シロツメ ナナシ

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3/15/2025, 4:04:28 PM

『心のざわめき』


それは説明できないような
心の動きだった

見ても聞いても
わたし自身は
ちっともなんとも思っていない
……はずなのに

それを見てると聞いてると
身体が微かに反応する
それは心なのか魂なのかも
分からないほどの微細なざわめき

好きとも言えない
なんなら苦手な感覚に近い
いやなら見なきゃいいのに
いやなら聞かなきゃいいのに
わたしはそれから
目が…心が…離せなかった
気になって仕方がなかった

これが―――
興味 というものなのか
わたしも…
その世界で…輝けるのだろうか?


わたしは
長い長い時間をかけて
そして意を決して
その世界に
小さな一歩足を 踏み入れて

時間をかけてでも
進んでみようと
好きを育ててみようと
そう 思ってみた―――


〜シロツメ ナナシ〜

3/15/2025, 1:18:46 AM

『君を探して』


私は今も
進んでるし、戻ってる
それとも
戻ると言う名の進むかな

今という時間を
大切にしながらも
私は過去にも進んでる
捨てた自分を探しに
よわい自分を探しに
      そんな―――

大切な自分を探しに

今の私は…
 (価値のない勝ちの塊)

かつての自分にこそ、
もっと大切なものを持っていた
そんなことも分からなかった
願いや気持ちやプライドが
その日の私を優先してて
大切な私を捨てていた

その道は……今にも崩れそうな
ズタボロな通路だった
あかりもほとんど無くて薄暗い
至る所が壊れてて、
色んなものが飛び散り汚れ…
……そう、全部これは
自分がやった事
今の自分がやった事
…自分の中で、自分にやった―――


そして同じく、
その日のままで 君(私)が居た
…君に…
今の私はどう写ってるだろうか?
にくい? こわい? 羨ましい?
……滑稽だよね
その君(私)が邪魔で倒して
私は今を生きてきたのに
その君(私)が必要で戻ってきた……

………ごめんなさい、私(君)
「今の私」にできることは
そう多くないけど………
許してなんて言わないから……
今度こそ、手放さないから…!

私と一緒に――― 来てください
あなたもあなたもみんな
私にとって必要だって
やっと……気づいたから


〜シロツメ ナナシ〜

3/14/2025, 1:06:03 AM

『透明』


触れてみた
触れてないけど 触れている

見つめてみた
見えてないけど 見えている

嗅いでみた
匂いがと言う 匂いがある

乗ってみた
そこにないけど 立っている

聞いてみた
しじまのなかに 聞こえる音

食べてみた
味は無いけど 飲み込める

抱きしめた
触れてないけど 繋がっている

見えない不安に触れるのは
自分と向き合う時なのかも―――

私は感じる、全身で―――
私とあなたの繋がりを


〜シロツメ ナナシ〜

3/13/2025, 5:41:01 AM

『終わり、また初まる、』


では、改めてようこそ
〜星の図書館〜 館内の一室
通称ープラネタリウムー

ここではあなたの中の
繋がってしまったままの物語
つまりは、今のあなたが
抱えつながっている過去の記憶と
少しでも向き合おうということで
来てもらった訳ですが

不安ですか?
ええ、それは仕方ありません
ここで起こることは言わば
夢のようなものですし、
必ずしも解決するわけじゃありませんし
あなた自身も、
過去の思い出したくない
自分に起こった記憶も
見たくなかったシーンも
とてもとても、思い出すだけでも
ひどく辛くなることのはずです
ですがあなたは
今とても 勇気を持ってここに来た
大切な1歩を踏み始めました
そして…ここでの出来事が
ひとつ あなたの助けには
なると思い、願ってます

ここでやる事は
あなたの記憶を物語として
形作るために、
記憶を星にして空に飛ばします
その星にした記憶を
私のチカラで、本に変えるんです
そうすることで、少しですが、
あなた自身があなたの過去と
向き合いやすくなるはずです

ではまずは……
この小さなクッションを握ってください
それはあなたに差し上げます
そして、少しだけ念じてください
……っふふ、驚いてますね
えぇ、あなたがイメージしてる
身近にある少しでも安心できるものに
変化してくれるんです
他の人は、そのひとたち自分が
安心出来るものになってましたよ
枕以外に、毛布や布団
バスタオルや抱き枕と

今回は、あなたの枕 のようですね
えぇ、それをそのまま
抱きしめててくださいね
それはいうなら 安心材料、
万一の時にここに戻ってくる為の手綱、
水に浮かぶための浮き輪の役割を
果たしてくれます

ではまず、
1度ゆっくり深呼吸をして……

……はい、その呼吸のリズムのまま
ゆっくり……あなたの好きなリズムで
呼吸を繰り返してください

では次に
星を五つ、イメージを
赤い星には怒りを
青い星には悲しみを
灰色の星は辛い事を
緑の星には安心を
黄色い星は最高の幸せを

…それを形作ったら
あなたの好きなように
空に投げてください
その星を、今から私が
本にしてみましょう
ええ、あなたの物語を
手に取れる形になったということです

では……今
抱きしめてるものを離さないよう…

ゆっくり、
赤い星を覗き開いてください
はい、あなたがあなたを見ています
本に吸い込まれないように
その枕をしっかり握ったまま…
その怒りは、あなたの…相手の…
その怒りは感じていいんです
ギュッと枕を締め付けるようにしていい
思い切り泣いてしまってもいい

