2/19/2025, 10:09:50 AM

「手紙の行方」

この手紙を読んだあなたは────。

これは、字の汚すぎる人間同士の、不幸の手紙の話である。

「ククク……世の中の愚かな連中が俺の書いた手紙に振り回されますように───、と。」
その手紙にはこう書かれていた。

"3日以内に、この手紙を読んだあなたのもとへ不幸が訪れます。不幸になりたくなければ、同じ内容の手紙を5人以上に送ってください。"

これを受け取ったのは───。

「なに……これ……?」「どしたー?なにそれ!今時ラブレター?!」「いや、わかんない……。」「わかんないって、そんなわけ……ん……?」

「なに……これ……?」

「字汚すぎでしょwwwもはやおもろいwww」
「いや、これなんて書いてあるか気になるんだけどっ!」
「知らなーい❤︎アラビア語のほうが読めそうかもー⭐︎」

「とりあえず……読む!」

彼女が読めたのはこんな内容だった。

"ろ日以内に、この手紙を読んだあたたのもとへ棒が訪れます。棒になりたくなければ、筒じお客の手紙を与人い土に送ってください。"

「絶対違う!!けど、井土与人くんならいる!!よし!井土くんに手紙を書くよ!」

数日後───

「よっちゃん、おはよ───何やってんの?」「よっちゃん言うな。てか、これ何?お前が書いたん?」「ん……?なに……?マジで知らん。」「マジかー。」

「何この怪文書?」「俺が聞きたい。」

「3目以内に、この手紙を読んだあたたのモをへ棒が言い方れます。」「マジ?!」「なんで信じられるんだよ」「おもろそうと思って」「洒落にならん」

「棒になりたたければ、箇じあ用の手紙を与人い土に送ってください。」「は????」「なんで苗字と名前逆なん?」「そこじゃないだろ」

「なんで俺が棒にならなくちゃいけないんだよ。」「え?実は信じてる?」「信じるわけないだろ???」「信じてたらおもろいのに……。」「残念そうにすんな。」「ぴえん」

「これはお前にやるよ。」「いらね〜〜!!!」

その後───

「……けっ。あの手紙結局俺のとこに帰ってきたじゃねーか。多分あれ最初に書いたの俺なのに、なんでこうなった。」

……不幸の手紙は、あなたのそばに存在しているかもしれません……(?)。

2/17/2025, 10:42:06 AM

「輝き」

日の出。朝露。ダイヤモンドダスト。水面。雨。星。
笑顔。涙。思い出。刃先。花火。夜景。

それぞれ違った輝き。

みんな違って、みんないい。

2/17/2025, 10:11:03 AM

「時間よ止まれ」

僕は奴を憎んでいる。世界を憎んでいる。
いずれは奴を殺し、世界も滅ぼす。
全ての時を永久に止めてやる。

まずは奴の大切なものから消そう。
友人、恋人、家族。
そいつらの時間を止めてやった。

次は、奴の生まれ故郷を。
全てを燃やし尽くし、要塞都市は陥落した。
ざまあみろ。

それから、奴の旅した国々を破壊し尽くす。
草花を、音楽を、伝承を、全て消し去ってやった。
まだだ、まだ足りない。

奴がいる限り、時は止まらない。

奴は、奴はどこへ行った。
世界は燃えたのに、奴はまだ息の根を止めない。

ああ、我が力よ。
奴の時間を止めろ。時間を止めるのだ。

時間よ、止まれ。

2/16/2025, 1:28:34 PM

「ありがとう」「君の声がする」(2/14、15)

君の声がする。
苦しみ、助けを求める君の声が。

ここはかつて故郷だった場所。
今やただの焼け野原。皆が家も家族も失った。

君の声。どこだ、どこから聞こえる?

なかなか見つけられない。

燃え盛る炎の、ごうごうという音ばかり聞こえる。
見渡す限り、火と瓦礫。

君はどこ?

火の中から聞こえる叫び。

僕は燃える家だったものに飛び込む。

僕も燃える。僕が焼けるにおいがする。
見つけた。君がいる。

僕は君を瓦礫から引き摺り出した。
ボロボロの君と僕。

君は絞り出すような声で、僕に「ありがとう」と言う。

嬉しかった。ほっとした。

でも、君はもう動かない、息もしない。
助けたのに、助けられなかった。

この街に、焼けた僕だけが残った。
孤独な僕が、残ってしまった。

生きる術も、目的も、全て失った僕に価値はない。
僕も、瓦礫の一部になってしまおう。

せめて君だけは、綺麗な姿で残ってくれ。

さようなら、ありがとう。

2/14/2025, 3:53:42 PM

「そっと伝えたい」

-ある日のこと-
「ニンゲンくん、そろそろ晩ご飯の支度をしようか───「ボクがやるー!」「ありがとう、⬜︎⬜︎。気持ちだけ受け取っておくね?」「やー!ボクがやるのー!!」

-またまたある日のこと-
「おはよう、お着替えしようか!」「や!ボクがおきがえしゅるのー!」「……。」

゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒*゚*。 

「ニンゲンくん、最近⬜︎⬜︎がなんでも自分でしたがるんだよ。」いいんじゃないか?子どもらしくて。
「まぁ、それはそうなんだけど。」

「とはいえ、あの時はね……。」なんかあったのか?
「キミは見ていなかったっけ?昨日の⬜︎⬜︎の……がんばり……フフ……を!」な、何笑ってるんだよ。

「いやあ、思い出すと面白くってさ!フフフ……。」
「だって、その時ズボンとして履こうとしてたの……キミのパジャマの上側だったんだよ?!!」

「本当はそっと伝えようと思ったが、あまりにも本人が真剣だったから、言い出しづらくってね……。」

「しばらく見守っていたら、怒りながら『ぜんぜんはけない!』って言うんだ!だから手伝うふりをして、キミのパジャマは回収しておいたよ。」どうもありがとう。

「まだ着替えもひとりじゃできないから、キミも時々手伝ってあげてね?」はいはい。

「⬛︎⬛︎ちゃん!ニンゲンしゃん!なにちてるのー?」
「⬜︎⬜︎がかわいいってお話をしていたのさ!」「へー。」
「ボクもおはなち、しゅるー!」

「やっぱりかわいいね〜!」「……かわいい。」「ありがと!みんなかわいいよー!」「おれいのおかち、おじゅんびしゅるから、まってて!」

これは、小さな機械がお菓子と牛乳を盛大にひっくり返す10秒前の話である。

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