シロツメ ナナシ

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3/17/2026, 3:09:05 AM

『怖がり』


あなたは怖がりさん?

うん、大丈夫
それでもいいと思う

怖がってるってことは
ちゃんと人の心配ができる人
なにかに挑もうとしてる証拠


だけどひとつだけ
止まらず進んで欲しい

少なくとも私の目の前では
失敗してもいいし
弱音を吐いてもいいし
間違えたっていい

進むことを選んで欲しい
それが小走りでも
転がってでも ほふく前進でも
座りながらでも 泣きながらでも
なんだっていい
進んでる姿を、私に見せてね


私との、たった一つの約束だよ―――


〜シロツメ ナナシ〜

3/16/2026, 4:12:55 AM

『星が溢れる』


あるところに
空の神様がいました
神様は星が大好きで
お空の星を沢山集めて、
「これぜーんぶ私のモノ!」
と、独り占めし始めていました
その中には、
まだ星として光ってない
星の種までも集めて回ってました

集めた星は
背負ったカゴの中に
既にいっぱいでした


ある日、
今日も空の神様は
星を集めて回ってました

キラキラで綺麗なものから
まだ光ってない星の種も含めて
一つひとつ丁寧に
隅から隅までとても楽しそうに
集め回っていました

そこに
星育ての神様がカンカンになって
空の神様の所にやって来ました

「これは君だけのものじゃない!
 他の神様だって欲しいんだ!
 この一つひとつにも
 これから神様になる星だってあるんだ!
 集めてばかりいるんじゃない!」

そう怒鳴って
星育ての神様は
空の神様の持ってたカゴを
無理やり取り上げ
お空に パッ!っと
ばらまいてしまいました

「あー!僕の星が!」
慌てて取りに行こうとする空の神様

「違う!君だけのじゃないんだ!」
それを止める星育ての神様

カゴから溢れる程入ってた星達は
キラキラと舞うように空に散っていった
一緒に入ってた星の種達も
お互いがぶつかり合う衝撃で
いくつか光り始めるものがあったり
流れ星となってさらに遠くに行ったり
みるみるお空は光り出していきました


星育ての神様は
自分の育ててる星と
今散っていった星たちの様子を見に
「もう勝手なことするんじゃないよ?」
そう言って育てる旅に戻っていきました
―――カゴも没収して

空の神様は
カゴを無くしてしまい
星を集めることが
できなくなってしまいました

「はぁ…、せめて……繋げないかな?」
そう言って空の神様は
星と星を線で繋いで
ちょっとしたお絵描きを始めました
「これが羊で、これが牛で―――」

ちょっと楽しくなってきた空の神様
それがどんどん完成していくと
いつしか空は、色んな生き物やものの絵で
彩られていました

この空の絵を見られるのは
みんなが寝静まった、真夜中だけ―――


〜シロツメ ナナシ〜

3/15/2026, 6:12:06 AM

『安らかな瞳』


目が違う
目が訴えかける
悲しい目をしている
警戒した目

目は口ほどに物を言う
とは、よく言ったものだ

相手を知るほど
どんなに優しい声をしていても
どんなに取り繕っていても
やはり目は正直だなと 感じる時がある


それは子どもや
猫なんかもおなじ

態度にも出るが
我慢出来る子どもや
何も言わない猫なんかは
その目で気持ちを必死に訴えかける
それか、抑えきれない我慢が
目からこぼれて出てるのが正しいかもしれない

楽しんでる時の子どもの目
ご飯が欲しいと見てくる猫の目

その目はなんだか
夢中な様子や
安心してお願いしに来る様子が
目を通してとても伝わる


私が、そんな目を向けられる日が来る
なんて―――幸せなんだろう


〜シロツメ ナナシ〜

3/14/2026, 9:14:09 AM

『ずっと隣で』


おじいちゃんが
猫と犬を飼い始めた
まだちょっと若いぐらいではあるけど

人付き合いが苦手で
動物には好かれやすい
寂しがり屋なおじいちゃん


飼い始めてすぐ
やっぱりその子たちは
すぐに懐いて行った

おじいちゃんはイキイキしていた
おばあちゃんが先に亡くなったから
しばらく塞ぎがちだったけど

ペットを飼うのを進めたら
しぶしぶ受け入れてくれた形
飼うのがイヤとかそういうんじゃない
ただとにかくおばあちゃんとの別れが
ものすごく寂しくて辛かったようで
飼うまでに時間がかかったのだ