感じ終わったら……そっと本を閉じて
空に返してください


はい、これをひとつずつ
青い星や灰色の星でもやってみましょう
……いえ、特になかったのなら
あるいはどうしても今は
思い出したくないのでしたら
無理して開かなくていいんです
ここに、この空に
本に変えることが出来ただけでも
あなたはとても大きく
前進が 出来たんですよ?
あなたは 成長が 出来たんです

では、緑の星は開けますか?
あなたの癒しの時間を
どんな小さなことでも
ご飯、寝る、お風呂と、なんでも
あなたが心地よくなる時間を
本を通して感じてください
美味しかった味や
気持ちよかった瞬間を…

では、このまま
黄色い星の本も開けましょうか
思い出せる思い出、
とても最高だった瞬間
あるいはほんの少しの幸せ
どんな瞬間も全てあなた

……ええ、
ここに、繋ぎなおしましょう
この黄色い星の本と
緑の星の本に、今のあなたを
ゆっくり繋ぎますね

ほかのホントのつながりは
完全に切り離すことはできませんが
限り無く少なくすることは出来ます
赤や青の本との繋がりは
ほんのひとかけらだけ
ほんの一本分だけの繋がりに変えて…
えぇ、これも実は大切なあなた
完全に無くすことは
今のあなたの否定になります
なので、ほんの少しだけ
こことも繋いで……

黄色や緑の星の本と
大きく繋がりを持って……
これまでの…あなたが……

一旦 終わり、また初まる、
……そう、
新しいあなたが 始まるんです


……ではゆっくり、
本を閉じて…空に返しましょう
あなたの良いタイミングで良いですよ
黄色い星の本と緑の星の本を
ゆっくり返して
星の本は…
私が1度預かりますね

少し空を散歩するように……
ゆっくり戻ってきてください
のんびりと…枕の感触を……
思い出すように……
黄色と緑の星の本を…感じたまま
そっと……、戻ってきてください
戻ってきたと思ったら、
目を……開いてくださいね…。


…はい、おかえりなさい

いかがでした?
あーいえいえ、良いんですよ
思い切り怒ったり泣いたり
むしろそうして欲しかったので
どうですかね?
少しは整理ができましたか?

あぁそうそう、ここに
ほら、あなたから生まれた
星の本、ありますよ?
持っていっても構いませんし
ここに置いていっても大丈夫
……っふふ、大丈夫ですよ?
管理は任せてください
他の人にも見せませんので
私も特別な理由がない限り
覗いたりもしませんので
ご安心を

……ん、どうやら 一時的にでも
曇りは晴れてくれたようで
私も嬉しいです

……えぇ、このために来る人も
少なくないのでご安心を
また来たい時に来てください
あなたに合った使い方
そして、あなたが思う
あなたらしさがひとつでも多く
見つかりますように
あなたが今よりより良く
そんな手伝いが出来たらと思ってます

本の整理でも、
読みたい本を探すでも

はい、私は大歓迎ですので
またいつでも、来て下さいね


〜シロツメ ナナシ〜

3/12/2025, 1:21:02 AM

『星』


おや、いらっしゃい
どうでしたか?ワープできる栞は
えぇ、成功してますよ。
ここは ―星の図書館― ですよ

先日ぶりですね
来てくれて嬉しいです

…はて……、あなた……
気のせいでしょうか…?
少しですが顔色が良くないですね?

……なるほど………
あなたは……過去の…
「あなたの物語」に縛られてるんですよ
えぇ。あなたの記憶や思い出も
私からすればそれは物語
本や紙に書くとして、
それが1ページでも、1行でも、
たった一単語で済んだとしても
それはあなたにとって
とても大切な物語。
そしてその物語は同時に
その人を幸福に導くものにもなり
その人を支える大切なものになり
その人を…一生くるしめる場合も…
そう、大切ならいいんですが
「間違って大切にしてしまう事」
というのもあるんですよ

その辛い物語から離すことは
大変難しいのですが、
私は少しだけ、緩めるお手伝いなら
多少はできるんです。
そうですね…、
どれくらいチカラになれるかは
分かりませんが……あなたのでしたら
縛りを弛める事ならできるかも知れません
それでも良ければ
私がお手伝い致しましょう
では、こちらに来てください


この部屋です
ここでの主な目的は
あなたの、利用者の過去の記憶を
簡単に物語にして、
空や天井に映し出すための部屋
映し出してみるのですから、
私たちは通称 ―プラネタリウム― と
そう呼んでいます

……あぁ、大丈夫ですよ?
映し出した時にはまだ星です
そしてそれを先ず見れるのは
あなただけですので
あなたの許可なしに
他の人が見ることはありませんので
どうかご心配なく

では、始めてみますか?

―――分かりました
では、
あなたの助けになりますように
私もお手伝い致しますね


〜シロツメ ナナシ〜

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