そりゃ……無理もないよね


おじいちゃんは
少しずつ元気になり
その子たちもすくすく育って行った


おじいちゃんは
たまに小さくお願いをする

―――もし
君たちにお迎えが来たら
良かったら
一緒に行ってもいいかい?

―――と


その願いは、
僕は見届けることになった

最初は猫だった
歳をさかねていくうちに
腎臓の病気になり、
10歳をすぎたあたりから
おじいちゃんと僕たち家族は
順番に猫を病院に連れて行っていた

しばらく良かったが、
やはり歳と病気はゆっくり進み
そして―――
私たちに気づかない所に
隠れるように旅立った

猫が病気の時、
おじいちゃんも
ガンになってしまっていた
家族が気になって病院に連れていき
見つけた時には、
既に相当ステージが進んでいた…

これは、
おじいちゃんの願い―――
ずっと黙ってたおじいちゃん
自分で―――選んだのだ


そしてある日
猫が旅立った―――

おじいちゃんは病気の中
猫を見送ると、ほんの数日後に
追いかけるように旅立った


僕が驚いたのは 実は、
それまでずっとおじいちゃんのそばに
犬も離れずそばに居たことだった
片時も離れなかったほど
病院の検診に行く時だって
ものすごく暴れていた
まるで、離れるわけに行かないのだ!
とでも言ってるかのようで―――

おじいちゃんが旅立つのを
犬は黙って見送っていた
1度だけ悲しそうに
遠吠えをしたあの夜を
僕は今も覚えてる

その日から犬は、
何も食べなくなった
まるで、役目は終わったのだと
言ってるかのように

……いや、
次の役目を果たすためだろうか
人の静止も振り払い
犬は頑なに何も食べようのしなかった
この子は………選んでる
まるでおじいちゃんの魂を
少し分けてもらったかのように

僕達は、
苦渋の決断、断腸の思いで、
犬の気持ちを尊重した―――………

数日後、犬は旅立った


猫が先に行き
おじいちゃんがついて行き
犬がおじいちゃんを支えるように


僕は
今も覚えてる
みんなずっと隣に居ることを
心から望んでるようだった


もしも神様が
転生する権限をみんなに与えても
きっとみんなは、
その手段を選ばないだろう
もしも強制的にすることになっても
3人は一緒に逃げ出すか
またいつか3人一緒になるか
そのどちらかじゃないかな?

―――なんて、僕は思ってしまう


ずっと一緒にいたい人
おじいちゃんは、そんな人

僕ももしもお迎えが来たら
まずは3人に、会いに行きたいな―――


〜シロツメ ナナシ〜

3/13/2026, 5:28:03 AM

『 White Clarity
   〜もっと知りたくて〜』


あなたと出会ったその日から
私はほんの少しずつ
興味というものを覚えて行った


顔は特に好みじゃない
だけど別にイヤでもない

だらしなさの方が目立つ人
だからふとした事に感心する

頑張ってる様子なんて滅多に見ない
けど本気の時の目はすごくて

自分のことは笑われても
人のことは笑わない

おかしな時は笑うけど
失敗を笑ってる訳じゃない


…たぶん、そんな
期待しなくていい人―――


あなたの持ってるその心は
透き通った人なのか
もしも濁っていてもそれは真っ白だと
私は何となく思った

気がつけば私は
あなたを知りたくなっていた
少しずつ…少しずつ……

もう少し見せて欲しい
私の白も 透明も みんな見せるから
貴方の白を 透明を もっと見せてください


〜シロツメ ナナシ〜

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